結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年02月05日(土曜日)

北京冬季五輪の「異形」と羽生善治の「その姿のままの誇らしさ」

冬季オリンピック。
男子モーグルで堀島行真選手が銅メダル。
mo-guru
おめでとう。

それにしても北京大会は、
どう位置づけられるのか。

日経新聞が朝刊一面で訴える。
「異形の五輪、教訓残せるか」

第1に、だれのため何のための五輪か。
「北京の回答は明確だ」

「習氏の習氏による習氏のための五輪だ」

同感。よく書いた。

第2の問題は、
巨大な経済力・軍事力を備えた
専制国家への国際社会の無力さだ。

ナチスドイツ下で行われたベルリン五輪。
1936年の教訓はどこへ行ったのか。

「中国には今も
人権侵害に苦しむ人々が存在する」

「そのような国を権威付けする
五輪のままでよいのか」

ただし結論は情けない。
「まずは忘却しないこと。
異形の五輪が提起した教訓は
ここから始まる」

バッハ会長の銅像が、
北京の公園に建てられたと聞くが、
まずはその銅像の顔に、
へのへのもへじでも描くか。

堀島行真の銅メダルの価値は、
それでも消えることはない。
モールぐ

今日も1日、横浜商人舎オフィス。
原稿書きに勤しむ。

今月は特集1本と特別企画1本。
書く分量はいつものように多い。

執筆は遅れている。

ところで昨晩、私にとっては、
残念なことがあった。
将棋の羽生善治九段(51歳)が負けた。
羽生善治

将棋界は「順位戦」と呼ばれる闘いに、
すべてのプロ棋士が参加し、
それによって順位が決められている。

最高峰が「A級」と言われるクラスで、
10人のトップ棋士が名を連ねる。

その10人が1カ月1戦ずつ1年間、
総当たりで対局して、
下位の2人がB級1組へ降級する。

羽生は29期連続でこのA級に君臨していた。
しかし昨夜、永瀬拓矢王座に敗北して、
来期はB級1組に陥落することが決まった。

A級連続在位1位は、
故大山康晴十五世名人の44期連続。
44年間A級で、在位のまま逝去した。
大山康晴
羽生の29期連続は歴代4位の記録だ。
多分、大山名人を目指していたはずだが、
残念ながらそれはできなかった。

B級1組に降級する。

そのB級1組には、
藤井聡太が属していて、
現在、トップを走っている。

一昨日の晩、藤井は勝利を決めて、
A級への昇級の可能性がさらに高まった。
kishi_fujii
そうするとA級順位戦の檜舞台での、
羽生と藤井の対局は見られない。

羽生は史上3人目の中学生プロ棋士で、
2017年には全七冠を独占した。
2018年2月に将棋界初の国民栄誉賞を受賞。
タイトル獲得数は史上最多の99期。

藤井聡太竜王も、
史上5人目の中学生プロ棋士だが、
14歳2カ月で最年少棋士記録を、
62年ぶりに更新した。

つまり羽生から藤井へと、
超天才の系譜がつながれることになるが、
皮肉なことにA級の降級と昇級で、
二人は入れ替わる。

時代が変わる瞬間が、
昨日の対局だった。

羽生善治も50歳を超えると、
途端に衰えた。

それでももちろん羽生の将棋は、
他の棋士にない独特の鋭さをもつ。

A級での二人の対局が見たかった。

本当に残念だ。

朝日新聞「折々のことば」
一昨日の第2282回。

人間はその数だけ、
それぞれ、その姿のまま
誇らしくなければ
ならないんだ。

(岡本太郎)

「順位に関係なく
“独り、誇り高くそびえ立っている人間”こそ
頼もしい」

「そう、人間など無視し、
孤高の運命を両翼に漲(みなぎ)らせて
翔(と)ぶ鷹のように」

「そしてこの喜びを
“開発し、自覚させる”のが
教育の目的だ」

「成績は悪くても
人間的には誰にも負けていない
と言う人がいたら、
それもまだ順位に囚(とら)われている」

独り、誇り高くある人間。
衰えたりと言えど羽生は、
そういった人生を歩むのだろう。

それもまた良し。

その姿のまま誇らしくあればいい。

最後にひとつ。
ライフセントラルスクエア西宮原店。
IMG_32649
新大阪の駅のそばの大繁盛店だ。
西側施設はライフコーポレーションの大阪本社。

この店に強盗が入った。

午後10時40分、
刃物のようなものを持った男が、
アルバイト店員を脅して、
サービスカウンターから、
74万円を奪って逃走。

コンビニエンスストアは現在、
ほとんどがセミセルフレジとなった。
スーパーマーケットでも増えている。

これらは現金が取り出せない金庫レジである。
万一、強盗に脅された場合にも、
最大3万円しか出金はできない。

コンビニが金庫レジになって、
そこでスーパーマーケットの、
サービスカウンターが狙われた。

今後、予防措置が取られるだろうが、
これでまたキャッシュレス決済が加速する。

キャッシュレスは強盗を防ぐことにもなる。

こちらも金庫レジへの交換や、
キャッシュレスへの転換という、
時代の節目を迎えることになる。

〈結城義晴〉

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