Everybody! Good Monday!
[2021vol㉝]
2021年第33週。
8月に入って第3週。
盆の明け。
㈱商人舎は今日まで夏季休業。
今日は新聞各紙も休刊。
年中無休に見える新聞記者も、
休むときは休む。
新聞マスコミが休んでいる間に、
政府が緊急事態宣言の地域拡大を決めた。
菅義偉首相が記者会見した。
宣言の対象に加えるのは、
茨城、栃木、群馬、静岡、
そして京都、兵庫、福岡の7府県。
現在はまん延防止等重点措置を適用中だが、
宣言への移行で対策を強める。
結果として宣言は13都府県に拡大する。
重点措置の対象地域は、
宮城、山梨、富山、岐阜、三重に、
岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島を加える。
現在適用中は、
北海道、福島、石川、愛知、滋賀、熊本。
合計で16道県となる。
宣言と重点措置は20日以降、
合計で29都道府県に拡大する。
結局、47都道府県の61.7%が宣言と重点措置。
そして期限も9月12日まで延長しそうだ。
ああ。
後手後手のモグラ叩き。
「最後の措置だ」と、
神奈川や埼玉、千葉に、
宣言を発令したのが、
8月2日からだった。
それから半月で、
「最後の措置」はまた拡大され、
延長された。
「デルタ株は世界中で広がっている」
これが責任を問われた時の首相の言葉。
残念なことだ。
神奈川県では今日の新規感染者が、
2584人と爆発して、
月曜日の発表なのに過去最多。
千葉県も1608人と急拡大で過去最多。
飲食店の営業自粛要請だけでなく、
百貨店の食品売場などにも、
時間短縮や入場制限を求めていく。
宣言の対象地域では、
飲食店での酒類の提供を一律停止。
重点措置の地域も原則として停止。
朝日新聞のコラム「経済気象台」
14日のタイトルは、
「政策の根拠は明確か」
「高齢者に運転免許証の返納を促す。
酒を出す飲食店に休業を要請する。
この二つの政策の共通点は何だろうか」
前者の目的は、
「暴走などで人を傷つけないこと」
後者の目的は、
「新型コロナの感染を広げないこと」
「多くの国民が何となく当たり前に思い、
それに従う人も多い」
「しかし、政策の根拠は
明確に示されているだろうか」
コラムは根拠を探す。
警察庁の死亡事故データ。
免許保有者10万人あたりの死亡事故件数。
「16~19歳と80~84歳のあいだに
大差はない」
「事故率を下げることは確かに重要だが、
高齢者を目の敵にして
運転をやめさせるには根拠が薄い」
他方、飲酒会食と感染の拡大。
国立感染症研究所の7月初旬の発表。
「3人以上の飲酒を伴う会食に、
2週間以内に2回以上出席した人の
感染リスクは0~1回の人の5倍」
しかしアンケートの対象は、
300人に満たない。
調査の母数が少なすぎるし、
詳細な分析内容は示されていない。
新型コロナウイルスの感染経路は、
明らかになっていないケースが多い。
コラム。
「飲食店が主な経路だという
調査結果は聞かない」
運転免許の高齢者と、
コロナ感染の飲食店。
何となく納得しているが、
本当にそれが事実なのか。
そしてその措置で問題は解決するのか。
「政策の根拠は、
事実と論理に基づくもので
なければならない」
会社や店でも同じことが起こる。
空気を読んで、
「こうだろう」と推定する。
何となく納得して、
そのことに集中するが、
結果が出てこない。
それは前提とすることの根拠が、
事実と論理に対して甘いからだ。
あるいは間違っているからだ。
故山本七平さんは、
太平洋戦争に突入した意思決定を、
「空気で決めた」と指摘した。
日本において「空気」は、
ある種の絶対権力を握っている。
山本七平さんの分析だ。
誰でもないのに誰よりも強いこの妖怪を、
今、首相までもが「忖度」している。
このあとの8月下旬には、
お盆休み期間中の感染の結果が、
発表されてくる。
どこまで広がるか。
国民は不安の中にある。
しかし、
「事実と論理に基づく根拠」に沿って、
国民が一丸となっていれば、
希望があるはずだし、
必ず成果が上がるはずだ。
「空気で決めた」ことには、
国民は一丸となれない。
会社も店も同じである。
事実と論理に基づく根拠。
これこそ私たちが頼りにするものだ。
「空気で決めた」政策や対策は、
結局、空気の流れによって、
うやむやになっていく。
少なくとも仕事や商売においては、
それは避けなければならない。
では、みなさん、今週も、
事実と論理に基づく根拠をもって。
Good Monday!
〈結城義晴〉