8月13日は盆の入り。
盆の明けは16日。
商業にとっては、
この4日間が盆商戦。
書き入れ時。
「帳簿への記入に忙しい時」
いまは帳簿の記入など、
コンピュータがやってくれる。
だからその業務はなくなったが、
お金はどんどん入ってくる。
儲かる時。
よく言われることだが、
「掻き入れ時」ではない。
だから、顧客の対応には心を砕きたい。
忙しいの「忙」は、
立心偏(りっしんべん)に「亡」、
つまり「心を亡くす」と書く。
これもよく言われることだ。
しかし顧客がやって来てくれて、
忙しければ忙しいほど、
その顧客に配慮する余裕が必要だ。
新型コロナウイルス感染。
今日1日の新規感染者は、
全国で2万人を超えて2万0365人。
東京都が5773人、過去最多。
神奈川県が2281人、過去最多。
埼玉県は1696人、2日連続最多更新。
大阪府は1561人。
千葉県1089人、過去最多。
福岡県951人。
沖縄県721人。
この中で、
全国の自宅療養者は7万4000人。
東京都は2万0726人。
緊急事態宣言は、
沖縄県・東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県・大阪府。
まん延防止等重点措置は、
北海道・石川県・京都府・兵庫県・福岡県、
福島県・茨城県・栃木県・群馬県、
静岡県・愛知県・滋賀県・熊本県。
福井県は独自に緊急事態宣言を発令。
この最悪の感染状況のなかで、
お盆休みに突入した。
怒るのならば、
コロナウイルスに怒れ。
だがそれでは問題は解決しない。
人間の力で、
感染を最小限に止められるし、
それをしなければならない。
最後は一人ひとりの意識の問題だ。
一人ひとりの力だ。
自覚しなければならない。
覚悟しなければならない。
そんなお盆商戦だ。
さて、今日は、
東京都小平市。
第一屋製パン㈱取締役会。
東横線で武蔵小杉へ、
それから南武線に乗り換えて、
府中本町へ。
さらに武蔵野線で新小平へ。
横浜から川崎、そして東京。
都心部を避けて、
いわば裏街道を電車で動く。
いつものように二重マスク。
ワクチン2回接種済みだが、
万全の態勢。
取締役会では、
社長をはじめ常勤取締役や本部長たちの、
顔を見る、声を聴く。
それが重要だと思っている。
日経新聞の経済コラム「大機小機」
タイトルは、
「政治家は守れぬ約束するな」
コラムニストは辛口の「四つ葉」氏。
「夏休みの季節が来ると
苦い気持ちで思い出す教訓がある」
「子どもとできない約束をしてはいけない」
ある、ある。
本を何冊読む。
自由研究はお盆前に終わらせる。
規則正しい生活をする。
「この時期、親子が、
さまざまな約束をするものだ」
私はあまりそんな約束はしなかった。
あくまで自由にやらせた。
コラムニスト。
「だが、最初から守れるはずのない約束を
交わしてはいけない」
「守れない約束とは、
守らなくてよい約束だからだ」
同感だ。
「当然、約束は果たされず、
親の威信は低下する。
親子関係のモラルハザードが生じる」
コラムニストは、
新型コロナ対策の自粛要請と、
「似たようなところがある」と言う。
たとえば、飲食店の営業自粛や休業。
「最初から守れない約束を迫るべきではない。
お上の信用を失墜させるだけだ」
「感染症の専門家が言うのはまだ仕方ない。
彼らは世間知らずな人たちだから」
これも辛口のように見えるが、
そうでもない学者もいると私は思う。
「いやしくも政治家の判断は、
違う次元であるべきだろう」
「東京五輪は家でテレビで見てくれ、
などというのもむちゃな約束だ」
これは菅義偉首相の発言。
「マラソン選手が家の近所を走ったら、
沿道に出て手を振るのが
自然な心情だろう」
〈日本陸上競技連盟公式サイトより〉
「本気で”ゼロ・コロナ”を目指すのなら、
五輪は中止すべきだった」
これは日本共産党の主張。
「開催するからには、
ある程度の感染拡大は覚悟の上だろう。
それを”安心・安全”などとごまかすから
嘘臭くなってしまう」
そう、嘘臭い。
本気度が伝わらない。
「何しろ政治家には立法権がある。
その気になれば、海外のような
ロックダウンだって可能なはずだ」
「私権の制限に伴う
損失補償の制度も作ったらよい」
その勇気がない。
責任を取りたくないのか。
「全国の自治体や保健所に対して
政府の指揮命令系統を確立すべきだろう」
「逆に彼らがお手軽な
“お願い攻勢”に出ていることは、
それは守らなくてよい約束
ということになるのではないか」
お手軽な”お願い攻勢”は結局、
責任の所在をあいまいにする。
「もっとお粗末なのは全国知事会の面々だ」
これも匿名のコラムだから書けること。
「彼らは都会に行っている学生たちに、
お盆には帰省するなと告げた」
できない約束や無理強いばかり。
コラムニストの最後の言葉。
「子どもの目が
親の身勝手を鋭く見抜くように、
民はお上の愚かさを見切っていよう」
子どもが親の、
民がお上の、
身勝手さを見抜いている。
それだけではない。
社員は社長の、
部下は上司の、
愚かさを知っている。
できない約束をしてはいけない。
できない公約を表明してはならない。
できないメッセージを発してはならない。
この約束はビジョンとは異なる。
以て自戒とすべし。
〈結城義晴〉