名門浜野ゴルフ倶楽部。
井上誠一氏の設計。
1908年(明治41年)生まれ。
1930年に川奈ホテルゴルフクラブで、
チャールズ・アリソンの通訳兼助手を務め、
ゴルフコース設計家を志す。
設計したゴルフ場は38コース。
すべて優れてコンセプチュアルだ。
建築設計にもコンセプトが重要だと思うが、
店舗や本社、センターなどの施設にも、
それは重要な意味を持つ。
ヤオコー本社のサポートセンターは、
伊東豊雄さんの設計だし、
ロック・フィールドの静岡ファクトリーは、
安藤忠雄さんの設計だ。
井上誠一設計のゴルフコースは、
霞ヶ関カンツリー倶楽部西コースをはじめ、
戸塚カントリー倶楽部西コース、
茨木カンツリー倶楽部西コース、
葛城ゴルフ俱楽部などなど、
ほんとうにいいコースばかりだ。
何と言うか、物語がある。
私の家の近くには、
川崎国際生田緑地ゴルフ場がある。
浜野ゴルフ倶楽部は1984年開場。
井上誠一が設計し、
1981年に亡くなった後にオープンした。
この会場で、
浜野カップが開催され、
参加した。
主催者は原田俊美さん。
「東日本縦断トコトコ歩き旅」で著名。
千葉県浦安市から青森県おいらせ町まで、
約800キロを2カ月で歩き切った。
印刷会社を経営していた原田さんとは、
商業界の時代に出会って、
長い付き合いをしている。
この浜野カップは毎年、
原田さんの誕生日に開催されて、
今回で9回目。
10組40人が参加して、
新ぺリア方式でコンペをした。
浜野は基本的にカートを使わない。
歩き切る。
私は2万2800歩で、
ゴルフも手堅くまとまった。
ウォルマートの店長は、
7000坪のスーパーセンターを、
1日、2万歩で歩き回る。
優勝は宮本洋一さん。
ご存知、ブルーチップ㈱社長。
私たちの令和名人会でも、
いつも優勝しているゴルフの達人。
私も同じパーティでラウンドして、
優勝には少し貢献したか。
主催者の原田さんと肩を組んで、
嬉しそうだ。
ウクライナでは11歳の少年が、
原発の街ザポリージャからたった1人で、
1000キロも離れたスロバキアに避難した。
この場合は戦禍の中、
列車を乗り継いでの移動だ。
原田さんは、
トコトコ歩きを二度やっている。
二度目は海岸線約1200キロを、
63日間で完歩。
マラソンや50キロ競歩なども、
ゴルフのラウンドも、
歩くことは考えることにつながる。
いいことだ。
さて、
商人舎流通スーパーニュース。
上段に[CSR]というボタンがある。
企業の社会的責任、
Corporate Social Responsibility。
企業は利益追求や法令遵守だけでなく、
あらゆるステークホルダーの多様な要求に、
適切な対応をとる社会的な義務がある。
国際標準化機構ISOが2011年11月、
理事会決議をし、
「国際規格ISO26000」を発効させた。
この規格には中核主題が7つ掲げられている。
⑴企業統治
⑵人権
⑶労働慣行
⑷環境
⑸公正な事業慣行
⑹消費者に関する課題
⑺コミュニティおよび開発
ただし「CSR」とくくっているが、
SDGsも包含されている。
3月25日と24日、
2日間の商人舎ニュースで、
それを拾うと10件上がっている。
イケアnews|
千葉県船橋市と包括連携協定/サスティナビリティ推進
ヨークベニマルnews|
期間限定でPB牛乳10円値下げ/春休みの牛乳消費喚起
イオンnews|
「イオン ウクライナ子ども救援募金」4月30日まで延長
イトーヨーカ堂news|
「認知症サポーターキャラバン令和3年度」で特別賞
ウエルシアnews|
キリングループと「ボトル to ボトル」の実証実験を開始
サミットnews|
ペットボトル自動回収機を設置/世田谷区13店舗から順次拡大
イトーヨーカ堂news|
カトラリー・割り箸の素材や包材を4/1から切り替え
コープデリnews|
「産直」の取り組みで「関東農政局長賞」を受賞
MrMax news|
福岡県内「はじめてばこキャンペーン」へPBおしりふき協賛
アクシアルnews|
ウクライナ難民支援のため、UNHCRへ1000万円寄付
誇らしいニュースだ。
月刊商人舎新年1月号は、
特集・2022確信的予言。
この特集の中の私の予言。
[予言3]コーポレーションの変容
「会社二階建て構造」によって
M&AとSDGsを考察する
「コーポレーションに関する予言の第2は、
会社の社会的責任(CSR)が
さらに重くなることだ」
「社会からの信頼を得ることで、
企業はゴーイングコンサーンの
成長を果たすことができるし、
結果的に社会の持続性向上に貢献する」
「しかし『企業は誰のものか』において、
岩井教授は断じている」
「CSRはお得ではなく、
大損なのです」
「一方、SDGsは2015年に、
国連で採択された
“持続可能な開発目標”である」
「2022年はこのSDGsにこそ、
焦点が当てられる」
なぜならSDGsは、
「ビジネスを用いて社会を良くしよう」
という考え方だからである。
マイケル・ポーター教授は1995年に、
「環境規制は戦略ポジションを強化する」を、
発表している。
ポーターはこの仮説の中で、
「環境と経済の両立」を論じている。
SDGsにつながる論説である。
驚かされることだが、
「厳しい環境規制が技術革新を促進する」と、
通説的見解に正面から異議を唱える仮説を
唱えている。
コロナ禍とウクライナ戦争によって、
中断あるいは停滞したCSRとSDGs問題も、
それから脱するときには、
企業経営の中心課題となるに違いない。
2万歩を歩きながら、
そんなことを考えた。
〈結城義晴〉