三月、去る。
もう三月、最後の日。
早かった。
二月、逃げる、
一月、往ぬる。
今年は、とりわけ早く感じる。
今月は1都3県の緊急事態宣言が、
7日の日曜日で終わるはずだったが、
それがぎりぎりになって21日まで延期。
そして21日に解除されると、
皮肉なことに、
徐々に新規感染者数が増えた。
今日は大阪府が599人。
東京都の414人を抜いている。
兵庫県が211人で、
宮城県が200人。
全国合計が2843人。
尾身茂新型コロナ対策分科会会長。
「新型コロナは、
人々の行動が感染動向を左右する」
「社会全体の感染防止への意識が
低下していないか判断しながら
アクセルとブレーキを踏む必要がある」
何よりも大事なのは、
「社会全体の感染防止意識」
この、ぼわんとした、
社会全体の意識を、
繊細に、丹念に、
読み取らねばならない。
これはマーケティングそのものだ。
マーケティングはたとえば、
社内の顔色を窺っていては間違う。
顧客とマーケットの意識をつかまねばいけない。
新型コロナウィルス感染第四波は、
新株の感染拡大とともに始まっている。
今日は横浜商人舎オフィス。
そして夕方、東京・溜池へ。
右が高速道路の高架。
左は桜並木。
もう葉桜だ。
そして最新のホテル。
決算説明会の立て看板。
㈱ニトリホールディングス。
ANAインターコンチネンタル東京。
地下1階の大宴会場を全部使って説明会。
アナリストとジャーナリストが参集。
私も久しぶりに顔を出した。
冒頭で白井俊之社長兼COOが、
簡潔に全体報告をした。
2021年2月期決算。
34期連続増収増益。
世界レベルで見ると、
かつてのウォルグリーンの記録と並んで、
世界第2位。
ちなみに世界第1位は、
2013年度までのウォルマートだ。
似鳥昭雄会長兼CEOが誇らしげに語った。
売上高は7169億円で、
前年比111.6%。
営業利益は1376億円で128.1%。
経常利益は1387億円で126.4%。
当期純利益は921億円で129.0%。
店舗数は国内651店、海外71店。
合計すれば722店で、前期比111店増。
素晴らしい。
粗利益率は57.4%、
営業利益率は19.2%、
経常利益率は19.3%。
ニトリは「製造物流IT小売業」を標榜する。
そして目標は、
2022年・1000店舗・1兆円。
2032年・3000店舗・売上高3兆円。
アナリストからもジャーナリストからも、
㈱島忠のM&Aに質問が集中した。
島忠の立て直しに関しては、
似鳥さん自身が言い切った。
「始めたばかりだから、
細かいことは言えないが、
自信はある」
「石の上にも三年、
風雪五年、苦節十年」
似鳥節炸裂。
似鳥昭雄さんは、
社会全体の意識を読み取る能力が、
ずば抜けている。
ニトリホールディングスは、
21項目の主要経営効率を、
目標に対して達成すれば勝、
未達成ならば負と評価して報告する。
そしてこの年度は、
19勝3敗だった。
申し分ない。
私が関心があったのは、
3つの負の指標についてだ。
ニトリの実績。
「総資本回転率は0.94、
商品回転率は5.5、
従業員1人当り売場面積は35.6坪」
目標とする指標は、
総資本回転率が2回以上、
商品回転率が9回以上、
1人当たり面積は60坪。
これは故渥美俊一先生が掲げた、
理想的に高い目標だ。
私の質問。
「日本固有の事情もあるでしょうが、
2032年段階の3兆円のとき、
この3つの指標はどうなるとお考えでしょうか」
似鳥さんも、
私の考えと同じだと理解した。
必ずしもすべての指標を、
達成する必要はない。
総資本回転率2回以上は、ほしい。
すべての企業が、
その方向で経営努力してほしい。
商品回転率もノンフードビジネスならば、
5回を超えていればいい。
9回というのは食品などを均した指標だ。
1人当たり面積の60坪は、
いかんともしがたい高い指標だ。
アメリカをモデルにした目標指標は、
そのままでは日本の環境とは合わない。
それでも日本にとってアメリカが、
立派なモデルであることは変わりない。
久しぶりに似鳥節を直接、聞いた。
大いに感謝しつつ、満足した。
〈結城義晴〉