1945年8月6日。
広島に原子爆弾が投下された。
それから76年の時が流れた。
母は1926年(大正15年)、
広島の生まれだ。
西城という田舎で育った。
原爆投下のとき、
21歳だったが、
被爆はしなかった。
それでも8月6日になると、
私は西の空を仰いで、
静かに黙とうする。
合掌。
全国の新型コロナ新規感染者数は、
過去最多の1万5645人。
日本の累計感染者数は、
100万人を超えた。
50万人を超えたのは4月上旬だった。
それから4カ月あまりで倍増した。
変異株、とくにインド型デルタ株が、
猛威を振るっている。
東京都は今日1日で4515人。
東京は5000人を切ったが、
神奈川県は2082人で、
2000人を超えて過去最多。
大阪府は1310人、千葉県は1057人。
どちらも過去最多。
埼玉県が1220人。
福岡県840人、沖縄県565人。
新潟、富山、山梨、静岡、
三重、京都、熊本、鹿児島。
全国12府県で最多を記録。
お盆の帰省シーズンには、
全国の地方都市に向けて、
デルタ型が感染域を広げていきそうだ。
まだまだ、私たちは、
最悪を覚悟しつつ、
最善を尽くさねばならない。
艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は、
失望に終わることがない。
〈新約聖書・ローマ人への手紙5章〉
私はキリスト者ではないが、
この言葉はいつも心の中にある。
苦しいとき、辛いとき、
それに耐えねばならないとき、
いつもこの言葉を思う。
そして今、世界中の人々が、
この言葉によって救われる。
艱難から生まれた希望は、
絶対に失望に終わることがない。
今日は朝、9時から、
Web講演会。
㈱サンエーの店長や経営幹部が、
本部や各店舗で聴講してくれた。
サンエーはそれらの人たちが全員、
私の『コロナは時間を早める』を、
事前に読んでくれた。
はじめに上地哲誠社長が、
沖縄やサンエーの現状を、
丁寧に説明してくださった。
沖縄でもデルタ株の感染が広がる。
その「艱難」のなかでの講演会。
本を読んでくれた聴講者に、
著者自身が重要な点を強調しながら、
講演をしていく。
これほど理解が進むやり方はない。
もちろん本に書かれている事実が、
さらにアップデートされていれば、
それを加えて解説する。
本に書かれていないことにも、
講演はどんどん広がっていく。
1時間ほどで5分の休憩を取って、
再開するときには背広を脱ぐ。
いつもの講演スタイル。
そして後半を一気に語った。
最後に田崎正仁常務が、
代表して質問をしてくれた。
その質問が実に的確だった。
私も率直に答えた。
最後にまた上地社長。
私はその画面を見ながら、
この企画に満足した。
ご清聴、感謝したい。
ただし、リアルの講演のように、
聴講者の反応がないのが、
ちょっと寂しい。
事務局の玉城むつ子さんから、
すぐにメールが届いた。
ありがとうございました。
オンライン講演が終わると昼食。
そしてオフィス裏の遊歩道。
森林浴とまではいかないが、
木々の下を歩くと、
気持ちが落ち着く。
そして午後は、
鈴木國朗さん来社。
ふたたびZOOMでミーティング。
ここでも半分くらいが、
講演調となってしまった。
ありがとう。
これからもよろしくお願いします。
最後に、
サンエーの「経営理念」を紹介しよう。
実にユニークで、
私は大好きだ。
「経営理念]
善の発想
人を好きになることを心がけ、
心のプラス発想で
「お客様の喜びを
自らの喜びとする企業」を目指す。
善の発想が、
いかなる逆境の中におかれても、
物事をプラスに変え
乗り越えて行く原動力になる。
自主独立
自分の進む道は、
自分の責任で決める。
事業はロマンであり、
流通小売業は気配りの芸術。
これらの実現には自主独立の精神が
絶対のものとなるという経営哲学。
――ストイックな経営理念だ。
西田幾多郎の『善の研究』
第十一章「善行為の動機(善の形式)」で、
「善」が簡潔に説明されている。
「善とは、
自己の内面的要求を満足するもの」
ここで言う「自己の内面的要求」とは。
「意識の根本的統一力、
即ち人格の要求である」
「これを満足する事、
即ち人格の実現というのが
我々に取りて絶対的善である」
西田は「絶対的善」を、
「人格の実現」と言い切っている。
サンエーにおいては、
「お客さまの喜びを
自らの喜びとする」ことが、
「自己の内面的要求」であり、
「人格の実現」である。
そして、
サンエーの「善の発想」は、
「いかなる逆境の中におかれても、
物事をプラスに変え
乗り越えて行く原動力になる」
艱難が商人を鍛える。
そして艱難から生まれた希望は、
絶対に失望に終わることはない。
そしてここには根底に、
「善の発想」がなければならない。
〈結城義晴〉