今宵は「中秋の名月」。
そして9月の満月。
ハーベストムーン。
2021年のコロナ年に、
最も美しい月が満月。
なんと幸せなことか。
「中秋の名月」は旧暦8月15日の夜の月。
だから「十五夜」。
その十五夜と満月が重なった。
アメリカ原住民の付けた満月の名前。
9月は「Harvest Moon」。
「harvest」は「収穫」、
つまり収穫月。
収穫の月の中秋の満月。
何と素晴らしいのだろう。
北海道新聞の巻頭コラム「卓上四季」
タイトルは「危急存亡の秋」
秋水にひたしたる手をひとふるひ
〈北海道出身の俳人・石田勝彦〉
「3連休が明け、
延長を重ねた緊急事態宣言の
期限となる月末が近づいてきた」
「こんどこそ解除できるのか、
再延長を余儀なくされるのか」
同感だ。
私は昨年のゴールデンウィーク明けから、
似合わない髭を生やし始めた。
願掛けである。
ワクチンが開発されてからは、
自分が二度のワクチンを接種したら、
髭を剃ろうと思っていた。
しかし今年7月8日に二度目の接種が終わっても、
東京や神奈川では緊急事態宣言が続いた。
願掛けはかなわなかった。
だから緊急事態が解除されたら、
髭を剃ろうと考えた。
しかしその緊急事態も延長を重ねて、
とうとう9月末まで延びてしまった。
その最後のときが迫っている。
今度こそ第五波は終わるに違いない。
コラムニスト。
「病床逼迫に直面する医療関係者や、
業績低下に悩む経営者にとっては
まさに”危急存亡の秋(とき)”ではなかろうか」
「秋」を「とき」と読む。
「万物が実りを迎える季節になぞらえて、
大切な時であることを示す意味がある」
中国の「三国志」にこの成句の原典がある。
軍師諸葛亮が魏討伐の遠征出陣に際し、
書状「出師表(すいしのひょう)」をまとめた。
劉備の帝位を継いだ息子の劉禅に向けて、
その軍師の諸葛孔明が具申した。
「天下の危機を認識し、
国民の疲弊に目を向け、
臣下の意見に耳を傾けよ」
自民党総裁選は混とんとなってきた。
コラム。
「次期首相の座をめぐる
権力闘争に没頭する前に、
世の中の窮状をよく見てほしい。
存亡のきわに置かれているのは、
党ではなく国民生活だ」
さてその国民生活を支える2つの小売業態。
商人舎流通スーパーニュース。
8月スーパーマーケット統計|
総売上高1兆円1.5%減・既存店2.4%減
スーパーマーケット3団体の合同調査。
日本スーパーマーケット協会(JSA)、
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、
全国スーパーマーケット協会(NSAJ)。
270社の集計。
8月の既存店売上高は、
前年同月比2.4%減、
7カ月連続の減少。
家飲み、家庭内消費需要は堅調に推移。
一方で、長雨による季節商材の不振、
生鮮食品相場の乱高下、
買物頻度の減少などの影響を受けた。
昨年の特需の反動もあった。
総売上高は前年同月比は1.5%減。
食品が1.0%減、非食品が7.8%減。
その他が5.6%減。
食品のうち、
生鮮3部門は3.3%減。
青果は7.7%減、
水産が0.9%減、
畜産が0.6%増。
畜産だけが好調。
日配品0.3%減、
一般食品0.2%減。
惣菜は3.7%増。
帰省客の減少や催事の中止によって、
地方ではお盆時期のオードブルなどが不振。
一方、
8月コンビニ統計|
既存店1.9%減/客数6.5%減も客単価は5.0%増
こちらの調査対象企業は7社。
セブン-イレブン・ジャパン、
ファミリーマート、ローソン、
ミニストップ、セイコーマート、
ポプラとデイリーヤマザキ。
日本フランチャイズチェーン協会の統計。
既存店売上高は前年同月比1.9%減。
客数は6.5%減、客単価は5.0%増。
その平均客単価は705.3円。
日配食品1.9%減。
ここに生鮮や惣菜も含まれる。
加工食品6.4%減。
非食品1.2%増、サービス7.0%増。
全店ベースでは売上高1.4%減、
客数6.1%減、客単価4.9%増。
スーパーマーケットでは、
畜産と惣菜が伸び、
コンビニエンスストアでは、
非食品とサービスが増えた。
二つの業態はどんどん離れていって、
もともとの異なる社会的機能を、
さらに顕著に示し始めた。
スーパーマーケットは、
全国に270社。
コンビニは7社。
コロナによって早められるのは、
スーパーマーケットの淘汰と、
経営統合である。
名月を楽しみつつも、
危急存亡の秋である。
〈結城義晴〉