今日も梅雨空で雨がパラパラ。
私が読んでいる新聞は、
主に日本経済新聞。
これはほとんど全体に目を通す。
それから朝日新聞。
一面の「折々のことば」のファンだ。
「天声人語」は最近、それほどでもない。
最近は読むところが少ないし、
経済面がどんどん少なくなって、
スポーツ紙かと間違うほどだ。
しかしオピニオンなど、
良い人が良い発言をすることがある。
毎日新聞、読売新聞は、
ネットで読む。
私が駆け出しのころは、
読売に名物流通記者がいた。
今は知らない。
それから中日新聞&東京新聞、産経新聞、
北海道新聞や西日本新聞など地方紙は、
巻頭コラムだけつまみ食い的に読む。
最近はコンサルタントでも、
新聞を読んでいるのか、
と思うような人がいる。
別に新聞を読めばいいと言うものではないが。
その日経新聞に、
コンビニエンスストアのネタが続く。
昨日の日経本誌の一面トップ記事。
小売業の記事が新聞の一面トップに載るのは、
超大型合併くらいだ。
「外国人店員 キャリア支援」
セブン-イレブンで働く外国人は、
ベトナム・ネパール・中国からの、
留学生を中心に約3万7000人。
セブン&アイ・ホールディングスが、
彼らの生活や人生設計を支援する。
4年前と比べると7割増。
セブン&アイの試算だが、
コンビニ上位4社の合計では、
留学生数約6万2000人。
これは従業員全体の7%を占める。
そこでセブン&アイは一般社団法人を設立。
「セブングローバルリンケージ」。
求人情報や外国人向け家賃保証などを手掛ける
5つの外部企業・団体が参加する。
ここで今月中に、
外国人従業員のデータベースの実証実験が始まる。
国籍、パスポート番号、留学先の学校、
セブンでの就業状況、保有資格などを登録する。
金融機関や不動産業者などは、
このデータベースにアクセスできる。
これによって契約が円滑に進む。
さらに全国の大手専門学校と連携して、
日本でのキャリア設計もサポートする。
そのうえで仕事の教育体制を整える。
本部や全国の直営店で月2~3回、
外国人専用の研修を開いて、
商品発注などに習熟してもらう。
セブン-イレブンにかぎらず、
コンビニやフードサービスでは、
外国人留学生の役割は重くなっている。
業界全体、産業全体で、
こういったサポートが
できることを望みたい。
しかし一面トップ記事としては、
どうなのかなぁ。
もう一つは、
Nikkei Viewsのネット 記事。
編集委員の田中陽さんが書く。
日経きっての流通の専門家。
こちらは渋くて面白い記事だ。
「幻となったセブンの関西私鉄攻略計画」
「もう、この話は……」
イントロが新聞記事らしくなくて、いい。
6月22日午後、業界3位のローソンが、
H2Oリテイリングと提携するとの情報が、
コンビニ業界に広まったとき、
「セブン&アイ・ホールディングスの幹部に
感想を聞くと、口ごもった」
実際に提携は結ばれた。
しかしセブン&アイは、
5年近く前の2016年10月に、
H2Oと資本業務提携の記者会見をしていた。
しかし「交渉は線路のように平行線をたどり、
その先に進むことはなかった」
結果はローソンに、
油揚げをさらわれてしまった。
その理由を田中陽さんは、
ノンフィクションのように描く。
記事は日経電子版を読んで、
味わってほしい。
リンクを張っておいた。
結論。
「原理原則を貫くセブン&アイ。
これまでコンビニ業界で
数多くの再編を仕掛けてきた
交渉巧者のローソンとファミマ」
「ローソンは関西の鉄道ではH2Oのほかに
山陽電気鉄道、大阪メトロと組み、
ファミマは近鉄以外に神戸市営地下鉄、
京都市営地下鉄と組む」
「店が線(路)になり、
面展開へと進んでいる」
「私鉄王国関西。
残るは南海電気鉄道、京阪電気鉄道の
駅ナカが焦点となりそうだ」
商売を制するのは、
原理原則貫徹者か。
交渉巧者か。
店の繋がりが線から面へと広がるとき、
最後の勝者はどちらか。
私は両方ともに残ると思う。
ただし鼎占の今から少しずつ、
交渉巧者のどちらかが遅れていって、
やがて複占になる。
私の持論でこれは確信しているが、
それがいつになるのか。
時期を当てることはできない。
だが鼎占が複占となることは確かだ。
コロナがその時間を早めることも。
最後は我田引水で恐縮。
〈結城義晴〉