来る者拒まず、
去る者追わず。
故倉本長治商業界主幹は、
この考え方を貫徹した。
だから倉本主幹時代の商業界には、
全国から近代化を目指した商業者が、
続々と参集した。
長治先生ほどではないけれど、
私も商人舎も同じ考え方だ。
来る者拒まず、
去る者追わず。
それぞれでいい。
よく学ぶ者にはよく教える。
特別に誰かに教えるとか、
どの企業の味方をするとか、
どこの企業だけをコンサルするとか、
そんなことは全くない。
商売十訓をはじめ、
ピーター・ドラッカーの考え方、
世界中でこれは定石だと認められた理論、
そんなものに真摯であって、
私たちとともに学ぶ者には、
惜しみなく教授する。
それが商人舎と結城義晴のあり方だ。
今日は朝から横浜商人舎オフィス。
来客あり。
良い内容の話ができた。
昼過ぎに出かけて、
東京・白金。
シェラトン都ホテル東京。
日本ボランタリーチェーン協会。
令和4年新春賀詞交歓会。
ボランタリーチェーンはVCと略す。
フランチャイズチェーンがFC。
2時半から記念講演。
講師は川邊健太郎さん。
Zホールディングス㈱代表取締役社長Co-CEO。
2019年10月1日に、
商号をヤフー㈱から変更して、
純粋持ち株会社となった。
傘下の事業会社は、
ヤフー㈱をはじめ、アスクル㈱、㈱ZOZO、
PayPay㈱、LINE㈱などなど。
売上高は1兆2058億円。
おもしろい話が聴けるだろうと、
多くの協会関係者が集まった。
しかし残念ながら、
同社の営業説明会のようだった。
そのあと4時半から賀詞交歓会。
泉田幸雄会長のスピーチは、
実に簡潔で的確。
泉田さんの知見の豊かさ、高さが、
よく表れていた。
そのあとは来賓の挨拶。
自民党の甘利明代議士も、
話のうまさには定評がある。
いろいろあったけれど、
流通には造詣が深い政治家だ。
スピーチが終わると余興。
軽妙なメキシコ音楽。
ソーシャルディスタンシングで、
酒も料理も控えて、
余興を楽しんだ。
私は講演と賀詞交歓会の間に、
ホテルのラウンジで交流。
並木利昭さん(左)と江口法生さん。
並木さんは㈱ライフコーポレーション専務。
私は40年近いお付き合い。
もう同志といった感じだ。
江口さんは、
日本スーパーマーケット協会専務理事。
江口さんとも30年来の仲間だ。
昨年の状況や今年の予想など、
じっくりと話し合った。
私は月刊商人舎1月号の話をした。
さらに賀詞交歓会が終わって、
白鳥和生さんと懇談の食事。
白鳥さんは日本経済新聞調査部次長。
マスク会食をして、
撮影のときだけ素顔。
互いに猫好きで、
白鳥家のヴィッケ君の話で盛り上がった。
久しぶりの会合。
やはりフェイス・トゥ・フェイスはいい。
それでも今日の三人組が歌っていた。
マスクに、手洗い、
ディスタンス♫
マスクに、手洗い、
ディスタンス♫
最後に朝日新聞「折々のことば」
第2261回。
編著は鷲田清一さん。
時間は
これを使うことによってしか
忘れることができない。
(シャルル・ボードレール)
「時間という観念や感覚に
押しひしがれないためには、
二つの対処法しかない」
「われわれを磨滅(まめつ)させる」快楽、
もしくは、
「われわれを強くする」仕事。
う~ん、いかにも、
ボードレールらしい名言。
ボードレールは、
「悪の華」のフランスの詩人。
「時から解き放たれるためには
恍惚と集中、
つまりは我を忘れることが
必要だということ」
「ただしこの二つは両立しない」
「だから”選ぼうではないか”」
(アフォリズム集「火箭」から)
私は一貫して、
商売という仕事によって、
時を忘れることをお薦めしている。
それはわれわれを強くしてくれる。
もちろん「磨滅する快楽」も、
否定はしないけれど。
われわれを強くする仕事。
その仕事によって時間を忘れる。
このことに賛同する者に対して、
来る者拒まず、
去る者追わず。
〈結城義晴〉