「まん延防止等重点措置」
対象は5県に広がる。
群馬・石川・岡山・広島・熊本。
期間は5月16日から6月13日まで。
ほぼ1カ月間。
現在の8道県に加えて13道県となる。
緊急事態宣言は1都2府3県、
東京・大阪・愛知・兵庫・京都・福岡。
全部合わせると、
19都道府県となる。
期間も5月11日だったものが、
5月31日までと延長され、
今度の5県は6月13日まで。
ずるずると延びていて、
決定的な手立ては打たれていない。
ああ。
先週土曜日の日経新聞「大機小機」
コラムニストは甲虫さん。
タイトルは、
「緊急事態宣言の動学的不整合性」
経済学の「動学的不整合性」。
2004年ノーベル経済学賞受賞の、
キドランド&プレスコットの提唱。
「当初は最善と思われる政策が
実行されるにつれて
望ましいものでなくなる現象」
コラムニストは、
今回の「緊急事態宣言」の繰り返しは、
典型的な「動学的不整合性」だと言う。
1回目の宣言は効果があった。
しかし、2回目の宣言では、
人々の期待は大きく裏切られ、
再び3回目の緊急事態宣言が発動された。
こうなってくると、
手立ては少ない。
「場当たり的な対応ではなく、
一貫性のある政策を続けること」
これしかない。
しかしこの期に及んで、
場当たり的だ。
フィン・キドランド(カーネギーメロン大学教授)と、
エドワード・プレスコット(アリゾナ州立大学教授)。
塩野七生『ローマ人の物語』で、
ユリウス・カエサルはこう述懐する。
「どんなに悪い事例とされていることでも、
それがはじめられたそもそもの動機は、
善意によったものであった」
ローマ時代のカエサルは、
「動学的不整合性」を見抜いていた。
2021年の日本のトップには、
そんな見識がない。
残念だが。
今日は東大阪。
㈱万代本社。
隣接する会議棟。
ここが万代知識商人大学の校舎。
第6期の3回目の講義。
午前9時スタートだが、
全員揃ったら9時前でも始める。
冒頭で津田睦さんが、
今日のカリキュラムを説明する。
万代人事部マネジャー。
今日は「ヒューマンリソースマネジメント」
私はそれを「戦略的人間力経営」と題して、
1日中講義をする。
午前中に1時間。
初めに今日は、
この会議棟に掛けられた書について説明する。
「士魂商才」
渋沢栄一の言葉。
そして渋沢の「論語と算盤」の意味。
本論は、Human Resource Management。
3つの段階的なフレームワークがある。
最低限の知見として、
その3つのフレームを学ぶ。
マネジメント教育と言っても、
通り一遍の内容ではいけない。
道徳教育ではない。
私のあとは社内講師。
河野竜一人事・監査部門担当取締役。
最初に岡林信康。
「チューリップのアップリケ」
河野さんの講義は毎年、
様々な工夫が凝らされている。
私の唱える「店長の10の条件」
そして豊富な事例をもとに、
労務管理や人事管理の基本を語ってくれた。
今日の講師二人で写真。
ランチはいつものように、
本社下の店で弁当や惣菜を購入。
私のメインはこれです。
ランチが終わって午後は、
一気呵成に4時間の講義。
初めに月刊商人舎4月号から、
ピックアップ解説。
全員が毎月読んでいる。
そしてマネジメント理論の変遷。
加藤徹さんは毎回、
一番後ろで聴講してくださる。
万代知識商人大学理事長にして、
㈱万代リテールホールディングス社長。
講師陣にとっても励みになる。
日本の官僚組織や大企業、
そしてチェーンストアが大企業病に陥る。
その理由を明らかにしつつ、
それへの処方箋を解明していく。
中心はピーター・ドラッカー。
ケン・ブランチャードの、
リーダーシップの4つのタイプ。
自分はどのタイプかを考えて、
手を挙げてもらう。
S1タイプが3人、
S2タイプは9人、
そしてS3タイプが20人。
S4はいなかった。
自分のリーダーシップに関して、
発表してもらう。
まずは級長の森雅人さん。
実にいい自己分析をしてくれた。
山本章博さん。
北川翔一さん。
松本崇さん。
柏木夏紀さん。
澤田裕憲さん。
上田拓さん。
田代誠二さん。
まだまだ多くの人に、
自分のリーダーシップを語ってもらった。
語りつつ、考える。
それがとても有益だ。
私がそれらをまとめて、
リーダーシップの在り方を整理する。
そしてケン・ブランチャードの 解説。
解説のあとで、
また発表。
曾谷典彦さん。
級長の森さんは二度目の発表。
松原上田店の新店店長として、
ケン・ブランチャードが喜ぶほどの、
リーダーシップ論を語ってくれた。
1時間半か1時間ごとに休憩をはさむ。
最後は「自己管理の目標管理」、
「意思決定の手順とポイント」、
そして「コミュニケーション」。
一日中、盛りだくさんのマネジメント講義だ。
しかし内容はシンプルそのものだ。
マネジメントとは、
「人の強みを活かすこと」
すべての講義がここに収れんされる。
最後に一同、礼。
加藤理事長と写真。
ありがとうございました。
「動学的不整合性」は、
マクロ経済だけでなく、
一国の政治にも、
企業経営にも時々起こる。
それを未然に防ぐのは、
結局はインテグリティだと思う。
「真摯さ」である。
場当たり的でない「一貫性のある政策」である。
〈結城義晴〉