商人舎10月号[Message of October]
そして10月の商人舎標語。
勇気ある決断
私たちは
いつも
勇気を
もたねばならない。
弱い人も、
強い人も。
小さな人も、
大きな人も。
力ある人も
知恵ある人も。
地位ある人も、
将来ある人も。
最後の最後には
勇気ある
決断を
しなければならない。
恐れてはいけない。
くじけてはいけない。
悔やんでもいけない。
逃げては、もちろんいけない。
日々の
小さな意思決定にも
勇気が
潜んでいなければならない。
人生一度の
大きな勝負どころには
勇気が
あふれていなければならない。
四面楚歌の
窮地には
勇気でしか
立ち向かえない。
勇気とは
未知なる世界に一歩、
目隠しで踏み込む
心のあり方だ。
イオンリテールもイトーヨーカ堂も、
ヤオコーも万代も平和堂もロピアも、
関西スーパーもH2Oもオーケーも、
そしてユニクロも。
人びとが
すべて
勇気ある決断を
しつづけなければいけない。
〈結城義晴〉
お気づきの方もいると思う。
拙著『Message』の一節をアレンジした。
しかし、これが言いたいから、
今月の巻頭に載せた。
今年の10月は、
勇気ある決断が必要な月だ。
さて今日も1日、
横浜商人舎オフィス。
来客あり。
㈱クレオのお二人。
藤野英人さん(取締役執行役員マーケティング本部本部長)
関智美さん(マーケティング本部研究主任)
この1冊を持ってきてくれた。
「’22生活行動カレンダー」
この本をもとに、
関さんには10月号で、
原稿を執筆してもらった。
最近の小売業界に関して、
情報交換をして、
私からさまざまな出来事の、
捉え方と読み方をレクチャー。
お二人とも聞き上手なので、
どんどん話してしまう。
さて今日も夕方から決算説明会。
セブン&アイ・ホールディングス。
Webで開催されたが、
質疑応答の音声は電話回線をつないで行う。
セブン&アイnews|
第2Q営業収益3兆6464億円の31%増/米国コンビニ寄与
営業収益は3兆6464億円で、
前年同期比はなんと30.8%増。
過去最高を更新。
営業利益は1862億円で3.6%増、
経常利益が1735億円で1.0%減だが、
純利益は1065億円で46.9%増となった。
セブン‐イレブン・ジャパン、
米国の7-Eleven,Inc. など、
すべての加盟店売上げを含めた、
グループコンビニ全体の売上高は、
6兆3765億円で17.6%増。
とりわけ米国のコンビニ事業は、
営業収益1兆8878億円で、
74.5%の成長を見せた。
8060億円の増収だ。
一昨年の2019年10月19日に、
私は米国のダラスで、
セブン-イレブンの最新フォーマットを見た。
ちょっと驚くほどの出来栄えで、
私は思わず書いた。
「日本のセブン-イレブンよりも進化している」
それが成果を上げ始めている。
営業利益も36.5%増で、
この中間決算に大きく貢献した。
さらに今2021年の5月14日に、
米国Marathon Petroleumから、
Speedwayブランドなどのコンビニ事業を、
紆余曲折はあったものの買収した。
『コロナは時間を早める』の中でも、
92ページからの節で私は、
米国セブン-イレブンを高く評価した。
7-Eleven,Inc. は、
2005年にセブン&アイ傘下に入って、
完全子会社となったあと、
経営が健全化。
2018年1月にはスノコLP(テキサス州)から、
コンビニ1030店を約31億ドルで買収。
そのうえスピードウェイを傘下に収めて、
米国1位のコンビニチェーンの道を独走。
米国第2位はカナダ資本の、
アリメンテーション・カウチタード。
北米に約6000店を展開。
ただし、米国コンビニ産業は、
2社による占有状態の「複占」ではあるが、
この2社は全体の12.4%のシェアしかない。
他はローカルチェーンや個人経営である。
日本の3大チェーンによる「鼎占」と比べると、
「米国セブン-イレブンの伸びシロは、
きわめて高い」
さらにCOVID-19パンデミックから、
eコマースの価値が上がったが、
全米1万4000のコンビニのリアル店舗は、
ノンストアリテイルングの拠点として、
ますます意義が高まってくる。
それが早くも効果をあげてきたのだ。
昨年3月5日のこのブログ。
セブン&アイの[米国コンビニ買収断念]を考察する
この日のブログの最後に書いた。
「経営陣の勇気が問われたが、
残念ながらそれが欠けていた。
ああ、もったいない」
その後の8月3日のブログ。
米Speedway買収/セブン&アイの「もったいない」と水際の勇気
――私は3回も「もったいない」といいつつ、
3月5日のブログを終わらせた。
しかし米国セブン-イレブンCEOが奮闘。
ジョセフ・デピントCEO。
そして再び買収にこぎつけた――。
その買収効果が出るのは、
今期の最終決算であるし、
来期からである。
今日の記者発表で井阪隆一社長は、
海外コンビニの今後の展開に関して、
ことさらのように力を込めて語った。
セブン&アイ・ホールディングスは、
ますますコンビニ主体の企業となり、
本格的に世界を視野に入れていくだろう。
源になければならないのは、
勇気ある決断だ。
〈結城義晴〉