一月、往ぬる。
あと2日で2月。
昨年の1月は緊急事態宣言下にあった。
今年はまん延防止等重点措置が適用されている。
それでも昨年よりも、
ちょっとだけ明るい兆しが見える。
ほぼ日の糸井重里さん。
毎日書くエッセイ「今日のダーリン」
「ずいぶんと年上の方々に会って、
まじめな話にかぎらず、
いろんなことを話してもらえるのは、
ほんとにたのしいし、ありがたい」
私も。
「ぼくの干支で一回り上に
横尾忠則さんがいる」
糸井さんは1948年生まれの子年。
「同じ年に操上和美さんがいて、
和田誠さんもそうだった。
和田さんは、先に逝かれて残念だけれど、
横尾さんも、操上さんも
いい感じの現役のままだ」
みんな1936年生まれの86歳。
島田陽介先生も同じ年。
石原靖曠先生は一つ上。
「ガツガツしてはいないし、
ギラギラもしてないのだけれど、
ギラッとはしている」
わかる。
月刊商人舎1月号を読んでいただければ、
島田陽介のギラッが出ている。
流通コンサルタントではあるが、
ガツガツしていない。
ギラギラもしていない。
それでもギラッとしている。
石原先生も2019年12月号では、
島田先生とは全く違うけれど、
ギラッとしていた。
まったくガツガツがないし、
ギラギラもない。
最近の若手コンサルタントにも、
見習ってほしいところだ。
故倉本長治先生は、
83歳で亡くなったけれど、
誰よりもギラッとしていた。
もちろんガツガツ、ギラギラはなし。
経営者では、
セブン&アイの鈴木敏文さんは、
1932年生まれの89歳。
旧菱食の廣田正さんは、
1933年生まれの88歳。
アークスの横山清さんが、
1935年生まれの86歳。
石原先生と同年だ。
安土敏ことサミットの荒井伸也さんは、
1937年生まれの84歳。
とりせんの前原章宏さんも1937年生まれ。
日本水産の垣添直也さんは、
1938年生まれで83歳。
エコスの平富郎さんは、
1939年1月22日生まれで83歳。
年上の人と会うのは、
うれしいし、ありがたい。
糸井重里。
「いいなぁ、あと12年後に、
あんなふうにいられたらなぁ
と憧れてしまう」
私もそうありたい。
「とても自然な勇気をもらえるのだ」
私が島田、石原両先生、
廣田さん、横山さん、荒井さん、前原さん、
そして垣添さん、平さんの諸先輩方に、
感じることと同じだ。
「先日、久々に
谷川俊太郎さんを訪ねたのだけれど、
なんと90歳になっていた」
清水信次さんは95歳。
もちろんライフコーポレーション会長。
イオンの岡田卓也さんは96歳、
セブン&アイの伊藤雅俊さんは97歳。
寿屋創業者の壽崎肇さんも、
健在で、95歳。
「谷川さんの”居方”って、
ほんとに変わらないなと思った。
ただ、なんとなく
正直さが増しているように感じた」
「正直さといっても、
いわゆる本音と称する露悪に
なるのではまったくなく、
ずっとやわらかなままだ」
「とにかく飾りのない
考えやことばが出てくるのだ」
清水さんや岡田さん、伊藤さんも、
壽埼さんもいまや、
やわらかくて飾りがない。
「老いてからの吉本隆明さんも、
そうだった。
裸のままのじぶんを、
そのまま出せるようになるのだろう」
「こういう人たちのことを知ると、
老いるのはかっこいいものだなぁと思う」
同感だ。
そして糸井。
「ぼくのような年齢のものが、
先輩たちと会う話もいいが、
ぼく自身が年長者の立場にいながら、
若い人たちと
遊んでもらっていることについては、
もう、もう、まったくもって
感謝しかない」
これにも同感だ。
ヤオコーの川野澄人さん、
サツドラの富山浩樹さん。
エブリイの岡崎浩樹さん、
ロピアの高木勇輔さん。
それから次々に、
若い社長が登場している。
私はそういった人たちに、
遊んでもらっている感じだ。
感謝しかない。
糸井。
「年齢割る3が人生の時刻だとしたら、
ぼくは24時を過ぎたよ」
私はちょうど23時だ。
ガツガツもなく、
ギラギラもなく。
ギラッはあっていいかな。
〈結城義晴〉