朝6時、京都駅烏丸口側の大通り。
ヨドバシカメラ・マルチメディア京都。
元近鉄百貨店。
その巨大な店舗を、
ヨドバシカメラが買い取って、
マルティメディアの館とした。
全体でみればディスカウントストアである。
警備室で入館手続きをして、
3カ所でICカードのチェックを入れる。
そのうえで地下2階のテナント従業員入口から店内へ。
生鮮3部門と惣菜、日配を除いて、
グロサリーはほぼ出来上がっている。
6時10分くらいから、
ロピアの伝統となった朝食タイム。
前夜から準備をした賄が、
全員にふるまわれる。
レンコンのサラダ、
ナスのチーズ焼き、
牛肉すき焼、
メインはビーフカレーライス。
それにスープと野菜ジュース、濃い茶。
デザートはティラミス。
125食分が用意されて、
私も福島道夫さんと一緒に、
これをいただく。
㈱関西ロピア社長。
㈱ロピア前社長。
淡々と準備作業は続く。
ピーター・ドラッカー。
「良い工場は静かだ」
そして8時から全体朝礼。
130名近くの従業員が、
そろってロピアの理念を唱和し、
七大接客用語をおさらいする。
関西ロピア営業本部長が仕切る。
佐藤博和執行役員。
そのあとチーフが一人ひとり、
決意表明。
最後の注意事項を告げて、
朝の朝礼は終わる。
エイエイ、オー!! はない。
福島社長は一言も語らず、
頼もしそうにみんなを見ている。
チーフたちが社内報用の写真を撮っていた。
青果から惣菜部門、
そして鮮魚部門まで、
この店はワンウェイコントロールを採用した。
それが特徴のひとつ。
青果は氷を敷き詰めた売場をつくった。
テキサス州のHEBセントラルマーケット。
そのアイス・オブ・ウォール(氷の壁)を目指した。
青果「八百物屋あづま」には、
さらに大きな仕掛けをした。
失敗覚悟の大チャレンジだ。
それから惣菜は絞り込んで、
売りたい商品を強調した。
弁当など3SKUしかない。
これも大変革だ。
それから鮮魚「日本橋魚萬」は、
これまた百貨店を凌駕する商品と売り方だ。
その鮮魚部門のコンコースで写真。
佐藤さんと柴田昇さん。
柴田さんは㈱ロピア執行役員。
ワンウェイを抜けると、
パッと視界が開けて、
「肉のロピア」の売場。
ここでも売り方に大変化が見られる。
怖いと思うくらいの挑戦だ。
精肉はいまやPCから供給される。
だから淡々と準備は進む。
この店のグロサリーは、
また一段と進化した。
その一つが酒売場の改革だ。
ここで内田貴之さんと酒売場の担当者と。
内田さんは取締役管理本部長。
クラフトビールを集めまくった。
ワインもオーパスワンをはじめとして、
高級ブランドをそろえた。
シャンパンもウィスキーも、
簡単に言えば百貨店を超える品揃えだ。
それ以外にも驚くような売場が登場。
ロピアのマーチャンダイジングが、
なぜここまで急速に進化したか。
それを考えながら売場を歩いた。
そして結論が浮かび上がった。
それは月刊商人舎12月号。
「ロピア京都の陣」で披露する。
朝10時オープン予定を、
9時40分に繰り上げて開店。
ヨドバシ1階の入り口あたりで、
多くの顧客に順番に並んでもらった。
そしてオープン。
入場制限を厳しくしたので、
ゆったりと買い物できる。
最初の顧客はチラシ商品だけ、
さっと買って引き揚げた。
そのあとに、
店を見よう、買おうという顧客が、
大阪や奈良からも押し寄せた。
超広域商圏の店舗だ。
午前中は入場制限をして、
店内ではゆっくり買い回ってもらった。
それでも青果、惣菜、鮮魚部門は、
予想通り混雑した。
私は午前中、ロピアにいて、
売場と顧客を観察し続けた。
そして午後は京都市内の店を巡回。
その模様は明日のブログで紹介しよう。
この店舗視察も、
結構、面白かった。
午後2時半ごろロピアにもどって、
㈱ロピア社長の高木勇輔さんと、
1時間くらい懇談。
近況や将来の考え方を聞いて、
いろいろと意見も言った。
そして夕方5時ごろまで、
また、観察を続けた。
酒売場では試飲が続けられていた。
コロナが去りかけているから、
こういったことも可能となった。
これまでのロピアと大きく違ってきた。
ある意味で大きな賭けのようにも見える。
なぜ、ロピアは、
こんな大胆な挑戦を続けるのか。
高木さんと福島さん、幹部たち、
そしてロピアで働く全員の胸のうちに、
その炎が燃えている。
福島さんの口癖。
「怖いものはなにもない。
失敗を恐れないで、
やらなきゃ」
ロープライス・ユートピアは、
さまざまな可能性を秘めているのだ。
〈結城義晴〉