昨日は二十四節気の「小寒」だった。
小寒から2月3日の節分までを、
「寒」と言う。
あるいは「寒中」、「寒の内」とも。
暦の上で一番寒いほぼ1カ月のこと。
小寒はその「寒」に入る日で、
「寒の入り」とも言う。
さらに小寒と節分の真ん中が「大寒」で、
今年は1月20日となる。
その小寒の翌日、つまり今日、
寒気団が訪れて、雪になった。
横浜商人舎オフィスの裏の遊歩道にも、
昼頃、チラチラと雪が降り始めた。
そして午後1時、
コニカミノルタ㈱のお二人がやってきた。
齊藤宏さん(左)と川瀬英梨さん(中)。
川瀬さんはコニカミノルタの、
マーケティングサービス事業部コンサルタント。
齊藤さんは、
コニカミノルタマーケティングサービス㈱の、
ショッパーデータプラットフォーム執行役員。
コニカミノルタの「Go Insight」は、
同社特有のカメラ技術を使った、
新しいマーケティング事業だ。
セルフサービス店舗において、
ショッパーの購買行動を科学的に解析する。
かつては店内で顧客の追跡調査をした。
あるいは顧客を観察した。
購買データを分析した。
それらの調査のかわりに、
定置型カメラを使って、
総合的に徹底的に観察する。
そして分析する。
すでにそれらの実験は行われている。
今日はその報告を聞いてから、
その後の座談会の打ち合わせ。
私はこのシステムには、
まだまだ潜在的な可能性があると思う。
それも今後のことだ。
お二人は雪のなかを帰って行ったが、
その雪はどんどん強くなった。
午後2時15分には地面に積もり始めた。
木の枝にも積もり出した。
3時を過ぎると雪はすこしずつ激しくなった。
木の葉にも雪がまとわりつき始めた。
そして4時を過ぎると、
雪は石畳にも積もり始めた。
今日はどこまで積もるのか。
私は仕事を続けた。
夜になると、
雪は降りやんだ。
しかしまるで満開の桜のように、
雪は地面も木の枝も白一色に染めた。
今日の横浜の雪はとりわけ美しかった。
さて、まん延防止等重点措置。
オミクロン株の感染拡大によって、
日本の第六波が来ていると見ていいだろう。
全国の新規陽性判明者は4475人。
沖縄県は981人、
東京都は641人、大阪府は505人。
広島県273人、山口県181人。
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また数えることが始まった。
沖縄県、広島県、山口県が突出している。
だからこの3県に対して、
「まん延防止等重点措置」が適用される。
沖縄、岩国の米軍基地の近隣エリアに、
変異ウイルスが急速に感染拡大したからだ。
重点措置は都道府県知事が、
市区町村など具体的な区域を決める。
しかし「まん防」で、
感染拡大を止めることができるか。
コロナウイルスにとっては、
雪も雨も風も、
地震も台風も、
まったく関係がない。
新型コロナとの闘いは、
まだまだ続く。
しかし2年間を振り返ってみれば、
ワクチンはできたし、
二度の接種も終わった。
さらに経口治療薬も、
国内産で登場してきた。
コロナとの共生の方法は、
2年前とは比べようもないくらい、
経験的蓄積がなされた。
小売業もサービス業も、
コロナ対策は今や申し分ない。
こうして少しずつ、
私たちは社会全体として、
学習し、成長している。
毎日新聞巻頭コラム「余禄」
幕末のコレラ騒動を取り上げた。
1858年の5月、長崎に、
米艦ミシシッピが入港した。
その乗組員がコレラを持ち込んで、
それはまたたく間に日本全国に広がった。
「長崎の流行が6月だったが、
翌月半ばにはもう江戸で大流行を起こした」
「当時、長崎から江戸まで
徒歩で1カ月余の旅程」
「コレラ菌はほぼ人が旅をする速度で
感染を広げてきた」
さらに「発病3日で落命することから、
“三日コロリ”と呼ばれた」
つまり「コレラの恐怖はその”速度”にあった」
このあたりは、
手塚治虫の「陽だまりの樹」に描かれている。
一方、オミクロン株のスピードも速い。
元日の沖縄県の新規感染者は52人だった。
それが4日に225人、5日に623人。
今日の6日は981人。
もう1000人は間近だ。
黒岩祐治神奈川県知事は、
県内の1日の新規感染者が、
今月中に1万人を超える、
と独自の予測を発表した。
去年の今頃にも、
一昨年の春先にも、
同じようなことが言われた。
「冷静に恐れる」
最近はそれが忘れられている。
むやみやたらに恐れてはいけない。
経験も積んだし、手立てもある。
だから冷静に恐れる。
これはコロナ対策だけではない。
仕事上の障害に直面したときにも、
店舗同士の競合が発生したときにも、
「冷静に恐れる」。
あくまで謙虚であること。
冷静に恐れたうえで、
真の勇気をもつこと。
それが難題を克服する唯一の方法だ。
だから黒岩知事の「1万人発言」には、
ちょっと違和感を感じてしまう。
冷静に恐れる。
これは、
臆病風に吹かれることではないし、
恥でもなんでもない。
〈結城義晴〉