九州各地の災害級の大雨。
線状降水帯の発生と川の氾濫。
十年に一度、何十年に一度の雨が、
毎年のように降る。
これからも、
記録にない大雨が予想される。
[極端気象]である。
心からお見舞い申し上げたい。
一方、新型コロナ感染。
新規感染者は全国で1万8890人。
過去最多となった。
東京都は4989人。
重症者は218人で過去最多。
1000人を超えたのが、
神奈川、大阪、埼玉、千葉、福岡。
20の府県で過去最多。
政府分科会会長の尾身茂先生の指摘。
昨年4月の第1回緊急事態宣言のころと、
同じレベルに「人流」を減らさねばならない。
とてもそんな空気はないが。
今日から商人舎は夏季休業。
来週月曜日まで。
その間、商人舎流通スーパーニュースは、
配信を休業する。
ご了解願いたい。
しかし私はオフィスに出社。
そして昼はいつも、
裏の遊歩道を歩く。
近くの新田間川。
空模様は怪しくて、
夏の暑さはない。
岡野町交差点の人気ラーメン店。
「家系総本山 吉村家」
大人気の行列ができる店。
密であることは従来と変わらない。
私は一度だけここで食べて、
その味の濃さに驚いた。
年です。
そこで最近はこの店には寄り付かない。
オフィスに戻って、
月刊商人舎8月号を持って写真。
今月も「いい仕事」ができました。
表紙写真は「地球の廃棄物」
いつものように私は、
巻頭の「特集のまえがき」を書いた。
「フードロス」と小売業の「現場ロス」
現時点の世界人口は約77億人。
しかし約8億2100万人が飢えに苦しむ。
9人に1人の割合。
飽食の先進国と、
貧困や飢餓に苦しむ後進国・途上国。
世界の食糧生産量は毎年約40億トン。
これは77億人の食を賄うには十分。
しかし世界の食品廃棄物の総量は13億トン。
年間生産量の32.5%が廃棄されている。
日本の食品廃棄物等は年間2531万トン。
このうち「フードロス)は600万トン。
さらに「事業系」は324万トン、
「家庭系」が276万トン。
事業系の中で、
食品製造業は126万トン、
食品卸売業は16万トン、
食品小売業は66万トン、
そして外食産業が116万トンだ。
これを減らしていかねばならない。
会社の利益を確保しつつ、
フードロスを減少させる。
これは両立できる。
そして大きな社会的役割となる。
さて日経新聞電子版。
「経営者ブログ」
統計学者の西内啓さん。
㈱データビークル代表。
その著書『統計学が最強の学問である』
この本はぜひ読んでおくべきだ。
ブログのタイトルは、
「DX、注目すべきは人間生活の変化」
デジタルトランスフォーメーション。
「DX」
西内さんは色々な会社から、
DXに関する相談を受ける。
その中で気づいたこと。
「専門用語の使い方や出典の厳密さ」
これにもっと注意を払うべきだということ。
そしてDXに関しては、
エリック・ストルターマン教授の原文に、
目を通したほうがいいと言う。
スウェーデンのウメオ大学教授。
教授は、
「これからの企業は
DXを進めないとダメだ!」
「DXを進めることで
企業はうまくいくのだ!」
とは主張していない。
「ものすごく大ざっぱに言えば
ストルターマン氏は
“デジタル技術自体ではなく
デジタル技術によってもたらされる
人間の生活の変化の方に注目しましょう”
と書いているわけです」
これは月刊商人舎3月号で、
私も指摘したことだ。
私の著書の第七章にも書いた。
「リテールDXと”加速の加速”」
ストルターマン教授は、
「The Good Life」を提案している。
西内ブログ。
「原文を理解しないまま言及される
はやり言葉としての”DX”は
時に元の意味を損なうどころか、
むしろ正反対の方向に進む
リスクさえある」
西内さんはさらに、
経済産業省の定義を披露する。
これも私の指摘と同じだ。
「ストルターマン氏も経産省も共通して
“デジタルにすればうまくいく”
“とにかくデジタルに移行しなければいけない”
なんてことは一言も言っておらず、
むしろデジタル技術に適応した
人間側の変化に注目するのが
DXの本質だと解釈できるでしょう」
私は3月号で書いた。
「ビジネスを成功させる、
商売で儲ける、仕事をうまく運ぶ。
それはデジタルトランスフォーメーションの
二次的効果である。
これを忘れてはならない」
西内啓さんの主張と、
結城義晴の指摘。
完全に一致して、
ちょっといい気分だ。
何ごとも原点に当たる。
そしてしっかりと定義して始める。
だから「結城義晴の”定義集”」を、
毎月の連載で書き始めた。
わかる人はわかっている。
うれしい限りだ。
〈結城義晴〉