結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年05月11日(火曜日)

「カスハラ」と「消費者の権利」の「トレード・オン」

九州南部が梅雨入り。
観測史上2番目の早さ。

やはり、やはり。
「コロナは時間を早める」
tannkoubonnhyousi
お陰様で初版第一刷は完売しました。
残るは会社保存用の10冊と、
私自身が持っている3冊だけ。

もう第二刷は発注済みですが、
それが印刷・製本されてくるのが、
来週月曜日の5月17日です。

発刊が4月17日。
14年前の商人舎発足の会の日だった。
だからちょうど1カ月で二刷。

そんなに多くは刷っていないので、
爆発的な売れ行きとはいかないのですが、
3カ月か半年くらい経過すれば、
二刷になるだろうと予測していたので、
思わぬ誤算ですが、これも、
コロナは時間を早める。

しかし著者としては、
とにかく読んでいただくことがうれしい。

感想やご意見、ご批判など、お寄せください。
私自身もまだまだ考えたいと思います。

よろしくお願いします。

商人舎に予約してください。
すでに予約もずいぶん入っていて、
刷り上がってきたらすぐに発送します。
今日も印刷所に対して、
なんとか少しでも早まらないかと、
お願いしました。

ありがたいことです。

一方、残念なお知らせは、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
6月開催の第17回は中止します。
midormane
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が、
5月末日まで延期されて、
このままでは開催できません。

残念です。

しかし9月14日・15日・16日には、
開催します。

東京オリンピックが開催され、
ワクチン接種も進んでいるとしたら、
9月には開催できるでしょう。

あくまでも希望的観測ですが。

こちらも予約、受け付けます。
よろしくお願いします。

今日は午前中、
㈱ヤオコーの決算発表会。
もちろんオンライン。
川野澄人社長がよどみなく1時間、
過去最高の決算を発表した。
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32期連続増収増益。
営業収益5079億円で10.3%増、
経常利益も13.2%増。

ヤオコーnews|
64期5079億円10.3%・経常利益13.2%の32期連続増収増益

ただし今年度は連結では増収減益を見込む。
単体では33期連続増収増益を計画。

必ずやり遂げるだろう。

ひょっとすると、
連結でも増収増益を達成するかもしれない。
ヤオコーはそういう会社だ。
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スマイル、感謝!

さて日本経済新聞。
小売業、流通業に関して、
圧倒的な量と質。

今日の「社説」。
「コロナ下のカスハラ拡大防げ」
「カスハラ」は、
「カスタマーハラスメント」。
つまり「顧客からの嫌がらせ」。

小売業やサービス業の従業員が、
顧客から受けるハラスメント。
過度な苦情や迷惑行為のことだ。

今年に入って厚生労働省が、
「対応マニュアル」づくりを始めた。

昨2020年夏のUAゼンセンの調査。
サービス業に従事する組合員に尋ねた。
直近2年以内にカスハラを受けた人、
56.7%もいた。

半数以上。

暴言、暴力、長時間拘束、
さらにネットでの中傷。

「内容は多岐にわたる」

マスク欠品への怒りなど、
新型コロナ関連の迷惑行為も多い。
その経験者は3割を超える。

つまりSNSの普及やコロナ感染症も、
カスハラを広げている。

社説は提言する。
「まず経営者はこの課題に
毅然と対処する姿勢を社内外に示したい」

同感だ。

「従業員や店長を孤立させないためにも
本部で問題を共有し、
ノウハウを蓄積すべきだ」

第1に情報を収集し、
それをデータベースにすること。

第2にクレームへの統一的な窓口の設置。

第3に顧客への啓発。

「駅員への暴力に悩んだ鉄道会社が
ポスターで問題を訴えた例も参考になる」

「政府の対応マニュアルでは、
働き方の多様化や
女性が活躍する場の広がりにも
目配りがほしい」

一方、消費者団体の懸念。
カスハラ防止が行き過ぎると、
消費者が意見や不満を言いにくくなる。

1962年3月15日。
米国大統領ジョン・F・ケネディの提言。
「コンシューマー・ドクトリン」
「消費者の4つの権利」
①安全である権利
②知らされる権利
③選択できる権利
④意見を聞き遂げられる権利
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その後、世界消費者機構が、
4つの権利を加えて総括した。

①消費生活における基本的な需要が満たされる権利
②健全な生活環境が確保される権利
③安全が確保される権利
④選択の機会が確保される権利
⑤必要な情報が提供される権利
⑥消費者教育の機会が提供される権利
⑦消費者の意見が消費者政策に反映される権利
⑧被害者が適切かつ迅速に救済される権利
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これに影響されて日本では、
1968年に「消費者保護法」が制定された。
それが2004年、「消費者基本法」と改定され、
上記8項目が「消費者の権利」として明記された。

小泉純一郎政権のときだ。

日経社説。
「正当な苦情とカスハラとの線引きも、
対策作りの過程できちんと
議論しておくべきだ」

これもトレード・オフではいけない。
「カスハラ」と「消費者の権利」。

21世紀はやはり「トレード・オン」の時代だ。
「コロナは時間を早める」で指摘した。

あちらを立てて、こちらも立てる。

店長や現場で働く人々、
つまりエッセンシャルマーチャントを、
孤立させてはならない。

〈結城義晴〉

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コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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