名人会。
平成元年に始まったゴルフの会。
基本的に4人のメンバーで、
毎月、研鑽する。
平成が令和に変わって、
「令和名人会」と名称を変えた。
それでも33年間が経過して、
34年目に入った。
私はどんなことでも、
結構、辛抱強く続ける。
その拡大令和名人会。
4人のメンバー以外の人々に声をかけて、
拡大版で開催される。
今日は名門・多摩カントリークラブ。
東京都稲城市の丘陵コース。
桜は満開。
天気は快晴。
9番ホールからは東京都心が見える。
グリーンの練習場ネットの左に、
東京スカイツリー。
右には東京タワー。
8番ホールは桜の名所。
もう散り始めて、
花びらがティーグランドに散らばる。
第1組の面々。
左から宮本洋一さん、亀谷しづえさん、
そして土井弘さん。
その亀谷プロ。
私たちの第2組。
新谷千里さんと平野一郎さん。
ラウンドが終わって、表彰式。
今回もまた宮本プロが優勝。
ちなみに私が準優勝。
何十度目かのスイング改造中だが、
最後の方でそれが少しだけ実り始めた。
全員がスピーチをして、
次の拡大名人会を約した。
アイザック・ニュートン。
「世間の人びとの目に、
私という人間がどう映るかはわからない」
「しかし、私自身には、
目の前に真理の大海が、
未知のまま広がっているというのに、
私ときたらただ浜辺で遊び戯れ、
時おり普通のものよりも滑かな小石や、
きれいな貝殻を見つけては喜ぶ
子供のようなものだった、
としか思えない」
(デイヴィッド・ブルースター『ニュートン伝』より)
ご存知、ニュートンは、
イギリスの物理学者・天文学者・数学者。
万有引力の原理を使って、
力学体系を構築した。
微積分法を発明したのも、
このニュートンだ。
ブルースターはスコットランドの科学者。
「ブルースターの法則」などを発見したが、
ニュートンの伝記も書いた。
ニュートンはあくまで謙虚だ。
真理の大海は未知のまま目の前に広がる。
その大海に入っていくこともなく、
浜辺の小石や貝殻を見つけて喜んでいる、
と自分を表現する。
万有引力の法則や、
微分積分を見つけたニュートンが、
それを述懐する。
しかししかし、それでもいい。
ある著書を数ページ読んだだけで、
その内容を見切ったと勘違いして、
読むのをやめてしまうといった、
浅はかさは持ち合わせていなかった。
仕事においてはもちろん、
たとえゴルフにおいても。
大海に入ることもできず、
浜辺で極ごく微細な真理を、
見つけるだけでもいい。
ほんの少しでも真理に近づきたい。
その心意気を、
私は失いたくはない。
〈結城義晴〉