Everybody! Good Monday!
[2022vol⑩]
2022年第10週。
3月の第2週。
一月、往ぬる。
二月、逃げる。
三月、去る。
今年に入ってからは、
新型コロナのオミクロン株に振り回され、
種々問題はあったものの、
北京の冬季五輪に感動を与えられ、
さらにまたウクライナ危機。
時間が早くなるのも納得できる。
そのウクライナが長期戦になりそうだ。
アメリカなどが亡命政府の案を言い出した。
自由フランス政府の発想だ。
第二次世界大戦の1940年6月、
ナチスドイツはフランス・パリに無血入城。
ポール・レノー内閣は総辞職した。
その後、ロンドンに亡命政府が樹立され、
シャルル・ドゴールが首班となって、
闘いは継続することになった。
国土の約3分の1が占領され、
南仏にはナチス傀儡のヴィシー政権が誕生。
ドゴールはイギリスから徹底抗戦を唱えた。
ジョー・バイデン米国大統領は、
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領に、
ドゴールになれ、というのだろう。
それをゼレンスキーが受けるか。
一方、日本政府は日曜日の6日に、
福岡など13県に対して、
「まん延防止等重点措置」の適用を解除した。
しかし東京、大阪など18都道府県は、
21日まで再度延期する。
これで東京などは2カ月に及ぶ。
北から北海道・青森、
茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川、
石川・岐阜・静岡・愛知、
京都・大阪・兵庫、
そして香川、熊本。
もう国民も慣れてしまって、
まん防に効果があるのかどうか、
よくわからない。
今日は午前中に来客。
6月からある企業の研修をする。
その打ち合わせ。
若手の継続的な学習は必須だ。
仕事をして、それから学習する。
学習してから、仕事する。
スポーツ選手は、
練習してから、試合する。
試合してから練習する。
そしてまた試合する。
試合は練習のように、
練習は試合のように。
昔、子どもたちを指導している時、
私は口癖のように言い続けた。
スーパーマーケットの若手に向けて、
それを実践する。
その後、月刊商人舎3月号の最後の原稿書き。
疲れ切っても、手を抜かず書いた。
校正し、責了した。
今月も紙の発行は遅れた。
申し訳ない。
網のページは予定通り公開する。
その[Message of March]
常住坐臥、
世のため、人のため。
佐賀鍋島藩の「葉隠」は、
「死ぬことと見つけたり」と説く。
藩内の武士に常住坐臥(じょうじゅうざが)、
死と隣り合わせに生きることを教えた。
ウクライナの男たちはいま、
葉隠の境地にあると思う。
その葉隠伝承者の山本常朝は言う。
「我も人、生くることが好きなり」
死と隣り合わせで生をまっとうする。
死の中に貪欲に生を見出す。
鍋島の侍たちは藩のため、主君のため。
ウクライナの闘士たちは国のため、主権のため。
コロナ禍の断絶の淵にある商人は、
「売らぬことと見つけたり」である。
常朝の言に従えば、
「売ることが好きなり」でもある。
創業のころのイトーヨーカ堂。
伊藤雅俊は母から教えられた。
「お客さまは来てくださらないもの」
だから売ることよりも信頼と誠実を大切にした。
ピーター・ドラッカーは言う。
「マーケティングの理想は、
販売を不要にすることである」
無理に売ろうとしないことだ。
「マーケティングが目指すものは、
顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、
おのずから売れるようにすることである」
売れる仕組みをつくることだ。
売るための仕掛けそのものが、
プロモーションならば、
顧客を知り、静かに働きかけるのが、
マーケティングである。
コロナ禍でDXが進捗するとき、
プロモーションからマーケティングへと、
売るための考え方は包括的に変容し、
むしろ原点へと回帰する。
鍋島の侍たちは藩のため、主君のため、
ウクライナの闘士たちは国のため、主権のため。
商人は顧客のため、社会のため。
常住坐臥で世のため、人のため。
〈結城義晴〉
「世のため、人のため。」
それを押し付けるつもりはない。
強制するつもりはさらさらない。
これは精神論ではない。
根本の考え方であるし、
私はそれに心から賛同している。
だからお薦めしている。
鍋島藩の「葉隠」も、
今の時代に合うはずがない。
ただし、あの時代の武士が、
死を背負って生きていたとしたら、
現代のビジネスマンは、
懐に辞表をもって仕事にあたることだ。
それくらいの覚悟がいる。
そのほうが幸せだ。
私も前職の頃、
いつ辞めてもいいと思っていた。
だが会社は絶対に私を辞めさせない、
そんな人間になろうと考えていた。
だから言いたいことを言い、
やりたいことをやった。
ただし実績は必ず上げた。
今月のMessageは、
特殊なものになった。
お許しいただきたい。
ウクライナの闘士たちが、
これを書かせたのかもしれない。
では、みなさん、
今週も、世のため、人のため。
Good Monday!
〈結城義晴〉