月刊商人舎6月号、
発刊しました。
特集は、
競争は商人を鍛える
ベニマルvsロピア「つくばの陣」
[Cover Message]
「同じ商品ならより安く、同じ価格ならより良いものを」を標榜するロピアが、茨城県つくば市に進出した。60号店である。1985年(昭和60年)につくば科学博覧会開催によって世界的に注目を集めたつくば学園都市。そのつくば博を当て込んで西武百貨店がオープンし、ジャスコが出店し、ダイエーが進攻した。しかしコロナ禍「キャズム」の今、いずれも撤退している。そのあとのマーケットは、地元に本拠を置くリージョナルチェーンのカスミがドミナントを築き、南下してきたヨークベニマルが秀逸の店舗を営む。ダイエーのあとにはディスカウント型スーパーマーケット業態に特化した西友が店を出している。その旧西武百貨店の物件の1階にロピアがオープン。目と鼻の先にあるヨークベニマルつくば竹園店との競争が始まった。全国注目のベニマルvsロピア「つくばの陣」である。ロピア開業初日の5月19日、朝一番に大髙善興ベニマル会長が訪れて、金言を残した。互いに正々堂々の商売を貫徹して、「自分の歌を歌おう」。競争は商人を鍛えるのである。
目次。
この号の特集は、
昨年9月のロピアの関西進出以降を、
すべて整理したうえで、
ヨークベニマルとの闘いを描写した。
結論は、
競争は商人を鍛える。
しかし実力伯仲の競争こそが、
その競争に参画する者を鍛える。
力に差がある者同士の闘いは、
実は競争にならない。
ここが重要なポイントである。
そしてそんな競争者の在り方は?
[Message of June]
自分の歌を歌え。
自分の歌を歌え。
自分の絵を描け。
自分の夢を追え。
自分の足で歩け。
自分の手でつくれ。
自分の頭で考えよ。
それが21世紀の商売のやり方だ。
ポストモダンの流通業の在り方だ。
そしてそれが商業の現代化を実現させる。
良いものはそっくり真似よ。
徹底的にベンチマークせよ。
それを横展開せよ。
標準化せよ。
マニュアル化せよ。
生産性を上げよ。
しかし皆が皆、
真似ばかりしていると、
顧客から見放される。
すべての店が互いにベンチマークし合うと、
すべての店が似てくる。
イノベーションは起こりにくい。
レース型競争からコンテスト型競争へ。
いや、レース型を制する者によって、
コンテスト型が展開される。
「大きい・強い」を実現した者ばかりが、
そのうえで「自分らしい・優しい」を競う。
それが三千年紀の競争だ。
自分の歌を歌え。
自分の絵を描け。
自分の夢を追え。
自分の足で歩け。
自分の手でつくれ。
自分の頭で考えよ。
〈結城義晴〉
[Inspired by Mr. Zenko Otaka]
ヨークベニマル大髙善興会長の言葉に、
インスピレーションを受けて、
このメッセージが出来上がりました。
大髙さんに感謝します。
ありがとうございます。
それから6月号は特別企画も掲載。
例年6月号は決算特集です。
しかし今年は特別企画として、
コンパクトにまとめつつ、
網羅しました。
コロナ禍の「キャズム」期間の決算。
保存版です。
さらに先月から始まった連載。
「結城義晴の定義集」
今月は第2回で、
「ニーズ・ウォンツ」
従来の用語事典や単語集は、
一般のビジネス用語と比べると、
特殊な意味づけをしています。
外来語ならばその本来の意味とは、
ずいぶん違ったニュアンスが、
込められていることが多い。
そのあたりのことを丁寧に、
定義しなおしてみました。
今号の「ニーズ」と「ウォンツ」に関しては、
フィリップ・コトラーの定義があります。
それを使うのが妥当だと思います。
そして結論。
「ニーズとウォンツのあとに
“商品”をくっつけて使わないほうがいい」
結城義晴「定義集」基礎編
流通専門用語と関連語・類似語・派生語・反対語の考察
この4月号の考え方をもとに、
誰にでもわかりやすい「定義集」を、
お届けします。
ご愛読のほどを。
自分の歌を歌え。
自分の絵を描け。
自分の夢を追え。
自分の足で歩け。
自分の手でつくれ。
自分の頭で考えよ。
〈結城義晴〉