今日は横浜にも、
ちょっとだけ雪が舞った。
面白やかさなりあうて雪の傘
〈正岡子規、明治26年〉
今日は横浜商人舎オフィス。
正岡子規著『笑う子規』
天野祐吉・編、南伸坊・絵。
伸坊の表紙絵を真似てみた。
11都府県の緊急事態宣言下、
今日のCOVID-19新規感染者は、
全国で4133人。
しかし死者は過去最多の113人。
重症者は1032人。
東京都の新規感染者数は1064人、
わが神奈川県は433人、
千葉県は314人、埼玉県は292人。
65歳以上の高齢者のワクチン接種は、
4月1日以降になるらしい。
太郎さんには、がんばってほしいな。
日経新聞巻頭コラム「春秋」
大日本帝国陸軍に伝わるざれ歌を紹介する。
「輜重(しちょう)輸卒が兵隊ならば
蝶々(ちょうちょう)トンボも鳥のうち」
「輜重輸卒」は、
軍需品の運搬や補給に携わる兵たち。
つまりロジスティック部隊の兵隊。
物流担当が兵隊というのならば、
チョウチョやトンボも鳥といっていい。
「そんな大切な役割を担う者を、
旧軍では揶揄(やゆ)の対象にしたのである」
上層部が兵站(へいたん)を軽んじ、
前線を疲弊させたケースは枚挙にいとまがない。
多くの部隊が現地調達を強いられ、
敵よりも飢えと戦った。
現場の士気がいかに高くとも、
しっかりした後方支援なしに
戦争はできないのだ。
さていま、コロナ退治のワクチン接種作戦に
その懸念はないだろうか。
「国民の大半に、
海外から届くワクチンを
ひたすら打っていく――。
と書けば簡単だが、
前例のない成人への集団接種である」
「対象者への通知と予約確認、配送と保管、
会場設営、医師や看護師の確保、
接種時のトラブル対応、
副作用情報の把握……。
気の遠くなるほど煩雑な作業のかたまりだ。
国の入念なサポートが要る」
「大号令を発するだけでは
現場の混乱は避けられまい」
「ちなみに”輜重”なる言葉の”輜”も”重”も
本来は荷車を指す」
「コロナからの解放の夢を乗せた車を、
滞りなく走らせなければならぬ」
頼むよ、太郎さん。
私はこの中で書いている。
「物流の重要性が強く認識され、
AIの活用やロボティックスの使用は
当たり前になるだろう」
それがコロナ・ワクチン接種のときに、
最も重要な機能となってきた。
その新型コロナ関連法修正案。
菅義偉内閣の政府案には当初、
「入院を拒否する人への刑事罰」が入っていた。
入院を拒んだ感染者に科されるのが、
「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」
これはひどい。
刑事罰ならば前科が残ってしまう。
野党は重すぎると削除を求めていた。
それが削除される。
自民党、立憲民主党両党が、
修正案で合意。
当然のことだ。
迅速であることはいい。
感染症法と新型コロナ特別措置法。
2つの改正法案が一括で改正され、
2月初旬に成立、2月中旬ごろ施行の見込み。
保健所の調査を拒否した場合、
「50万円以下の罰金」だったが、
「30万円以下の過料」に変わった。
30万円以下は前科が残らない行政罰だ。
時間短縮や休業などの命令に従わない場合、
政府案は「50万円以下の罰金」だったが、
これも「30万円以下」に変更。
「まん延防止等重点措置」地域でも、
営業時間短縮や休業の要請に従わない場合、
都道府県知事が「命令」を出せる。
その命令違反には、
政府案は30万円以下だったが、
改正案は20万円以下の過料。
それでも罰する。
営業短縮や休業に応じた事業者には、
財政支援が施される。
当たり前だ。
しかしこれらは、
付帯決議や国会答弁などで具体化する。
つまりまだ決まっていない。
財政支援こそ、
先に決めるべきだ。
そうすれば救われる。
GoToキャンペーンを続けたかと思えば、
それを停止して、今度は罰金を科す。
金をばら撒いたり、
罰したり。
これは「アメとムチ」だ。
古代ローマ帝国で言えば、
「パンとサーカス」である。
皇帝からパン(食)とサーカス(娯楽)が、
無償で与えられて、
ローマ市民は政治的盲目となった。
その反面の圧政が通った。
弱い者、庶民、大衆に、
言うことを聞かせる権力者の手口。
菅政府案が通っていたら、
絵に描いたような「アメとムチ」だった。
日経新聞に、
岩崎高治登場。
㈱ライフコーポレーション社長。
「行政による支援は、
スーパー(マーケット)よりも
苦境に立つ外食などにお願いしたい」
いいねえ。
男気、あるねえ。
「個人消費が冷え込めば価格競争に陥り、
多くの小売業は苦境に立たされる」
「コロナ対策の経費はいずれ
税金などで回収することになるが、
経済に打撃を与えないように
方法や時期には十分に配慮してほしい」
アメとムチは許さない。
金をばら撒いておいて、
一転、罰則罰金を科す。
これも許さない。
商業は自由だ。
〈結城義晴〉