今日は節分。
明日は立春。
朝日新聞の「天声人語」
「暦の上では、
冬という長い坂をのぼりきり、
眼下に春の野が広がる」
文学的描写。
さて、節分には恵方巻。
1日中、商人舎オフィスで原稿を書いて、
気がついたらもう夜の9時。
慌ててセブン-イレブンに駆け込んで、
最後に残ったたった一つの恵方巻を購入。
今年の恵方は北北西。
そちらの方向を向いて、
願いを込めて一気に頬張る。
ガブリといただきました。
願いはかなうのだろうか。
いつも様々な情報を送ってくださる友人。
今日は小売業各社の恵方巻作戦。
予約販売と当日のチラシ情報。
いずれもくっきりとした写真で、
いかにもおいしそうだ。
その商品化と売価が面白い。
恵方巻商戦は全体に好調だった。
食品ロスを考慮して、
早仕掛けで予約に力を入れたことは、
本当に良かった。
ライフは、
極太巻き1980円と1780円。
それぞれにハーフがあって、
980円と880円。
マグロたっぷり太巻きが1380円、
贅沢海鮮巻が980円が2種類。
798円が3アイテム。
そしてセット物がハーフ3本が、
1980円と1280円。
ヨークベニマルは、
海鮮巻が2580円(本体価格、以下同じ)
黒毛和牛の牛好き巻が1780円。
売れ筋は奥村彪生氏監修の880円。
最低価格も奥村彪生氏の398円。
ヤオコーは、
極み海鮮巻が2980円。
そのハッピーサイズが1490円。
ご馳走鮪巻、上海鮮巻が、
それぞれ980円。
698円、598円、498円の恵方巻。
セット物は太巻き三本が1880円、
中巻三本が1280円。
サミットは、
開運極太巻2980円、
本鮪三昧1980円、
贅沢海鮮1780円。
たっぷり肉巻き1580円、
穴子三昧1580円。
ベルクは、
大間のマグロ2280円、
特上海鮮太巻き1580円、
太巻き798円とひれかつ巻798円。
そしてレギュラー恵方巻398円。
ハーフ3本セットは1190円。
そして関西ロピアは、
極太海鮮巻2000円、
本鮪づくし巻1290円、
丸かぶり巻890円。
ちなみに関西のサンディは199円。
資料を送ってくれた方は、
ライフ、ヨークベニマル、
そしてベルクを評価した。
もちろん地域差もあるだろうし、
首都圏と関西、地方都市では、
価格帯も違ってくるだろう。
月刊商人舎1月号特集は、
2020確信的予言
予言1は、
「消費とMerchandisingの変質」
この中で提案したのは、
「禁欲円」と「享楽円」。
生活を切り詰める支出は「禁欲円」、
生活をエンジョイする支出は「享楽円」。
恵方巻は享楽円そのものだ。
だからサミットの2980円をはじめ、
1980円、1780円、1580円は、
享楽円購買に照準を当てた。
同じくヤオコーもよくできているが、
価格帯が多かったか?
地方ではベニマルが、
2580円、1780円、880円、
そして398円。
享楽円と禁欲円をうまく使い分けた。
ベルクも出店ロケーションは、
サミットとベニマルの中間地帯だから、
アイテムを絞りつつ、
上手に商品設計したと思う。
関西ロピアは、
3000円ラインを出すかと思ったが、
私の予想が外れた。
サンディの199円は、
禁欲円だけを狙って、
的が外れたか。
日経新聞の「ニュース一言」
日本百貨店協会の村田善郎会長。
㈱髙島屋取締役社長。
「新型コロナウイルス下で
プチぜいたくをしようと、
デパ地下の食料品に注目が集まっている」
このプチ贅沢が「享楽円」消費だ。
「肉や魚でちょっと良い食品は
百貨店で買うという消費行動が定着した」
それは百貨店の独占領域ではない。
2021年の全国百貨店売上高。
「3割を食料品が占め、
2年連続で衣料品を上回った」
「コロナ禍前まで主力だった衣料品は
経済が正常化すれば
売れ行きが回復するとみる」
これは疑問。
村田会長は、
「食品中心の傾向は変わらないだろう」
それには賛成。
コロナ禍で食品の享楽円消費が、
浮かび上がった。
関西ロピアの京都ヨドバシ店は、
京都駅の伊勢丹を完全に食ってしまって、
「享楽円」にジャストミートした。
禁欲円と享楽円。
次はバレンタインデーだ。
義理チョコは禁欲円?
本命チョコや自分チョコは享楽円?
地域や商圏特性によって、
塩梅も売り方も変わる。
K字型消費であることは間違いない。
〈結城義晴〉