Everybody! Good Monday!
[2021vol㊹]
2021年第44週。
今日から11月。
衆議院議員総選挙が終わって、
2021年もあと2カ月。
現政権に近い読売新聞の社説。
小見出しに、
「盛り上がり欠いた論戦」と謳って、
「4年ぶりの審判の機会だった
にもかかわらず、
選挙戦が今ひとつ
盛り上がりに欠けたことは残念だ。
与野党のどちらにも、
“追い風”は吹かなかった」
その通りだ。
凪(なぎ)のような選挙だった。
「自民党に不満を持ちながら、
野党にも政権を任せられないと考え、
投票所から足が遠のいた人は
少なくなかったのではないか」
それが投票率に現れた。
55.93%は戦後3番目に低い。
大宅映子さんが、
テレビの番組で言っていた。
「投票率5割を切ったら、
その選挙は無効にすべきです」
いいこと言うねぇ。
大勝利目前でも、
無効になるのならば、
政党も候補も投票を訴える。
当時の首相森喜朗が口を滑らせた。
「関心がないといって
寝てしまってくれれば、
それでいいんですけれど……」何をか言わんや。
読売の社説。
「各党の訴えや候補者らに
魅力が足りなかった面も否めない」
与野党ともに、
この「魅力」が足りなかった。
だからつまらない選挙だった。
私の投票した神奈川7区。
ふたりの立候補者しかいなかった。
自民党と立憲民主党。
自民党が僅差で勝って、
小選挙区で当選した。
12万8870票と、
12万4524票の差。
一方、立憲民主党の候補は、
並立の比例代表制で復活当選。
結局、二人とも当選した。
上下をつけるとしたら、
小選挙区のほうが上なのだろう。
直接対決で勝ったのだから。
だから甘利明自民党幹事長は辞任する。
しかしどちらも衆議院議員となった。
これでは投票の意味が薄れる。
重複立候補が可能な、
小選挙区比例代表並立制の問題点でもある。
1996年10月から、
中選挙区制度に代わって採用されて、
もう25年も続いている。
その間、日本には「失われた20年」が訪れ、
その後もずっと低迷期が続く。
では中選挙区制に戻せばいいかと言えば、
そうでもないところが悩ましい。
ちなみにドイツは
小選挙区比例代表併用制である。
こちらは基本が比例代表制で、
そこに小選挙区制度が組み入れられている。
制度はもちろん大事だ。
しかしその制度の運用は、
制度を使って何かをする者、
制度によって恩恵を受ける者、
双方に全体最適の志が求められる。
双方にそれぞれ異なる、
考え方があることを、
理解し納得する知性が要求される。
ブレーズ・パスカル。
『パンセ抄』断章一九八。
「人間は
小さなことに対しては
敏感であるが、
大きなことに対しては、
ひどく鈍感なものである。
これこそは、
人間の奇妙な倒錯の
しるしである」
部分は小さなことであり、
全体最適は大きなことである。
私自身を含めて、
その大きなことに鈍感な選挙民は、
残念ながら、
いい国をつくることに貢献できない。
残念ながら。
以て自戒とすべし。
選挙が終わるたびに、
そう思う。
残念ながら。
さて、
今年も残すところ9週間。
アメリカでは、
ハロウィンが終わると、
サンクスギビングデーに向けて、
いっせいに年末商戦に入る。
11月第4木曜日の25日が、
感謝祭のサンクスギビングデー。
その翌日の26日が、
ブラックフライデー。
翌週の月曜日が、
サイバーマンデー。
そしてクリスマスまでの1カ月が、
ホリデーシーズン。
日本でも11月に入ると、
年末までの計画がはっきりしてくる。
月刊商人舎10月号。
㈱紀文食品の堀内慎也さんの原稿。
「2021年の年末商戦を構想する」
正月に対する消費者の意識の変化。
トレンドで増加していた意識、
トレンドで減少していた意識。
コロナで増加した意識、
コロナで減少した意識。
4つの象限の中で、
トレンドでは減少していたけれど、
コロナで増加した意識をチェックする。
さらに昨年の「チャンスロスを取り戻す」
SRIデータでは 12月30日・31日に、
前年比5.8%の機会損失が出たと推計。
それを逃さない方法を考える。
そして21年末の12月18日から、
1月7日までの曜日回り。
年末年始は6連休が多い。
安近短の生活様式が増える。
高い在宅率も予想される。
それぞれの企業、それぞれの店が、
自分の商圏の傾向を読み取って、
自分の戦略に照らし合わせる。
そして実行する。
選挙で当選する手法と同じだ。
われわれの年末年始商売だけは、
凪のような状態は避けたい。
「魅力が足りなかった」とは、
断じて言わせない。
その心構えで、
今月を駆け抜けたい。
では、みなさん、
着眼大局、着手小局で。
Good Monday!
〈結城義晴〉