日本の新型コロナウイルス感染。
今日の全国の新規感染確認。
2万5156人。
初めて2万5000人を超えた。
つまり過去最多。
国内で感染が確認された人は、
これで累計123万2459人。
東京都の新規感染者は5534人、
大阪府は2443人で最多更新。
神奈川県は2340人、
埼玉県は2170人で最多更新。
千葉県1410人、愛知県1221人、
福岡県1134人、兵庫県1078人。
1日1000人以上が8都府県。
最多を更新したのは大阪、埼玉以外に、
沖縄県768人、静岡県677人。
広島県362人、群馬県317人、三重県311人。
栃木県273人、鹿児島県251人、滋賀県232人。
大分県198人、奈良県173人。
長野県158人、富山県147人、新潟県132人。
山口県119人。長崎県114人、
香川県111人、愛媛県102人。
和歌山県84人、高知県80人、秋田県39人。
過去最多は22府県。
明らかにお盆の帰省が、
全国にデルタ株を広めた。
その結果、今日の全国の死亡者は26人。
これまでにコロナ関連で、
1万5555人の方々が亡くなられた。
ご冥福を祈りたい。
西日本の雨は続くが、
今日の東京、横浜は真夏日。
気温は33度を記録した。
昼すぎに品川へ。
90分の講演。
少人数制で、
完璧なソーシャルディスタンシング。
それ以外の人は、
ZOOMで聴講してもらった。
質疑応答やディスカッションをして、
夕方まで。
講演の後はいつも充実感が残る。
私にとっては幸せな時間だ。
聴いてもらえること自体、
本当にありがたい。
仕事はすべてを救ってくれる。
日経新聞一面コラム「春秋」
重要なことを指摘した。
読んだ人も多いだろう。
「手つなぎゴール」という都市伝説。
「運動会の徒競走で、
ぐんぐん差がついているのに
テープの手前でみんなストップ。
いちばん遅い子がやってくるのを待ち、
仲良く手をつないでゴールイン――」
「戦後教育のあしき平等主義の象徴」
「いかにも日本的な話」
コラムは指摘する。
「”みんな一緒”の形式に傾きがちな国」
そして現下の問題。
「コロナ禍を乗り越えるための
ワクチン接種にも、
その感覚は影響しているかもしれない」
「2回打った人は人口の4割に迫るが、
以前と変わらぬ日常が続いている」
私は少しずつ活動しているが。
「接種が完了した人から、
行動制限を緩和していくのが
欧米などのいき方だ」
その通り。
「いまやインド型が猛威を振るっているし、
そもそもワクチン自体が万能ではないが、
大きな流れとしてはそうやって経済を回し、
メリットを示すことで
接種をさらに促す手法である」
「日本でも、
考えを整理する時期に
来ているはずだ」
同感だ。
エッセンシャルワークをする人たちから、
優先的にワクチン接種をして、
そこから経済を回していく。
昨年5月18日のこのブログで、
ハーバード大学の提案を紹介した。
「パンデミックに強い社会への道」
このブログの昨年5月18日、
日本全国の新規感染者数は、
驚くなかれ、29人。
今日の2万5156人と比べると、
あの頃はどれだけ恐れていたか。
そして1日の新規感染者は、
東京都が5人で大阪府は0人。
神奈川県も埼玉県も5人、
北海道が8人。
ハーバード大学は、
ワクチンではなく、
PCR検査の優先主義を提言した。
ワクチンが開発されるのは、
ずっと先のことだと考えられていたからだ。
しかし検査であっても、
社会基盤を担う職場から順に、
正常に近づけていく発想を提示した。
その職場の第1フェーズは、
エッセンシャル・ワーカー。
医療従事者や、
スーパーマーケットの店員、
電気・水道などライフラインを担う人、
警察官・消防署員など。
「全労働者の4割にあたる人」
第2フェーズは、
日用品の生産や食堂、公共交通など
日常生活に必要な機能を提供する人々。
「約3割の人」。
その後、第3フェーズは、
遠隔では難しいサービスに従事する人。
最後に第4フェーズが、
オフィスワーカー。
第1から第4へと、
徐々に範囲を拡大しつつ、
産業の機能を充実させていく。
私は結論づけた。
日常生活に必要な産業から、
順番に経済活動を活発にしていく。
金が儲かる産業から順に、
投資活動が進んだ時代とは違う。
すなわち〈命に近い産業〉から。
検査をワクチンに変えて、
現在も使える考え方だ。
春秋のコラムニストは、
「みんな一緒主義」を止めて、
いわば「命の優先主義」を提案する。
ハーバードと同じだ。
しかし日本の議論が滞っているのは、
そればかりではない。
「この国のワクチン接種は
若者や働き盛りの人たちへの対応が遅れ、
スタート台にも着かせてくれないのだ」
政治や行政の責任は大きい。
「それでいて、緊急事態宣言など
我慢を強いる策はだらだらと長引く」
悪しき平等主義に乗じて、
全体にだらだらと我慢を強いる。
「少しは希望を抱かせてほしいのに、
ゴールがどんどん遠くなる」
同感だ。
しかしこの「みんな一緒主義」は、
ときどき企業のなかにも登場する。
経済や商売や仕事こそ、
優先主義でマネジメントされねばならない。
それが悪しき平等主義によって、
滞ることだけは避けねばならない。
商売においても、
いちばん求めたいのは、
命の優先主義だ。
〈結城義晴〉