退院が1日延びた。
予定は火曜日に入院して土曜日の退院。
5日間のつもりだったが、
炭山和毅教授の判断で、
日曜日の退院となった。
体調がおかしいわけではない。
慎重には慎重を期してくれている。
有難いことだ。
土曜日の朝は、
病院でも少し遅い。
今日もいい天気。
東京タワーは青い空にくっきり。
今日から食事が少し変わる。
五分粥250グラム。
鮭の塩焼き、ナスの煮びたし。
それに果物と牛乳。
味わって味わって食べる。
入院していると窓の外に見える景色は、
心を休めてくれる。
慈恵大学病院本院はタワーが見える。
前回の入院は2008年3月だった。
東邦大学付属大橋病院。
あの時は窓の外に桜が見えた。
私はそのブログに、
「燃える闘病日記」とタイトルをつけた。
もちろんアントニオ猪木。
「燃える闘魂」のもじり。
緑内障で二度の手術をした。
あの時はつらかった。
若かったけれど。
しかし今回は軽い。
養生のつもりで入院している。
食事はすべて完食。
午前中は読書。
4冊目に取り掛かった。
すぐに昼食。
五分粥250グラム。
ささみの卵とじ、
ニンジンとカリフラワの茹で野菜。
キューピーのマヨネーズが付いている。
それから缶詰のミカンとヨーグルト。
もちろん完食。
食べたら少し、うとうととする。
目覚めてまた読書。
15時を過ぎると日が傾いてくる。
15時18分。
西の空に陽が沈み始める。
16時09分。
そして16時半ごろ、
東京タワーに点灯。
このボーッとした点灯もいい。
秋田県の大曲の花火大会には、
「昼花火」というのがあって、
あれもなかなかに良いものだが、
この夕暮れのタワー印象は、
それに似ている。
17時12分になると夜花火のようなタワー。
金曜日は特別のイルミネーションだった。
令和のインフィニティ・ダイヤモンドヴェールという。
土曜日は元に戻った。
こちらは、
「ランドマークライト冬バージョン」。
オレンジ色の高圧ナトリウムランプが使われている。
それでもこれは、
東京タワーらしくて、いい。
今月の商人舎12月号では、
「Progressive Presentation」を特集した。
陳列には大きく二つの分類がある。
定型陳列と変化陳列だ。
定型陳列は一つ。
すなわち前進立体陳列だ。
商品の顔を顧客側に向けて揃える。
一方、変化陳列は20種類ある。
⑴ジャンブル(カゴ什器などへの投げ込み)陳列
⑵プッシュアウト(突き出し)陳列
⑶エクステンド(陳列線を前面に張り出す)陳列
⑷ウイング(翼型)陳列
⑸ステップ(ひな壇)陳列
⑹パイルアップ(塔型積み上げ)陳列
⑺シャワー(ウォーターフォール型・滝型)陳列
⑻ライン(線状)陳列
⑼ジョイン(交互積み上げ)陳列
⑽フック(引っ掛け)陳列
⑾段ボールカット(ダンボールケースをカットしてそのままの)陳列
⑿カートラック(カートラックのままの)陳列
⒀クレート(運搬器機のクレートのままの)陳列
⒁スペース(空いた空間への)陳列
⒂ウォール(壁面)陳列
⒃サンプル(サンプルを添えての)陳列
⒄インクリネーション(斜形)陳列
⒅ハーフサークル(扇形)陳列
⒆ボックス(箱型)陳列
⒇ハンガー(衣料品のハンバーのままの)陳列
変化陳列は種類が多いし、
これ以外にもまだまだ、
バリエーションが生まれる。
しかし種類が多いからと言って、
多用し過ぎると効果が薄れる。
定型陳列8に対して、変化陳列2。
これは変化が20%。
あるいは定型7で変化3。
これは変化が30%。
これが定石だ。
ハレとケも、こんな塩梅だ。
ディスカウント型店舗は定型が多くなり、
サービス&クォリティ型は変化が多くなる。
東京タワーのライトアップも同じ。
ウィークデーが定型で、
金・土・日のウィークエンドが変化かと思ったら、
そうではなかった。
これでは〈定型4対変化3〉になって、
変化が42.9%になってしまう。
タワーは〈定型6対変化1〉なのだろう。
変化が14.3%である。
それがいわばセオリーに近い。
夕食は18時から。
五分粥250グラムに、
ギンダラのムニエル、
野菜の入った炒り鶏、
そしてほうれん草とはんぺんの煮びたし。
デザートはない。
ムニエルは美味かった。
食べるとまたうとうと。
気がついたら22時。
ランドマークライトと名づけられた定型の点灯。
やはり最後の夜は、これが落ち着く。
定型はいいもんだ。
定型がきちんとしているから、
変化が効果を発揮する。
日常生活が充実していれば、
入院生活も楽しめる。
ありがとう。
〈結城義晴〉