昨日の12月28日は、
官公庁の仕事納めだった。
多くの企業でも、
2020年の冬期休暇に入った。
商人舎はすでに先週で終わって、
年末年始休業に入っているが、
今日は㈱紀文食品の林直人さんが来社。
営業本部営業企画部部長。
今年の年末商戦に関して、
様々な情報を交換した。
紀文食品は、
正月商材のトップメーカーだけに、
年末商戦の趨勢を、
ほとんどすべて把握している。
私はその紀文にアドバイスしているし、
9月の紀文正月フォーラムで、
毎年講演している。
今年はコロナ禍で、
フォーラムは中止になったが、
そのかわりに、
各地の商談会で流されたビデオに出演。
メッセージを送った。
林さんによると、
先週のクリスマス商戦も変容した。
年末年始商戦にも変化があるに違いない。
林さんと今年最後の写真。
林さんが持参してくれたのが、
紀文特選蒲鉾。
保芦將人会長のお名前で、
丁寧な添え書きがあった。
紀文の匠の技術の粋が結集された逸品。
この正月に堪能させていただこう。
さて、大久保恒夫さん。
西友のCEOに就任する。
来年3月。
今日の日経新聞が報じたし、
大久保さんご自身から、
私宛にメールが入った。
驚いた。
大久保さんは現在、
㈱リテイルサイエンス社長。
自身で作ったコンサルティング会社。
それ以外にもAI流通革命3.0研究会、
ネットスーパー実行研究会など主宰。
私もちょっとだけ手伝った。
1979年、イトーヨーカ堂に入社し、
「業務改革」のスタッフを経験して、
コンサルタントとして独立。
私はそのころ知り合った。
ユニクロや良品計画をコンサルし、
その後、ドラッグイレブンと成城石井を、
絵にかいたようなV字改革。
古巣の㈱セブン&アイに戻って、
常務執行役員。
㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長。
そしてリテイルサイエンス社長。
波乱万丈の人生だが、
ふたりのビッグショーなども、
一緒にやった。
西友の親会社ウォルマートは、
今年の11月に西友株式の85%を、
KKR & Co. Inc.と楽天㈱に、
売却することで契約を締結した。
KKRはコールバーグ・クラビス・ロバーツ。
ニューヨーク州ニューヨークのファンド。
大企業グループの子会社に投資し、
その子会社の潜在力を引き出し、
規模的な成長と価値の増大を実現させる。
商人舎流通スーパーニュース。
11月16日版。
西友news|
楽天とKKRがウォルマートから西友株式85%を取得
KKRが西友の株式65%を取得。
楽天は新会社を通じて20%を手に入れる。
この子会社は楽天DXソリューション㈱。
小売業のDX推進を目的に、
来年2021年1月に設立される。
(DXはデジタルトランスフォーメーション)
ウォルマートは15%を継続保有する。
今回のCEO人事は、
KKRと楽天と西友の3者の意思だ。
西友は昨年から新しい成長戦略を掲げる。
オンラインとオフラインを融合した、
利便性強化である。
OMO(Online Merges with Offline)。
オンラインとオフラインの垣根をとって、
顧客により良い買物体験をしてもらう。
今回は3つの施策を実施していく。
①アプリを利用した買物、決済、配達の実現と新たなキャッシュレス決済の導入
②オンラインとオフラインを融合させたサービス体験の向上
③消費者のニーズを先取りしたエブリデー・ロー・プライス商品群の拡充
楽天とウォルマートは、
すでに戦略的提携をしていて、
「楽天西友ネットスーパー」を、
協働運営している。
米国でも電子書籍サービス「楽天Kobo」を、
協同展開。
西友の新たな取締役会は、
KKR、楽天、ウォルマート3社から、
取締役が選出される。
このCEOに大久保さんが指名された。
なかなかに大変な役割だ。
西友は今後も引き続き、
ウォルマートのスケールメリットを、
活用する。
「西友」は、
西武百貨店オーナーの故堤清二さんが、
故上野光平さんに託して作った、
「量販店」だった。
それを「質販店」のコンセプトに変え、
様々な戦略を打ったがうまく機能せず、
21世紀に入ってから、
ウォルマート傘下になった。
私は1977年以来、
ずっと西友を見続けてきた。
しかしもともとの西友と、
ウォルマートとは、
その組織文化が根本的に異なる。
オンラインとオフラインの融合の前に、
西友とウォルマートの融合に時間を取られた。
その西友CEOに大久保さんが就任する。
感慨深い。
〈結城義晴〉