商人舎流通スーパーニュースに、
2021年10月チェーンストア統計|
販売額1兆884億円・食料品好調で既存店3.7%増
日本チェーンストア協会会長は現在、
小川信行㈱東急ストア取締役相談役だ。
副会長の顔ぶれがすごい。
イオン㈱/岡田元也会長
㈱イズミ/山西泰明社長
㈱イトーヨーカ堂/三枝富博社長
サミット㈱/竹野浩樹会長
㈱ゼンショーホールディングス/小川賢太郎会長兼社長
㈱ニトリホールディングス/似鳥昭雄会長
㈱フジ/尾﨑英雄社長
㈱平和堂/夏原平和会長
㈱ヤオコー/川野幸夫会長
㈱ヨークベニマル/大髙善興会長
㈱ライフコーポレーション/清水信次会長
(企業名のあいうえお順)
チェーンストア川柳募集中。
第10回となる。
会員企業数は56社ながら、
店舗数は1万1859店。
チェーンストアは寡占されていく。
だから協会加盟企業は減っていく。
これ、ものの道理。
その10月度の「チェーンストア販売統計」
総売場面積は2769万3851㎡で、
前年同月比106.7%。
10月の総販売額は1兆884億円。
前年同月比103.8%、
既存店(店舗調整後)も103.7%の増収。
売場1㎡当たりの売上高は 、
月間3万9302円で、
こちらは同97.3%。
1㎡を1坪に換算し、
さらに12倍して年間に換算すると、
坪効率155万6359円。
チェーンストア統計には、
さまざまな業態が加わっているし、
衣料品が落ち込んでいるから、
ずいぶん低い。
㈱ファーストリテイリングや、
㈱しまむらは加盟していないし……。
だからこの統計の衣料品売上高は、
さらに低くなる。
その部門別売上高の10月統計は、
食料品7497億円105.0%(店舗調整後104.1%、以下同)
衣料品614億円88.6%(93.4%)
住関連商品2000億円98.0%(98.6%)
サービス30億円136.8%(137.4%)
その他 742億円125.3%(125.5%)
10月度は緊急事態宣言が解除された。
まん延防止等重点措置も同じく解除され、
行動自粛などが緩和された。
外食が復活し、
その分、内食需要は減少傾向。
しかし食料品の動きは良かった。
衣料品は相変わらず低調で、
10月前半が例年より暖かかったから、
季節商品がさらに苦戦した。
住関品はまずまずの動きだった。
昨2020年の10月は、
総販売額1兆486億5828万円、
既存店前年同月比は2.8%増だった。
加盟企業は変わらないものの、
店舗数は1万0871店舗で、
今年より988店少ない。
チェーンストア協会加盟企業は、
今年から見ると1年間で、
1000店近くも店舗を増やしている。
それでも売上高は微増。
食料品7138億円107.8%(102.7%)
衣料品693億円 113.0%(104.0%)
住関連品2040億円107.5%(103.8%)
サービス 22億円 96.2%(85.4%)
その他 592億円 99.4%(99.3%)
昨年の総売場面積は2595万7355㎡で、
前年同月比104.3%。
売場1㎡当たり売上高4万0399円(103.1%)で、
年間1坪当たりにすると、
159万9800円。
この1年間のコロナ禍パンデミックで、
坪効率は若干下がっている。
2020年には食品特需があったからだ。
では一昨年2019年10月。
10月1日に消費税が増税され、
その直後の1カ月の営業統計。
総販売額は9751億9015万円。
前年同月比4.1%減。
加盟企業数は55社で1万0522店。
つまり店舗数は前年より179店増えたが、
それでも売上高は激減した。
総売場面積は2489万8316 ㎡。
売場1㎡当たり売上高3万9167 円で、
対前年同月比で94.1%と激減した。
年間坪当たりでは、
155万1013円。
記録的な台風19号による被害、
増税の影響で全部門が苦戦。
売上構成比の約70%を占める食料品は、
前年同月比0.9%減少だったが、
畜産品5.6%増、農産品1.7%減、
惣菜2.7%減だった。
衣料品7.3%減。
紳士衣料11.8%増だが、
婦人衣料は6.7%減。
売上構成比19.5%の住関連は、
前年比12.2%減。
増税前の駆け込み需要の反動減が大きかった。
さらに消費増税前の、
2018年10月。
企業数58社、店舗数1万0343 店で、
対前年同月比599店増。
売場面積は2556万1655 ㎡。
肝心の売場販売効率は、
1㎡当たり売上高4万1631 円で、
年間坪効率にすると、
164万8588円。
消費増税によって、その後、
坪効率は10万円近く下がったことがわかる。
そしてコロナ禍前/消費増税前の2018年は、
この4年間で一番販売効率が高かった。
まずは全体で2018年に戻す。
それまでは「ポストコロナ時代」とは、
言えないだろう。
それにしても全体で見ると、
売場販売効率が低い。
単位面積当たり売上高、
単位面積当たり粗利益高、
そして単位面積当たり営業利益高。
寡占化が進めば、
当然のように上がってしかるべきだ。
人口減少の大潮流を、
寡占化によって食い止めて、
個別企業の成長は継続され、
生産性は上がっていく。
それがチェーンストア産業だ。
コロナはその現象を早めるはずだが。
〈結城義晴〉