米国サンクスギビング週間。
11月第4木曜日が、
サンクスギビングデー当日。
次の金曜日がブラックフライデー。
そして土日曜日は全米の人々が、
例外なく集い合う。
家族と恋人と、友人と同僚と仲間と。
さらに来週月曜日が、
サイバーマンデー。
小売業もブラックフライデーは、
1年で一番、顧客を集める。
いわゆる「書き入れ時」。
しかし今年は店舗はガラガラ。
街の中にも人出が少ない。
写真はサンフランシスコの対岸のアラメダ。
浅野秀二さんが住んでいる街。
紅葉は美しいが、
人影が見えない。
その浅野秀二さんのFacebookのコメント。
「寂しい感謝祭だ。
家族が集まって食事はできない。
看護師をしているケント君は
コロナ患者に頻繁に会っているようだ。
とても危険で我々に会えないと言って来た」
「同じ街に住む武蔵(浅野さんの息子さん)には、
ターキーを渡して、その後、
ショートホール9ホール周り、
街の色ついた街路樹の写真を撮った」
それがこれらの写真。
今年のサンクスギビングデー当日は、
営業を休止する店が多かった。
チェーンストアでさえ休業した。
もっともコストコは、
毎年、サンクスギビングデーを休業にする。
従業員に家族や友人と、
仕事を忘れて過ごしてもらいたいからだ。
店が休業だから、
買物はeコマースに集中した。
アマゾン・コムのジェフ・べゾスCEOの発言。
「今年のホリデーシーズンは、
前例のないものになる」
ウォルマートもeコマースが絶好調。
事前の予測だが、
感謝祭週間のeコマースの売上高は、
60億ドル超、6000億円。
昨年が42 億ドルだったから、
42.3%の増加。
感謝祭からクリスマスまでの1カ月を、
ホリデーシーズンと呼ぶ。
この1カ月でeコマース売上高は、
約1891億ドル、18兆9100億円。
日本でもオンラインが急増している。
「コロナは時間を早める」
さて、日経新聞「大機小機」
11月26日木曜日のコラム。
タイトルは、
経営を左右する”言葉の力”
「企業はベテランと若手社員の
コミュニケーションの難しさに
直面している」
「団塊世代の大量退職に伴う
技術継承は喫緊の課題で、
進まない原因の一つに
“言葉の力”の不足が挙げられる」
同感だ。
「十分にマニュアル化されず
引き継ぎ書もないまま、
属人的な業務分担に
依存している職場も少なくない」
「管理部門の事務作業も同様だ。
部下に物事が浸透しないのは、
上司の説明が下手だからだ」
コラムニストは辛らつだ。
「引き継ぐためには、
業務の背景や目的、哲学を
体系立てて伝える必要がある」
「職場内訓練(OJT)と言えば
聞こえはよいが、
小手先の手法や手順を教えるだけでは
納得感のある理解は得られない」
「形式的な理解では
予期せぬ事態に対応できないだけでなく
思考停止を招き、環境変化への
柔軟な適応を困難にさせる」
これも全く同感。
英語は「言葉にすること」を重視する。
対照的に日本では、
言葉で明確に説明する意識が希薄だ。
だから「行間を読んで」、
相手の気持ちを量る傾向がある。
「忖度(そんたく)」がそれだ。
コラム。
「しかし、
価値観が多様化した社会では、
体系的に整理された
わかりやすい言葉でなければ
物事は伝わらない」
思い付きの言葉を連発する類の、
コンサルタントなどが多い。
しかしそれでは人々を迷わせる。
組織風土も壊す。
気をつけねばならない。
「暗黙の理解や自助努力を促すだけで
言葉によって表現できなければ、
部下の腹に落ちた理解を得られず、
リーダーの責務を果たせない」
「簡単に思える事も、
いざ言葉で説明しようとすると
難しいことに気が付く」
「伝える」と「伝わる」は違う。
私のコミュニケーションの講義と同じだ。
私の講義はドラッカーの教えを説く。
「技術や考え方だけでなく、
内部統制、コンプライアンスの定着にも
“言葉の力”が大きく影響する」
「経営施策を組織に浸透させるために、
リーダーは自分の言葉で
力強く語れなければならない」
どこかの首相への当てつけか?
「部下は上司の言動を見て
行動を変容させる。
“言葉の力”の強化には
訓練が欠かせない」
「リーダーが情熱をもって
自分の言葉で説明することが、
部下の腹に落ちた理解を促し、
技術の伝承だけでなく
経営の施策の実効性も高める」
このブログで何度も紹介しているが、
拙著「Message」から一部抜粋。
「言葉」
はじめに言葉あり
言葉は神とともにあり
言葉はすなわち神なりき(ヨハネ福音書)
言葉で仕事し、
言葉で思索し、
言葉で成長する。
新人諸君、先輩諸氏。
社長も部長も店長も。
モノを言わぬ者は、去れ。
評論家も、コンサルタントも。
識者も、学者も、編集者も。
考えぬ者は滅びることを知れ。
最後にコラムの提案。
「リーダーの”言葉の力”の鍛錬を、
優先的な経営課題と
すべきではないだろうか」
同感。
だから、
商人舎ミドルマネジメント研修会でも、
万代知識い商人大学でも、
言葉を大切にするし、
言葉の力を鍛錬する。
言葉で仕事し、
言葉で思索し、
言葉で成長する。
〈結城義晴〉