東京都の新型コロナ新規感染者は、
過去最多の822人。
昨日の過去最多678人を140人以上、
21.2%も上回った。
このままでは、
1日1000人の大台を超えそうだ。
3日前の検査数は約1万1000件で、
これまで最多。
しかし東京都の担当者のコメント。
「検査数が増えたことだけが要因ではなく、
感染する人自体が増えている」
65歳以上の高齢者は112人。
こちらも過去最多。
全国統計でも、
過去最多の3214人。
東京医科大学の濱田篤郎教授。
「営業時間の短縮要請など
強い対策が取られているが、
人の動きはさほど変わっておらず、
感染が減少する要素が少ないのが現状だ」
商人舎流通スーパーニュースも、
[新型コロナ]のカテゴリーは、
今日だけで感染ニュースが19件。
北海道のコープさっぽろやセコマから、
沖縄のサンエーまで、
全国の店頭で感染者が判明した。
感染の勢いが止まらないと、
現場の感染リスクは増えるばかり。
スーパーマーケットやコンビニ、
総合スーパーやドラッグストアには、
営業自粛要請は来ない。
「エッセンシャルワーク」のひとつと言われる。
すなわち「必要不可欠な仕事」。
しかし農業も漁業も畜産業も、
製造業も卸売業も、
建設業も鉄道業も、
エッセンシャルなワークであると思う。
それなくしては、
たとえばスーパーマーケットも、
店や売場をつくることはできない。
総合スーパーもコンビニも、
ドラッグストアもホームセンターも、
商品を供給してくれる産業あってのものだ。
日本標準産業分類は、
総務省が体系を整理している。
立教大学大学院の講義で、
私はいつもこの産業分類からスタートした。
その大分類は20に分けられる。
⑴農業,林業
⑵漁業
⑶鉱業,採石業,砂利採取業
⑷建設業
⑸製造業
⑹電気・ガス・熱供給・水道業
⑺情報通信業
⑻運輸業,郵便業
⑼卸売業,小売業
⑽金融業,保険業
⑾不動産業,物品賃貸業
⑿学術研究,専門・技術サービス業
⒀宿泊業,飲食サービス業
⒁生活関連サービス業,娯楽業
⒂教育,学習支援業
⒃医療,福祉
⒄複合サービス事業
⒅サービス業(他に分類されないもの)
⒆公務(他に分類されるものを除く)
⒇分類不能の産業
たとえばスーパーマーケットは、
⑼の卸売業、小売業だが、
⑴の農業、⑵の漁業、⑷の製造業から、
商品供給を受ける。
ちなみにわが商人舎は、
⑿学術研究,専門・技術サービス業に含まれる
いま、話題の「Go Toトラベル」は、
主に⒀宿泊業、飲食サービス業を支援する。
しかし感染症拡大を防止し、
国民を守るエッセンシャルワークは、
⒃の医療、福祉であるし、
⑼の卸売業、小売業であるし、
⑻の運輸、郵便業であるし、
さらに⒆の公務である。
Go Toトラベルが、
⒀に焦点を当てているのは、
経済活動のほんの一部であることがわかる。
もちろんほとんどの産業が、
エッセンシャル・インダストリーである。
2020年12月2日の日経新聞。
「FINANCIAL TIMES」
マーティン・ウルフが長文を書いている。
FTのチーフ・エコノミクス・コメンテーター 。
タイトルは、
「人命重視が経済も救う」
新経済思考研究所(INET)の最近の論文。
「経済を救うためには、まず人を救え」
アメリカのシンクタンク。
この論文によると、
各国の新型コロナ対策は2つに分かれた。
①ウイルスを抑制するか
②経済のために一定の死者数を許すか
「大まかに、前者の方が
経済、死者のいずれにおいても
被害が少なかった」
「一方、人命を犠牲にした国は大抵、
多くの死者と大きな経済的被害を出している」
私もそう思う。
さて東急東横線横浜駅。
陶板レリーフ「VIVA YOKOHAMA」
2004年1月、絹谷幸二作。
鉄道業もエッセンシャルワークだ。
そのとなりに、
「泣くな、絶望するな
守り抜けハマの食!」
「ハマの食」を守り抜くことも、
エッセンシャルワークである。
今日は午後から、
横浜商人舎オフィスで、
対談。
お相手は、片山隆さん。
片山さんは㈱寺岡精工の前社長。
退任して現在、コンサルタント。
RTKデザイン代表。
アメリカやヨーロッパ、
そして中国、日本の小売業について、
2時間近くも話し合った。
実に有意義な時間で、
昨日に続く対談で、
この1年考えていたことが、
どんどん姿を整えてきた。
ありがとうございました。
「人命重視が経済も救う」
これが現時点の大原則だ。
〈結城義晴〉