パオロ・ジョルダーノではないが、
ふたたび、みたび、数え始めている。
新規感染者数。
重症患者数、死者数。
東京オリンピックを、
ちょうど3週間後に控えた東京都。
一昨日の新規感染者は714人で、
1週間前と比べると95人増。
昨日は673人で先週から103人増、
今日は660人で98人増。
一方でワクチン接種が進むが、
各国選手団も続々と来日。
与党内からも、
「無観客開催」の声が出てきた。
自然な反応だろう。
オリンピックを、
お祭りとは捉えずに、
記録会と考える。
そんな視点はずっとあった。
COVID-19パンデミックのなかで、
世界から集まったアスリートが、
偉大な記録に挑戦する。
大衆は映像でそれを堪能する。
それでも十分だ。
今日は激しい雨のなか、
第一屋製パン㈱の鎌田恒雄さんが、
横浜商人舎オフィスに来てくれた。
現在は大阪に単身赴任して、
関西統括本部副本部長兼西日本営業部長。
持ってきてくれたのが、
大阪空港工場でつくったばかりの商品。
「万代あんぱん」
そして「素敵なメロンパン」。
よほど自信があるのだろう。
第一屋製パンの加藤万由子さんが、
万代のバイヤーと共同で開発した。
「万代あんぱん」は、
㈱万代のプライベートブランド。
特別な売り方をするが、
このたび力を込めて、
何度も試作を繰り返して、
大リニューアルをした。
メロンパンは第一パンのブランド。
バターマーガリンが挟んであって、
ちょっと塩味がはいっているのがいい。
そのあんぱんをいただいてみます。
あんこが大量に入っている。
私は子どものころから、
甘いものはあまり食べない。
いわゆる辛党。
しかし年をとって、
還暦を過ぎてから、
美味しく食べるようになった。
この顔が物語っている。
最後に鎌田さんとツーショット。
さて、日経新聞のコラム、
「大機小機」
今、一番気になることを考察。
コラムニストは甲虫さん。
「コロナ後デフレ」拭えぬ懸念
「ポストコロナ時代の日本経済」だ。
つまりキャズム期間が終わって、
そのあとの時代の経済がどうなるか。
経済によって、消費も生活も変わる。
大きく分けて2つの異なる視点が示される。
第1は、
「大きな消費ブームが起こる」。
楽観的な見方。
「ウィズコロナ時代」と甲虫さんは言う。
私は「大きな断絶」だから「キャズム」と呼ぶ。
この期間は定額給付金など、
「政府の支援策が所得を下支えした結果、
人々の貯蓄が大幅に増加した」
だから、
「ポストコロナ時代には、
コロナ禍で抑圧されてきた消費が
感染終息とともに
一気に爆発する可能性がある」
「回復が遅れていた
対面サービスを伴う業種の一部で、
ワクチン接種が進展するとの見通しから
株価が上昇基調を見せているのは
このためだ」
一方、第2は悲観的な見方。
キャズムの期間には、
「日本が直面するさまざまな
構造的な問題が浮き彫りになった」
デジタル化の遅れ、
脱炭素社会に向けた対策の遅れなど。
「コロナ禍の以前から顕在化していた
少子化や財政赤字の累積といった問題も、
ウィズコロナ時代を経て
従来以上に深刻になっている」
これが「コロナは時間を早める」現象の一つ。
「経済活動が落ち込むなかで
賃金が大きく下落したのは、
主要な先進国では日本だけである」
ここが深刻だ。
エコノミストの平均的な予測値。
「今年のインフレ率は日本が
米国やユーロ圏に比べて極端に低くなる」
「しかも、足元の公表値では、
米国やユーロ圏の予想インフレ率が
軒並み大きく上方修正されたのに対し、
日本の予想インフレ率は
低いままであった」
日本経済は置いてけぼり。
「本格的な経済回復を実現していく過程で、
これら”デフレ懸念”を
どのように克服していくのか」
つまり第2は、
「デフレ懸念」である。
コラムニストは注文を付ける。
「日本政府には、これまで以上に
改革に真剣に取り組む姿勢が求められている」
ん~。
この面は、心もとない。
しかし楽観的な「消費ブーム」と、
悲観的な「デフレ懸念」は、
どちらも起こると、私は思う。
だから小売業・サービス業は、
ちいさな「消費の変化」をしっかりとらえる。
それを「ブーム」と言われるものに育てる。
最近の食品業界で言えば、
群馬のツルヤや関西のロピア。
もちろんベニマルやヤオコー、サミット。
決して楽観的態度ではないが、
「ブーム」を巻き起こしている。
そしてそのうえで、
「デフレ」から脱却できない状況にも、
備えつつ仕事をしなければならない。
「ポストコロナ時代」の主役は、
リスクマネジメントである。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
悲観的でありつつ、
楽観的であれ。
その両方のトレード・オンである。
〈結城義晴〉