冬至。
そして冬至の柚子湯。
「湯治の融通」の語呂合わせという説もある。
それでも冬至に柚子湯に入ると、
1年の疲れがとれる気がする。
今日は朝からオンライン役員会。
㈱True Data。
マザーズに上場したばかり。
いつもと変わらず、
活発なディスカッション。
すごくいい顔ぶれです。
よろしくお願いします。
商人舎流通SuperNews。
東急ハンズnews|
親会社の東急不動産HDがカインズに売却譲渡
㈱東急ハンズ。
東急不動産ホールディングスの完全子会社。
㈱カインズに売却される。
譲渡額は非公表。
新型コロナウイルス感染拡大で、
業績が落ち込んだとされるが、
コロナ禍の前から、
ストアフォーマットの革新が見られず、
業績は低迷していた。
コロナは時間を早める。
それが売却となった。
東急ハンズの創業は1976年。
第1号店は藤沢店。
私が㈱商業界に入社する前年。
1974年オープンの、
イトーヨーカドー藤沢店も絶好調だった。
商業界の筆者の一人だった浜野安宏さんが、
コンセプトワークを担当し、
コンサルティングした。
テーマは「手の復権」
「手を通じて新たな生活・文化を創造しよう」
実に良いテーマだ。
第3号店が1978年オープンの渋谷店。
これが旗艦店となっが、
私は何度も取材した。
個人的にもずいぶん買物に行った。
現在は、国内外で86店舗を展開する。
そのうちフランチャイズが24店舗。
年商は2019年3月期が973億6700万円、
2020年3月期が965億2800万円。
コロナ前にも停滞していたことが、
この実績に表れている。
私にもちょっとだけ打診があった。
乗れなかったけれど。
それが2021年3月期には、
631億1300万円に落ち込んで、
営業損失44億7300万円、
経常損失46億1000万円、
純損失71億3600万円。
譲渡予定日は22年3月31日。
カインズはしばらく、
「東急ハンズ」のバナーは変えないようだ。
そのほうがいい。
企業価値やブランド価値は、
まだまだ高いからだ。
都市型DIYのフォーマット。
今からつくろうとしても、
それはかなわない。
カインズは良い買物をした。
東急不動産はもったいないことをした。
なぜ、こうなったか。
簡単だ。
初期のイノベーションを超える、
新たなイノベーションがなかったからである。
では、どう立て直すか。
はたまた、
会社のスクラップ&ビルドをするか。
イノベーションの原則に従うしかない。
誰がそれをやるか。
やり遂げるか。
問題はそこにある。
日経新聞経済・政策面。
「景気”持ち直しの動き”」
12月の政府月例経済報告。
国内景気の総括判断は、
「持ち直しの動きがみられる」として、
1年5カ月ぶりに上方修正。
東急ハンズの売却は、
何ともタイミングの悪い時の発表だ。
「ほぼ日刊イトイ新聞」
糸井重里さんの毎日エッセイ。
「今日のダーリン」
「おまえは泳げるんだ!」という話。
糸井さんが読んだ昔の『週刊文春』の記事。
その要約が的確だ。
「川の流れるキャンプ場に行った家族。
小学生の息子が川辺で遊んでいるうちに、
川に入って足をとられ流されはじめた」
「そんな経験はないから
息子はあわててしまって、
じたばたと暴れているのだが、
どうにもならない」
「父親が助けにいくが混乱している息子に
手を貸すのがなかなか難しい」
「そんなとき、父は
息子が水泳教室に通っていて、
プールで泳いでいたということを思い出した」
「いま溺れている息子は、
ほんとうは泳げるのだ」
「父は、息子に向かって叫んだ
“おまえは泳げるんだ!”」
「その声を聞いた息子は、
はっと気づいて泳ぎだして、
岸に近づき父の手につかまって助かった」
――だれかが「おまえは泳げる」と、
声をかけてくれる。
それだけでなんとか泳げてしまう。
「おまえは泳げる」と
声をかけてくれる人がいないと、
溺れてしまう。
「見ていてくれる人がいること」
「人を信じるこころが、じぶんにあること」
糸井さんはこの2つのことが、
「人をよく泳がせてくれる」と言う。
同感だ。
私はいつも「おまえは泳げる!」と、
声をかける役目だ。
これまでも、これからも、ずっと。
だから東急ハンズも、
「泳げるよ!」
関西スーパーも、
「君らは泳げる!!」
True Dataも、
「君らはもっと速く泳げる!」
平和堂ももちろん、
「君らはもっとよく泳げる!」
そのほかの会社も店も、
「君たちは立派に泳げる!!」
本当だよ。
〈結城義晴〉