6月7日、林周二先生、ご逝去。
95歳の大往生。
ずいぶん前のことになるが、
箱根や奈良の旅をご一緒した。
優しい先生だった。
一方、昨2020年1月23日には、
クレイトン・クリステンセン教授が永眠。
イノベーション論の権威。
こちらは早すぎる。
67歳だった。
時代は変わりつつある。
確かに変わりつつある。
それを実感する。
今日は新横浜から新幹線のぞみ。
三島を過ぎると、
この辺りに富士山があるはず。
もちろん梅雨入りして、
見えないことは想定内。
すぐに富士川を渡る。
白い鉄橋。
関ヶ原のあたりを過ぎるころ、
雲が山肌を覆い、水田は美しい。
昨日は通常国会の最終日前日。
菅義偉内閣への不信任決議案が提出された。
しかし衆院本会議で、
あっさりと反対多数の否決。
現状は与党の絶対多数であるから、
不信任されるはずもない。
二階俊博自民党幹事長など、
「不信任案を出したら解散する」と、
脅しをかけたが、
コロナ禍と東京五輪を控えて、
それもあり得ない。
与野党ともに、
政治への不信感を増幅させただけだった。
「英雄待望論」ではないが、
この日本を無私と利他の精神で、
強力に導く政治家が出てこないものか。
与党からでも野党からでも、
それ以外からでもいい。
もう、高齢者に属する身としては、
他力本願で祈るしかない。
日経新聞電子版経営者ブログ。
㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。
毎週火曜日の朝、
私は必ず、読む。
「日本の世論というかメディアというか、
そもそもは政治なのかもしれないけれど、
なんだかすべてが軽くなって、
国民をあげて揚げ足取りの国に
なったのではないか」
同感だ。
鈴木さんは、
香港育ちの華僑の友人と話す。
いまや世界で活躍する富豪。
日本語も堪能。
「中国の存在が重くなるばかりだから、
余計に日本が軽くなっていることが
気になるのかな」
鈴木さんは軽口で言った。
華僑の富豪。
「日本の世論とか
過去に捉われているくせに、
すべてが軽くなり過ぎている」
「中国の経済的な繁栄も
わかりやすい例だけど、
国際社会で経済的な繁栄を勝ち取るには
その代償として、国内ではある意味で
経済問題以上に深刻で重い対価を
払ってきているわけね」
「日本だって
子供っぽい反応だと思っていたけど、
戦後から60年代、70年代と、
深刻だったよね」
1960年代は、
池田勇人と佐藤栄作両首相、
そして70年代は三角大福の時代。
最後に大平正芳が任期中に死んだ。
「ところが長いこと、
豊かさを享受しているうちに、
すべてが軽くなってしまったのかな」
その意味で与党も野党も、軽い。
池田・佐藤、三角大福は、
今よりずっと重々しかった。
重々しいとは、
落ち着いていて威厳が感じられること。
つまりは政争はしながらも、
国民を納得させていた。
深刻な重い対価を払わねば、
納得させることはできない。
これは産業も企業も同じだと思う。
さて商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
6/21付けで「グループDX戦略本部」を改組
「グループDX戦略本部」を改組して、
2つの本部を設置する。
「DX推進本部」と、
「DXソリューション本部」
グループDX推進本部には、
5つの部が設けられる。
⑴グループDX企画部
⑵グループDX統括部
⑶セキュリティ基盤部
⑷デジタルマーケティング部
⑸事業DX推進部
グループDXソリューション本部は4部制。
⑴IT戦略部
⑵ITインフラ部
⑶DXソリューション部
⑷グループデジタルシステム部
中身は今のところ、よくわからない。
しかしDXに本腰を入れ始めたことは確かだ。
これまでは戦略の絵図を描いていた。
これから推進とソリューションを始める。
そして9つの部に役割を分担した。
ただし、「深刻で重い対価」を覚悟しなければ、
表面を捉えただけのDXとなってしまう。
そのあたり百も承知だろうが、
高齢者に属する身として、
老婆心ながら一言。
時代は確かに変わろうとしている。
軽い方向に変わろうとしているかもしれない。
しかしそれは避けねばならない。
深刻な明日が待っていると考えて、
それを正面から受け止める態度が必要だ。
それが軽くなることから逃れる道だ。
〈結城義晴〉