結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年02月21日(月曜日)

IDRセミナー講演と商業界会館の碑「店は客のためにある」

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑧]

2022年第8週。
2月第5週。

毎週月曜日に書いているが、
一月、往ぬる。
二月、逃げる。

北京冬季オリンピックも終わって、
人々の関心は身近な問題に戻ってくる。

春がやってくる。

それから新型コロナウイルス感染。
17道府県でまん延防止等重点措置が、
3月6日まで延期される。

その「まん防」もどれだけ効果を発揮するのか、
わかりはしない。

年度末と新年度がやってくる。

2月期決算の企業はもうあと10日ほど、
3月期決算企業は1カ月と10日ほど。

最後のひと踏ん張りのときだ。

今日は、午後から東京タワーの付近へ。IMG_09932

その下の機械振興会館。IMG_09942

一般社団法人流通問題研究協会。
略してIDR。
1966年創設の経済産業省管轄公益法人。
現在のIDR理事長は、
玉生弘昌㈱プラネット会長。

そのIDR主催のオンラインセミナー。
「食品流通の未来を考える」

昨年11月から8回のシリーズ。
今日はその最終回の「終了ミーティング」。

当初はリアルセミナーの予定だったが、
まん防のためにオンラインに変更。

この会館の6階会議室で、
そのセミナーが行われる。IMG_13062

事務局と講師陣、そして聴講者が、
ロの字型に席に着く。IMG_12902

はじめに橋本佳往IDR専務理事が、
開会の挨拶。
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最初の講義は、
西田邦生IDR 理事、
㈱ジャパン・インフォレックス社長で、
多摩大学大学院経営情報学科客員教授。IMG_12962

西田さんは8回のセミナーをコーディネートする。

今日は45分の講義。
ネットスーパーの宅配問題や、
商品マスターに関する専門的な内容。

食品流通の取り組み課題を整理した。

それから私が60分。
テーマは、
「コロナが時間を早めた」IMG_13042
はじめに、拙著を紹介して、
今日の1時間の講義を、
物語として聴いてほしいとお願いした。
『コロナは時間を早める』
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私のこの本には「まえがき」もないし、
「あとがき」もない。

いきなり本文に入って、
最後も本文でピタリと終わる。

物語のように、
コロナと商業との顛末を書いた。

14世紀の黒死病とルネサンス、宗教改革。
100年前のスペイン風邪とセルフサービス。IMG_13022

このCOVID-19パンデミックでも、
時間は早まった。

そのことを実証しつつ、
キャズム期間の判断と、
ポストコロナ時代の経営を、
私の観点から語った。
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もちろん、本を書き終わったあとで、
さまざまな取材をしたり、
インタビューをしたり、
体験したりして、
新たに考え出したことも、
数多く語った。

ネットスーパー・エイジも、
「禁欲円と享楽円」も、
トレードオフとトレードオンも、
事例を加えながら講義した。

私自身も楽しんだ講演だった。
ご清聴、感謝したい。

講演が終わって、
飯倉の交差点へ。

商業界会館。
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私が30年間働いたところ。

全国の商業者たちが、
倉本長治主幹のために、
お金を出し合ってつくったビルだ。

商業界精神の総本山。

最上階の6階には、
かつて宿泊施設があった。
地方から東京に学びに来た商人たちが、
ここに泊まった。

2階にはセミナールームがあって、
ここで研修やセミナーが開催された。

3階にはクラブ室があって、
宿泊している商人たちも、
応接に使った。

もちろん私たちは、
座談会や懇親会に活用した。

入口に碑がある。
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店は客のためにある。長治。
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㈱商業界が倒産して、
商業界会館の店子がなくなった。
残っていたカフェの「ファースト」も、
昨年の11月30日で退店した。IMG_10012
残念なことだ。

商業界会館と東京タワーを背に、
写真を撮ってもらった。
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私たち商人舎が、
倉本長治の遺志を継いでいかねばならない。
改めて、そう思った。
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きびしい冬が去って、
もうすぐ春がやってくる。

冬の間も、
店は客のためにある。

春になっても、
店は客のためにある。

ネットスーパー・エイジにも、
店は客のためにある。

それは変わらない。
ずっと変わらない。

では、みなさん、今週も、
店は客のためにある。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年02月20日(日曜日)

習氏の「北京冬季五輪」とローマ帝国の「パンとサーカス」

北京の冬季オリンピックが終わった。

日本選手団の活躍には、
感銘を受けた。

外国選手たちの躍動にも、
心打たれるものがあった。

カーリング女子は、
惜しくも銀メダルとなったが、
最終日まで楽しませてくれた。
カーリング1

平昌で銅メダル、
北京で銀メダルならば、
次のミラノ・コルティナダンペッツォでは、
金メダルも予想できる。

過剰な期待をかけるつもりはないが、
それは私たちの率直な楽しみだ。

アイスホッケー男子は、
フィンランドが6戦全勝で金メダル。
この初優勝はとてもよかった。

夏季五輪の最終種目がマラソンならば、
冬季五輪はクロスカントリー。
閉会式でその表彰が行われた。
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しかしなんとも後味の悪い冬季五輪だった。

「習氏の習氏による習氏のための五輪」

日本経済新聞2月5日版が、
朝刊一面で書いたように、
完全に政治に利用された。

ロシアはドーピング問題によって、
国としての出場ができない。
そのロシアのプーチン大統領が、
開会式に出席した。

中国、ロシアなどの専制国家の元首たちが、
その専横を隠しもせず、
冬季五輪の舞台で存在感を誇示する。

それに対して、
民主主義国家は無力だった。

1936年のベルリン五輪の教訓は、
どこに行ったのだろう。

2月5日のブログでそう書いたが、
終わってみてもやはり同じ気持ちだ。

世界の未来が心配になる。

朝日新聞「天声人語」

トーマス・バッハIOC会長に批判的。

「先月末、北京市の公園に
真新しい銅像がお目見えした」
例のバッハ胸像。

バッハ会長と要人が歓待を受けた晩餐会。
「目を見張るほど巨大なテーブルの上に、
色鮮やかなジオラマ。
満開の花々や雪原が表現されている」

北京郊外の五輪会場の航空写真。
「黒い山肌に、スキーとボブスレーの
競技会場だけが不自然に白いのだ。
雪が降らず、人工雪でしのいだ」

「五輪自体の持続可能性に疑問を感じた」

その通り。

日経新聞「社説」
タイトルは、
「五輪に人権と調和の理念を取り戻そう」

「ウクライナ情勢が緊迫する中で
競技が続き、閉会式の日を迎えた」

「五輪憲章は、
人間の尊厳の保持や平和な社会をめざし、
調和ある発展のために
スポーツを役立てると謳う」

「理念とかけ離れた大会のあり方は、
五輪の存続そのものを危うくしかねない。
IOCは組織と五輪運営の
抜本的な改革に乗り出す時に来ている」

社説や巻頭コラムは、
ほとんど例外なく、
北京五輪とIOCに批判的だ。

朝日新聞「折々のことば」
昨2021年8月8日の第2109回。

このブログで一度、紹介した。

政治家が行き来するより、
文化が行き来するほうが、
ずっと国と国の関係を
よくする効果がある。
(『天野祐吉のCM天気図 傑作選』から)
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スポーツも文化だ。
だからオリンピックは、
人類が行き来する典型的な文化だ。

編著者の鷲田清一さん。
「感覚に快いものは、
主義主張の厚い壁、
時に無意識の不安に起因する
根深い偏見をもかい潜(くぐ)って
ひたと染みわたってゆく」

スポーツの快さは、
主義主張も根深い偏見も、
かい潜って人の心に染み渡っていく。

だからこそ、
それが利用されることは、
断じて避けなければいけない。

次の冬季五輪はイタリアだ。
夏季五輪はフランスのパリだ。

不思議なことに、
ちょっと安心な気分もある。

私の心が欧米に毒されているわけではない。

ギリシャで生まれた五輪だから、
ヨーロッパ開催ならば、
今回のような違和感を感じないのだろう。

もちろん専制国会での開催では、
ないからでもあろう。

しかしローマ帝国は、
風刺詩人ユウェナリスによって、
「パンとサーカス」と批判された。

「サーカス」は、
映画のベンハーなどに出てくる、
複数頭立て馬車の競走や、
剣闘士の格闘などの見世物である。

皇帝、すなわち権力者によって、
食糧と娯楽が無償提供された。

国家が強く管理した五輪も、
見方によれば「サーカス」ということになる。

どんな時代にも、
スポーツと食べものは、
専制に利用されやすい。

美辞麗句を並べ立てても、
それ自体には快さがあっても、
専制に利用されやすい。

2000年も前からの教訓である。
心してかからねばならない。

〈結城義晴〉

2022年02月19日(土曜日)

商人舎15年目の「店」から「業」へ、「業」から「人」へ。

横浜の商人舎オフィス。
それなりに年季が入ってきた。

2008年2月1日に会社を設立して、
15年目を迎えた。

何より本が増えた。

資料などはできるだけ、
デジタル化してストックしているが、
それでも増えた。

自転車も加わった。
ロヂャース28号。

乗る機会がつくれなくて、
今のところ、
インテリアと化しているが。

前職の㈱商業界で30年。
現在の㈱商人舎で15年。

商人舎となってからは、
池袋の立教大学で5年。
研究室も持っていた。

しかし商業界の30年間は、
ずいぶん長かった気がする。

入社して12年で編集長に就任した。
それから7年で取締役、
さらに7年で代表取締役となった。

長く感じるのは、
立場も変わったからだろう。

その㈱商業界は、
コロナ禍の2020年4月に、
自己破産した。

商業界の創始者・倉本長治は、
28歳でスカウトされて、
月刊雑誌「商店界」編集長に就任した。

昭和2年(1927年)のことだった。

商業、流通業の世界には最初に、
「商店界」という専門雑誌が存在したのだ。

それから戦後の昭和23年(1948年)に、
株式会社商業界が設立されて、
月刊商業界が創刊された。

倉本長治は、
商人道を説くとともに、
欧米流の商業の近代化を訴えた。
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はじめは「店」の雑誌だった。
近代化以前の商店のためのメディアだった。

次は「業」の雑誌だった。

「業」は仕事や事業のことであり、
業種、業態などを意味する。

近代化を志向して、
チェーンストアやショッピングセンターを、
啓蒙し、指導した。
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平成の時代となって、
その20年(2008年)、
私は会社をつくって、
「商人舎」とした。

人が集まり、学ぶ舎人(とねり)である。
商人が集まり、学ぶメディアだ。
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21世紀は知識商人の時代だと見定めた。
さらにその知識商人たちが、
商業の現代化を実現すると考えた。

ポストモダンの流通業である。

近代化の呪縛から解き放たれ、
近代化の矛盾を克服し、
さらに真の全体最適を志向する。

商店界の時代には、
小さな業種店と大きな百貨店しかなかった。
小さな雑草と大木の百貨店による森。

月刊商店界は最後には、
小手先技術と目先の販促の雑誌となって、
1993年に廃刊した。

商業界の時代には、
流通革命の実現を目指して、
さまざまなチェーンストアが登場した。

超巨大なチェーンストアをつくる時代。
しかしそのために小さな雑草は、
刈り取られても仕方ないとの主張さえあった。

「大きいことはいいことだ♫」
大木だけの森を目指した。

商人舎の時代は、
巨大なコングロマーチャントも、
さまざまな業態の企業も、
小さな専門店も、
全体最適の社会を目指しつつ、
それぞれにポジショニングを確立する。

新しい共生の森を志向する。

さらにそこには、
デジタルの沃野が広がり、
オフラインとオンラインが融合する。

ユニコーン企業が、
新たに登場するだろう。

しかしゼブラ企業も、
続々と誕生するに違いない。

すべては知識商人たちが実現させる。

「店」から、「業」へ。
「業」から、「人」へ。

近代化前から近代化へ。
近代化から現代化へ。

商人舎は、
なくてはならない発信媒体となる。
志ある知識商人の、
意識と行動を変えるメディアとなる。

私たちの商人舎は、
そのために存在する。

ちょっと年季の入ったオフィスで、
そんなことを思った。

いい日だった。

〈結城義晴〉

(注)ユニコーン企業とは、
イノベーションを起こし、
市場を独占することで、
多額の利益を生む可能性をもつ、
スタートアップ企業のこと。

そのユニコーン企業は、
第一に利益を追求する。

これに対してゼブラ企業は、
SDGsやサステナビリティなど、
持続可能な範囲の中での成長を重視する。
共創の社会貢献を第一の目的とする組織である。

2022年02月18日(金曜日)

イオンリテール南関東カンパニー「店長塾」のマネジメント講義

今日は朝から、
イオンリテール㈱の、
南関東カンパニー本部へ。

イオンスタイル東神奈川の、
店舗の5階にある。

この店はもともと1978年の開業。
ニチイ東神奈川ショッピングデパート。

その後、東神奈川サティへ、
フォーマット転換。

さらにマイカル㈱が2011年、
イオンの子会社になって、
店舗もイオン東神奈川店と名称を変えた。

そして最後に2017年に、
イオンスタイル東神奈川となった。

大繁盛店だ。

ここには、
まいばすけっと㈱の本部もある。
イオンの小型スーパーマーケットだ。
今、絶好調。

月刊商人舎2014年11月号特集は、
「Express Store大研究」2014年11月号ExpressStore
Walmart Expressが登場した時だった。
このなかで「まいばすけっと」を取り上げた。

同社は2008年に多店舗化を開始。
雑誌発行時の2014年10月現在、
店舗数は527だった。

最新の商人舎2月号でも書いた。
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まいばすけっとは、
神奈川県に本部を置くスーパーマーケットでは、
第3位に躍進している。

第1位はオーケー㈱で、
2021年3月期決算は営業収益5090億円、
経常利益314億円。
売上高伸び率116.8%、経常利益率6.17%。
経常総経費率15.7%がすごい。

現在、店舗数144店。
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第2位は㈱ロピア。
2021年3月期売上高2068 億円、
売上高伸び率129.7%。

2020年から㈱関西ロピアを設立して、
関西に進出。
現在、63店舗。
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そして第3位がまいばすけっと。
年商は2006億円まで伸びてきた。

ウォルマートは、
エクスプレスストアで失敗した。
しかしイオンは、
まいばすけっとによって、
それを成功させている。

イオンリテール南関東カンパニーと、
まいばすけっと。
それぞれの本部。

私の現在の自宅は、
ここから車で5分のところにある。

ときどき買物に来る。

商人舎オフィスに出社するときには、
必ずこの東神奈川を車で抜ける。

その南関東カンパニー本部で、
第3回店長塾。

私は特別講師。

朝9時50分ごろから、
塾長の工藤一実さんが、
冒頭の挨拶。
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拙著『新店ドラ』を丁寧に読み込んで、
さらに丁寧に紹介してくれた。

「この本を読んでいると、
俺と同じじゃん、と思うところがある。
違うところもあるけれど」

これは故上田惇生先生が言い続けていたこと。
ドラッカーの分身と呼ばれた翻訳者。

「それぞれのドラッカー」

工藤塾長は身をもって、
そのことを証言してくれた。

10時10分ほど過ぎてから、
教育担当部長の越川泰江さんが、
講師紹介をしてくれて、
全員で、「礼」。
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今年の店長塾の塾生20名はリアル聴講。
それ以外にカンパニーの店長や、
さらに本部スタッフなど、
on-line受講生、多数。
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今年のテーマは、
「店長のためのマネジメント」
ヒューマンリソースとマーケティング。

8割くらいが戦略的人的資源管理。
私の言葉で言えば「人間力経営」。

もちろんドラッカーの考え方を、
ベースにしている。
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Prologueは、
「コロナは時間を早める」
1tannkoubonnhyousi

これは講義しないわけにはいかない。
100年前のスペイン風邪と、
セルフサービスの普及。
コロナ禍特需の膨張と成長。
トレードオンの考え方。
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それからマネジメント体系。
イオンの人々には、
全員に知覚してもらいたい。

だから熱が入る。
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ミッション・マネジメントと、
ストラテジック・マネジメント。
コレラが上位概念だ。

その上位概念によって、
会社の外に向けた活動が、
マーケティング・マネジメント。
会社の内に向けた活動が、
ヒューマンリソース・マネジメント。

理解してもらうために、
マネジメント理論の略史を紐解く。

そこからアンリ・ファヨールと、
ピーター・ドラッカーの対比が浮き上がる。

ファヨールのMTPの影響を、
日本の大企業やチェーンストアが、
深刻なほどに受けている。

その呪縛を取り払うのが、
私の役目だとさえ考えている。

2時間の講義は、
一気呵成。

最後にマーケティングのエッセンスを講義。

マーケティングに関しても、
フィリップ・コトラーは、
「マーケティング・マネジメント」と捉える。

だからマネジメントがベースにある。
会社の外に対応するのは、
会社の内の人間たちだ。

だからヒューマンリソースが重要となる。IMG_12742
ご清聴を感謝したい。

話したいことはまだまだある。
しかし時間の制約はある。

だから単行本を書いているし、
毎月、月刊商人舎を発刊している。

今日の聴講者もずいぶん、
読者となってくれている。

是非、熟読してもらいたい。

マーケティングはもとより、
マーチャンダイジングも、
プロモーションも、
オペレーションも、
フォーマット開発も、
マネジメントをベースにしている。

月刊商人舎はその考え方を貫徹している。

戦略的人的資源管理も、
戦略的人材教育も、
底辺に流れる考え方が、
ファヨールかドラッカーかで、
正反対となる。

ファヨールは指揮命令し、
調整、統制して、
「責任のありか」を追及する。

ドラッカーは、
コミュニケーションを図り、
動機づけして、
「責任の組織化」を求める。

マーケティングも、
マーチャンダイジングも、
プロモーションも、
オペレーションも、
デジタルトランスフォーメンションも、
正反対になる。

しかも責任の追及をしていては、
絶対に成果は上がらない。

店長塾最終講座の最後は、
浜口好博南関東カンパニー支社長。
イオンリテール取締役常務執行役員。
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私の講義を一緒に聴講して、
講義のストーリーを、
簡潔に、的確に整理。
店長塾の受講生に動機づけしてくれた。IMG_12772
浜口さんとも、
アメリカ研修をご一緒している。

イオンリテールの最重要エリアの支社長。
頑張ってほしいところだ。

なにしろ、私もこの南関東の住人なのだ。

ツーショットで写真。
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最後に事務局と写真。
工藤一実塾長と越川泰江教育担当部長。IMG_12852
今日もいい講義ができました。
準備から段取りまで、
それがなければ講義はできない。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2022年02月17日(木曜日)

スーパーマーケット・トレードショーのSDGsと弁当惣菜大賞

スーパーマーケット・トレードショー2022。

幕張メッセで16日から18日まで、
3日間の開催。

今日2日目にやってきた。
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出展者数1652社・団体、1976小間が揃った。
同時開催はデリカテッセン・トレードショー2022。
両者を合計すると、
1690社・団体、3197小間。

日本最大の食品展示会。

ただしオミクロン株感染症拡大で、
一部の出展者が辞退している。

それでも昨年より来場者は増えて、
初日は1万5000人をカウントした。

幕張メッセに着いて、
プレスの部屋にコートやバッグを預けて、
展示会場に降りて行く。

VIPコーナーで、
横山清実行委員長と、
しばらく懇談。
久しぶりなので、
横山さんの話が止まらない。

有益な懇談が続いた。

そこに堀内淳弘さんと 芹澤政満さん。
堀内さんはシジシージャパン 代表取締役、
CGCグループ代表。
芹澤さんは常務取締役。

4人で写真。
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安島浩さん。㈱マルト社長。
山本慎一郎さん。㈱カスミ社長。
左は安島大司さん。
㈱マルト商事生鮮本部取締役本部長。
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細川良範さんは今、フード・サポート代表。
フレッシュフード研究所時代から、
鮮魚の専門家として、
数えきれないくらいの原稿を書いていただいた。
そしてヤオコーのお二人。
神戸達也さんと反町裕さん。
神戸さんはロジスティックス推進部長、
反町さんは営業統括本部ヤオコーファーム担当部長。
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会場であったのが高倉照和さん。
スーパーサンシ㈱常務取締役、
NetMarket事業本部長。
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事業は絶好調。

今月の商人舎2月号特集は、
「ネットスーパー・エイジ」
高倉さんのことも書いた。
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プログレスデザインのブース。
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西川隆社長としばらく懇談。
そこにブルーチップ㈱の宮本洋一社長。
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そしてブルーチップのブース。
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ローリングストック商品の展示。
防災のための時短食品だ。
井上絢詠さんが説明してくれた。
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もう一つはハレの日メニューの予約アプリ。
アプリとメニューレシピを提供して、
地方スーパーマーケットをサポートする。
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ブルーチップはもう、
スタンプ会社ではない。

そこがいい。

一番大きなブースは、
いつも寺岡精工。
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寺岡和治会長と山本宏輔社長が、
揃って出迎えてくれた。
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今年の目玉は、
AIセルフサービススケール。IMG_09512

それからバルク販売のノウハウ。
SDGsはもっとも重要なテーマだ。
CSRは慈善事業だったが、
SDGsはビジネスだ。
だからすぐに取り組むべきだ。IMG_09522

寺岡会長自らデモンストレーション。
ありがたい。
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それからオカムラもDXの提案をしていた。IMG_09312

フルックスグループは、
「惣菜のわかる八百屋」を、
キャッチフレーズにしている。IMG_09322

会場の真ん中に、
お弁当・お惣菜大賞2022のブース。IMG_09342

応募総数4万1923件の作品の中から、
部門別に最優秀賞、優秀賞などが、
展示してある。

弁当部門。
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最優秀賞はロピアの「鯛めし」IMG_09362

これで599円は享楽円商品で、
コストパフォーマンスが高い。IMG_09352

惣菜部門。
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最優秀賞は、
カニクリームコロッケ。
新日本スーパーマーケット同盟の商品。
アークス、バロー、リテールパートナーズ。IMG_0944

麺部門。
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成城石井の鶏だしうどん。
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パン部門。
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マルトの「ズバサン海老アボカド」IMG_09402

寿司部門。
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こちらもマルト。
「本鮪尽くし」。
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マルトは2作品で最優秀賞。

そしてスイーツ部門。
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ロピアのバスクチーズケーキ。
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ロピアも2部門制覇。

今年のお弁当・お惣菜大賞は、
マルトとロピアということになる。

夕方、会場を後にした。
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ドイツ・ケルンのアヌーガ、
フランス・パリのシアル。

世界二大食品メッセに、
追いつき追い越せ。

そう願って、幕張をあとにした。

〈結城義晴〉

2022年02月16日(水曜日)

カスミ「BLANDE」研究学園店プレオープンと「不可逆性の原理」

朝から㈱True Dataの取締役会。

マザーズに株式上場してから、
役員会を頻繁に開催する。

確認すること、
承認すること。
それが極めて多くなる。

会社がどんどん動いている。
生まれたばかりの赤ん坊が、
見る見る成長していくように。

株式公開はそのあとが大事だ。
上場してからの成長。

役員、執行役員、社員。
一丸となってそれを目指す。

私がいつも強調するのは、
半ば公的な存在となること。

「パブリック」という言葉をよく使う。

True Dataは、
流通産業と消費産業のなかで、
そんな公的な機能を果たすことができる。

だからこそ、これからだ。

今日は、その役員会の最中に、
カスミBLANDE研究学園店のプレオープン。

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食に特化した新フォーマット「BLANDE研究学園店」2/17開設IMG_11992

その朝礼。
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Food Specialty Storeとして、
食に特化した新フォーマットだ。
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フォーマットは、
「業態」が分化した独自の店舗スタイル。
これは田村正紀神戸大学名誉教授の考え方。

たとえばウォルマートの主力業態は、
欧米の学会用語の「ハイパーマーケット」だ。

サム・ウォルトン存命の1987年、
そのハイパーマーケットに挑戦して、
「ハイパーマートUSA」を実験した。
フランスのカルフールを模倣したフォーマットだ。

そして翌1988年に大幅な修正を加えて、
「スーパーセンター」というバナーをつけて、
強力なフォーマットを開発した。

それが主力のフォーマットとなった。

その後、
ターゲットは「スーパーターゲット」を、
Kマートは「スーパーKマート」を、
それぞれにつくった。

だから「スーパーセンター」という「業態」は、
厳密に言えば存在しない。

カスミはスーパーマーケットの業態から、
「BLANDE」というフォーマットをつくって、
今、2店舗を展開する。

レギュラーのカスミとも、
フードスクエアとも、
FOOD OFFストッカーとも異なる。

カスミはマルチフォーマット戦略を採用する。

本格的な飲食スペース「Cafe & Dine」を併設。
IMG_08822
期待の持てるフォーマットだ。

ショートタイムショッピングも必要。
しかしロングタイムショッピングを、
提供する店があっていい。

とても難しいだろうけれど。

さて今日は午後、
スーパーマーケットトレードショーに行く予定だった。
幕張メッセで3日間の開催。

しかし急遽、
社内で突発的なことが起こって、
それを中止した。

明日、行くことになった。

夕方から東京の恵比寿。
駅を降りて歩いていたら、
おもしろいものを見つけた。
IMG_09092

近づくとマネキン。
IMG_09072

遠くから見ると人が座っているみたいだ。IMG_09082

恵比寿の焼き肉レストラン。
㈱ロピア代表取締役の高木勇輔さんと、
久しぶりの食事。
IMG_12132
優れものの焼肉と、
上質のワインを堪能。

近況や事業展開のことを、
ずいぶん話し込んだ。

焼き肉を散々食べて、
最後の締めはサンドイッチ。IMG_12142

これは絶品。
IMG_12182
ロピアは株式を公開していないし、
当面、する意志はない。

それでいい。

しかし上場企業と同じくらいの、
成長のスピードをもっている。

毎年15%ずつ伸びれば、
5年で2倍に成長する。

毎年20%ならば4年で2倍を超え、
9年で5倍になる。

毎年30%ならば3年で2倍を突破し、
9年で10倍となる。

「ムーアの法則」のように、
毎年2倍の成長をすれば、
10年で1024倍となる。

そんなことは口にしないが、
高木さんと話していて、
私は勝手に想像していた。

さて、日経新聞「真相深層」
編集委員の田中陽さんが書いている。
「大衆百貨店、運命の落日」

セブン&アイ・ホールディングスが、
2006年に2000億円超で買収した百貨店。
当時はミレニアムリテイリングと称したが、
いま、そごう・西武。

セブン&アイが売却する。

その理由を構造的に解明する。
的確な分析だ。

詳細は日経新聞を読んでいただきたいが、
タイトルもいいし、
最後の言葉もいい。

「そごう・西武の売却へと至る決断時期を
コロナが早めたに違いない」

ありがとう。同感だ。

「百貨店やスーパーの業界では、
こんなジンクスがある」

「いちど日本一から転がり落ちた企業は、
二度と返り咲くことがない」

その通り。

これを「不可逆性」という。

日本一になること自体、
たいへんな偉業だが、
それを維持するのもすごいことだ。

世界一の小売業は、
長らくシアーズ・ローバックだった。

そのあとは1990年から、
ウォルマート。

そしてもうすぐアマゾンとなる。

シアーズは2018年10月15日、
連邦破産法11条を適用申請した。
〈その2018年10月16日の朝のシアーズ〉
??????????
ウォルマートはどうなっていくのだろうか。

[Message of February]
AがWを超えるごとく!

確かに時代は変わる。
コロナが時代を変える。
WからX、Y、Zと進んで、
再びAへと戻る。

AはZまでをも包含すると、
嘯(うそぶ)く。

アマゾン・コムは22%伸びて年商47兆円。
ウォルマートは56兆円から4%伸びるか。
このまま何もなければ来年度中に、
アマゾンがウォルマートを抜き去る。

その原動力は、
インターネットにある。
だからAは店舗をもたない。
商圏の制限もない。

品揃えも在庫も、
店舗への搬送も、
店舗での人員も、
必要としない。

だからAは、
Zまでも包含すると嘯く。

ネットスーパー・エイジが始まる。
コロナ禍の閉塞された生活が、
時代の歯車をギシリと回した。
そしてここに不可逆性の原理が横たわる。

しかし新しい地平においても、
店舗の優位性が減じることはないだろう。
店舗の存在価値がさらに問われるだけである。
そのポジショニングが練磨されるだけである。

そして磨かれた店々はますます輝く。
だからこそ店と売場を変えよう。
人を育てよう。
組織をつくりかえよう。

AがWを超えるときに、
AにもWにもできない店をつくろう。

 〈結城義晴〉

2022年02月15日(火曜日)

セブン-イレブンの3・1組織変更に[勝手に]物申す

願はくは花の下にて春死なん
そのきさらぎの望月(もちづき)の頃
〈『西行全歌集』より〉

きさらぎは2月。
望月は満月、陰暦十五夜の月。

「きさらぎの望月の頃」は、
旧暦だが2月15日の満月の夜のこと。

今日はその2月15日。

西行法師は、
平安時代末期から鎌倉時代初期の人。
北面の武士・佐藤義清(のりきよ)が、
23歳のときに無情を感じて出家した。

西行と号して歌を詠む僧となった。
西行
この歌の通りに、
2月の満月の頃に没した。

あくまでも旧暦のことだが、
2月15日にはそんなことを思う。

鎌倉幕府が成立した1192年のころ、
日本の人口は757万人だった。

それから800年以上も経過して、
COVID-19パンデミック。

その新型コロナウイルス感染者は、
累計すると400万人を超えた。
日本の人口確定値は、
昨2021年8月1日段階で、
1億2563万人だから、
31.4人に一人。

しかし西行の生きたころの人口に比べると、
2人に一人以上が感染したことになる。

もちろん31.4人に一人と計算すれば、
鎌倉初期の感染者は25万人程度だろうが。

現在の日本の死亡者数は2万520人。

今日の死亡は新たに236人。
200人を超えたのは、
昨2021年5月18日の228人以来。
過去最多。

ああ。

西行ならずとも、
無情を感じざるを得ない。

今日は横浜商人舎オフィス。
講演のレジュメづくりをした。

午後2時ごろ東京へ。
東京駅丸の内北口。
IMG_08922

東京の玄関。
IMG_09002

東京駅。
IMG_09012

丸の内中央口は、
エントランスになっている。IMG_09022

皇居側を臨むと、
左の丸ビルと右の新丸ビル。IMG_08982

ゆっくりと歩いて、
大手町プレイスウェストタワー。IMG_08962
地下1階の大手町プレイス内科。
検査と田嶼尚子先生の診断。

ヘモグロビンA1cは65。
「高齢者になると、
65くらいが理想です」

先生からお墨付きをもらった。

今朝の体重は60.55キロ、
内臓脂肪率は16.2。

痛風の尿酸値の数値も3.7で、
尿酸値を下げる薬は止めることになった。

無情を感じつつ、
科学的検査は受ける。

これがトレードオンの生き方だ。

さて今日の商人舎流通スーパーニュース。
セブンーイレブンnews|
3/1付組織変更/販促部をマーケティング部に改称

㈱セブン-イレブン・ジャパン、
3月1日付で組織変更。

小さすぎて見えないかもしれないが、
これまでの組織図。
セブン-イレブン組織図

商品本部は大幅な変更だ。
現在の商品本部は8つの部に分かれている。

⑴デイリー部
⑵FF・惣菜部
⑶加工食品・雑貨部
⑷MDサポート部
⑸地区MD統括部
⑹ラストワンマイルMD部
⑺デジタルサービスMD部
⑻販売促進部
セブン-イレブン阻止k

まず商品をハンドリングする部は、
3つあったが、それを2つに統合する。

「FF・惣菜部」を廃止して、
「デリカテッセン(課)」と「FF・冷凍食品(課)」を、
「デイリー部」に統合する。
(注)「課」は私がわかりやすくするために、
勝手につけた。

デイリー部には、
巨大な権限が集中することになる。

「ラストワンマイルMD部」を廃止して、
「ラストワンマイル(課)」として、
加工食品・雑貨部に統合する。

商品本部直下の「グローバルサポート」を、
加工食品・雑貨部に統合する。

加工食品・雑貨部も大きくなる。
この加工食品・雑貨は、
アメリカなどではグロサリーと総称する。

だから結局、
デイリー部とグロサリー部となる。

さらに「販売促進部」を名称変更して、
「マーケティング部」に変える。

現在のMDサポート部配下にある、
「マーケティング(課)」を、
「マーケティング部」に統合する。

これは一つのトレンドだろう。

ただし、
マーケティングの「4P」から考えると、
ちょっと違和感がないわけではない。

1.Product(製品)
2.Price(価格)
3.Place(流通)
4.Promotion(販売促進)

全体を称してマーケティングという。

セブン-イレブンの新組織の⑻に、
マーケティング部を入れると、
話がおかしくなる。

だから「商品本部」そのものを、
「マーケティング本部」にするのが、
コトラー先生流ということになる。

それでも販売促進部で、
マーケティングを本業にしようという意図は、
とてもいいだろう。

一方、企画本部は、
管理本部の傘下にあって、
4つに分かれている。

⑴経営管理部
⑵経営企画部
⑶イノベーション開発部
⑷ラストワンマイル推進部
sebun sosiki

「ラストワンマイル推進部」なんて、
おもしろくて大胆な名称だ。

しかし今回、
⑶のイノベーション開発部を、
⑵の経営企画部に統合する。

イノベーションが開発されなかったのか、
開発しつくしたのか。

ドラッカーは、
マーケティングとイノベーションを、
二つの基本機能と言う。
そしてこの二つこそが、
成果を生み出すと強調する。

イノベーション開発を、
経営企画部に統合するのは、
何とも惜しい。

販売促進部をマーケティング部に変え、
イノベーションを経営企画に統合する。

私にはちょっと違和感がある。
まあ、結城義晴の勝手な推論。
善意に基づいているから、
誤解なきよう。

しかし組織とそこで使われる言葉は、
意外に大事なんだョ。

〈結城義晴〉

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