2020年10月最後の日。
ブルームーンとハロウィンが重なった。「ブルームーン」は、
1カ月に2度満月があるとき、
2度目の満月を言う。
青く見える満月も、
「ブルームーン」と呼ばれる。
月の満ち欠けの周期は約29.5日である。
だから1カ月に2度の満月は起こる。
月の満ち欠けをもとにした暦がある。
人々にはわかりやすい。
「太陰暦」と言われ、
明治の初めまで日本も太陰暦を使っていた。
そのブルームーン。
カメラをズームすると、
くっきりと映る。
月の海もクレーター見える。
美しい。
しかし今宵の満月は、
2020年で最も地球から遠い位置にあった。
だから一番小さい。
称して「マイクロムーン」。
今年は4月の満月が最も大きかった。
ピンクムーンのスーパームーンと呼ばれた。
今夜のブルームーンは、
それより13%も小さいし、30%も暗い。
しかしそれでも満月だし、
今日はハロウィンでもある。
1974年以来46年ぶり。
昨2019年の東京・渋谷交差点。
しかし今年の人出は例年の8割減だった。
仮装した若者は少なかった。
トラブルもほとんどなかった。
日本の若者はクールだ。
冷静だ。
とてもいい。
アメリカのトランプ支持者たちとは違う。
渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長。
日刊スポーツの取材に応じて発言。
「若者とバカモノに分かれた。
多くの若者が自粛を理解してくれて、
日本人の良いところが出た。
非常に感謝しています」
「若者」は仮装しない人、
「バカ者」は仮装する人。
来年以降にも希望的観測を述べる。
「渋谷で騒ぐことがカッコ悪い
という流れになってくると思う」
新しいハロウィンの幕開けか。
10月19日のこのブログで書いた。
尾身茂さんの発言。
地域医療機能推進機構理事長。
「半年間の経験から、
社会の対応次第でウイルスを
ある程度コントロールしていくことは
可能になってきた」
「新型コロナは、
人々の行動が感染動向を左右する」
「数字だけで判断するのではなく、
社会全体の感染防止への意識が
低下していないか判断しながら
アクセルとブレーキを踏む必要がある」
「社会全体の感染防止意識」
アメリカやヨーロッパは、
それが薄れて、第2波を迎えた。
私はアクセルとブレーキに、
「両者の間のクラッチも必要」と書いた。
2つの動力伝達軸の間で、
回転を伝達したり遮断したりする機能。
それが政治や行政だし、
それを支える学者や専門家だ。
菅義偉政権には、
それができるはずだ。
ただし「Go To」に浮かれてはいけない。
バラマキもいけない。
「社会全体の感染防止意識」が、
何よりも大切だ。
朝日新聞「天声人語」は、
現在のドイツを報告する。
「新型コロナの感染拡大を食い止めようと、
1カ月間、持ち帰りをのぞいて
全ての飲食店を閉鎖する」
「フランスは全土に外出禁止令を出し、
イタリアも飲食店の営業を制限した」
理由は夏季休暇シーズンに、
移動制限を緩めたこと。
つまり社会全体の感染防止意識が緩んだ。
「日本はGoToトラベルやイートの真っ最中である」
「油断はできない」
同感だ。
商人舎流通SuperNews。
9月商業動態統計|
商業販売額12.8%減/卸売業14.8%減・小売業8.7%減
経済産業省の9月「商業動態統計速報」
小売業の販売額は、
12兆1010億円で8.7%のマイナス。
卸売業は31兆5900億円で14.8%減。
飲食料品小売業が1.4%増。
業種で見ると飲食料品だけが増加。
前年同月比を業態別に見ると、
スーパー 3.0%減、
コンビニエンスストア3.1%減
ドラッグストア 8.2%減
ホームセンター9.9%減
家電大型専門店29.0%減
百貨店34.0%減
ここでいう「スーパー」は、
総合スーパーとスーパーマーケット。
困ったことに経産省もまだまだ、
業態分類が正確ではない。
総合スーパーが悪いから、
両者を合わせるとマイナス3.0%。
食品スーパーマーケットはプラスのはずだ。
だから「スーパー」だけがプラスで、
他はずいぶん落ち込んだ。
好調だったドラッグストアも8.2%減、
ホームセンターも9.9%減。
昨年10月に消費税が増税された。
9月はその駆け込み需要があった。
だから今年はその分、減じた。
しかし全体を見ると景気も消費も、
冬に向かってダウントレンドにある。
若者とバカ者とに分かれて、
若者が増えた日本。
このクールさは、
商売でも大切だ。
〈結城義晴〉