東海・関東地方の記録的大雨。
とくに静岡県熱海市。
伊豆山付近の「土石流」。
あのあたりは、
商人舎ミドルマネジメント研修会で、
湯河原に行くときに車で通る。
ひどいことになった。
静岡県御殿場市で24時間に385ミリ、
箱根町では540ミリも降った。
亡くなられた方々のご冥福を祈り、
その遺族の方々にはお見舞い申し上げたい。
私はその雨の中、
京王線の府中駅へ。
それほどひどい降りではなかった。
北口の甲州街道沿いには、
オオゼキ府中店がある。
2018年に東証に上場し、
2019年に創業50周年を迎えた。
その年にオープンさせた店舗だ。
今年5月の決算で年商1025億円、
営業利益75億6050万円、
経常利益76億2247万円。
営業利益・経常利益ともに7.4%。
すごい会社だ。
鮮魚部門では朝から、
4品よりどり1000円セールを展開。
1品なら299円のパックが、
4品買えば1000円。
生本マグロなどのパックをつくって、
大人気を博している。
府中駅南口の改札を出ると、
そのまま2階部分のデッキで、
ミッテンにつながる。
伊勢丹府中店が2019年9月末に撤退して、
そのあとに入った商業集積。
1996年4月にオープンした伊勢丹府中店は、
開店初年度の売上高261億円。
しかし初年度がピークで、
あとは減少に次ぐ減少で、
経常損失が恒常化した。
2003年度以降は合計約34億円の赤字を積み重ねた。
初年度がピークの商売は、
成り立たない。
郊外型百貨店のコンセプトそのものが、
ダメだった。
私は言い続けている。
百貨店の商圏人口は最低100万人。
府中市の人口は26万人。
周辺人口を集めても100万人に至らない。
しかも府中市民も周辺の人々も、
電車で25分足らずの新宿に行けば、
日本一の伊勢丹本店がある。
結局、現場の努力は無駄となった。
そこで家電のノジマが名乗りを上げて、
この物件を運営するとともに、
5階フロアに店舗を出店。
各フロアにはユニクロやGU、
ホームセンターコーナン、
ニトリのデコホーム、ダイソーなどが入居。
簡単に言えば、
郊外ショッピングセンターのテナント構成を、
一つの館で展開したのがミッテン。
そのミッテンの小規模専門店街が、
フォーリス。
そしてそのフォーリスの地下1階に、
ヤオコー府中フォーリス店が開業。
府中駅前商店街に沿って、
鼠の「忠助」像。
須佐之男命(すさのおのみこと)を助けた鼠。
商人舎流通スーパーニュース。
ヤオコーnews|
785坪・年商45億の「府中フォーリス店」5/25出店
5月25日にオープンしたのが、
ヤオコーマーケットプレース。
府中フォーリス店。
私はヤオコーの旗艦店だと想像していた。
しかし旗艦店ではあるものの、
これまでとは違っていた。
地下1階では食品専門店と競合している。
昔の生鮮カテゴリーキラー。
青果の九州屋、
精肉の明治屋産業の「壱丁田」、
鮮魚の魚力、
そしてグロサリーの北野エース。
ヤオコーにとって、
これもいい競争で、
そのおかげもあってか、
新しいフォーマットになった。
それは次の月刊商人舎に書こう。
実に面白い。
日経新聞スポーツ欄。
昨日のコラム執筆は、
三浦知良。
「サッカー人として」
「サッカー選手には毎週、
ベンチ入り18人という名の
選考が待っている」
「東京五輪が迫り、様々な競技で
選考に道を阻まれる選手がいることだろう」
多くの五輪種目で、
そんなニュースが次々に発せられる。
「4年に1度、あるいは最後の
チャンスかもしれない舞台から
脱落するのは、つらい」
「でも、落選からが
人生は山場なんじゃないのかな」
カズは、これが言いたい。
「選考に人生を左右されたと感じて
投げ出してしまうのなら、
結局、自分で人生を棒に振ることになる」
「そうでなく、諦めず、
ちゃんと人生を組み立てていく。
きつい作業だけど、はい上がれるか」
人生を組み立てて、はい上がる。
「敗れた。老いた。別れた。
そこからなんだ、勝負どころは」
「過去に起こったことは変えられない。
でも起こったことの意味なら変えられる」
「負でしかない出来事も、
頑張りようでその意味を、
ダイヤモンドのように
光らせることができる」
54歳で現役を続ける三浦知良だから、
言えることだ。
伊勢丹府中店跡のミッテンも同じだ。
ヤオコーはその一員となって、
一翼を担っているし、
それに応えていると思う。
〈結城義晴〉