梅雨明けした。
気象庁の発表は、
「関東甲信と東北で梅雨明けしたとみられる」
なんとも自信なさげだ。
梅雨明けしたら、
Aloha!
谷川俊太郎「地球へのピクニック」から。
梅雨
雨に
林と空と私が塗りつぶされる
密雲に
燐光がある
庭に
苺の赤が耐えている
時間に
雲が乗らない
物音に
湿度がある
雨に
私と空と林が濡れる
密雲「みつうん」は重く重なった雲。燐光「りんこう」は物質が光を発すること。苺は「いちご」。
その梅雨が明けた。
夏だ。
今日の東京都新規感染者は、
3日連続1000人超の1271人。
3日連続1000人超は、
今年の年明けの第3波以来。
7日間平均は946.3人。
こちらは4月・5月の第4波のピークを、
上回ってしまった。
東京でもデルタ株(インド型)が急増して、
「半分近くがデルタ株」と言う医者もいる。
その感染の速さが第5波の特徴であろうか。
感染症のセオリーは、
伝染力の強いものは弱毒性、
伝染力が弱いものが強毒性。
COVID-19に関しては、
どうもそうではないらしい。
さて、商人舎流通スーパーニュース。
ファーストリテイリングnews|
第3Q売上収益1.7兆円10%増とも計画届かず
ファーストリテイリングの決算期は8月だ。
その第3四半期累計売上収益は、
1兆6981億円で前年同期比9.9%増。
このコロナ禍「キャズム」のときに1割近い伸び。
営業利益が2279億円で72.1%増。
イオンの2021年2月期の営業利益は1506億円、
セブン&アイ・ホールディングスは3663億円。
どちらも4四半期、つまり1年を通しての実績。
ファストリは3四半期でイオンを抜き、
1年通せばセブン&アイに次ぐ成績だ。
営業利益率は13.4%。
イオンが1.8%、セブン&アイが6.4%。
それでも通期業績予想は減額修正。
売上収益は600億円減、営業利益は100億円減。
売上収益2兆1500億円で前期比7.0%増、
営業利益2450億円で64.0%増。
6月・7月・8月に対して厳しい見方をしている。
とくに国内ユニクロ事業が黄信号。
衣料品に関してはもはや、
ファーストリテイリングが、
イオンやセブン&アイを圧倒する。
その夏の実績予想がよくないということは、
日本全体の衣料品販売は相当弱含みとなる。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
夏の商戦は、衣料品に関してはそうなる。
それ以外の食品、住関連も楽観はできない。
日経新聞コラム「大機小機」
コラムニストは唯識さん。
「経済成長、計画より創造力で」
「新型コロナウイルスの後には、
これまでの低成長に終止符が打たれる
という議論がある」
そうではないとコラムニストは説く。
緊急事態宣言下でも、
「池田勇人内閣の所得倍増計画のようなものを、
政府が打ち出せばいいということだろう」
しかしながら、ここには大きな誤解がある。
「高度成長は、所得倍増”計画”で
実現したものではなかったからだ」
伝説のエコノミスト下村治。
(1910年~1989年)
大蔵官僚で「所得倍増計画」のプランナー。
その後、高度経済成長を理論づけた。
著作は『日本経済成長論』
下村の発言。
「私の興味は計画にあるのではなくて、
可能性の探求にある」
何が経済成長を推進するのか。
「これは要するに人間だということです。
人間の創造力だということです」
コラムニスト。
「ケインズが述べていたことと同じだ」
「ケインズ経済学は
不況からの回復の経済学であって、
経済成長の経済学ではない」
ケインズ自信が明言していた。
では何が経済成長をもたらすのか。
ケインズの答えは、
「アニマルスピリット」
つまりは動物的衝動や野心的意欲だ。
コラムニストは、
「要するに、人間の創造力」
池田内閣の官房長官大平正芳が指摘した。
「日本は自由主義の国なので、
“計画”という言葉は不適当ではないか」。
池田勇人首相の反論。
「何を言うか。
“計画”とうたうから
国民はついてくるんだ」
「人々の創造力を引き出すためには、
人々をその気にさせなければならない」
池田は「所得倍増計画」という、
政治的なスローガンを
人々に”計画”と思い込ませ、
それが大成功した。
今日も言われることは、
「改革を怠り競争力の低下を招いた」
コラムニストの考え。
「改革を怠った政府の責任」と、
人々が受けとめているようでは、
「人々の創造力の発揮にはつながるまい」
しかし現政権には、
人々を「その気にさせる力」はない。
人の動き方さえコントロールできず、
若者はワクチン接種ですら敬遠する。
ならば企業トップがそれをするしかない。
人々を「その気にさせる」。
人々の創造力を発揮させる。
アニマルスピリットを引き出す。
夏の商戦、秋の商戦、
政府・行政に頼らず、
アニマルスピリットを発揮したい。
〈結城義晴〉