結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年04月23日(土曜日)

土曜日の1日、商人舎流通SuperNewsを活用して店クリ。

東急東横線のSDGs Trainに乗って。IMG_25352

中目黒から恵比寿へ。
セントラルスクエアの告知が、
恵比寿駅に出ている。IMG_25462

その恵比寿ガーデンプレイス。IMG_25372

土曜日の朝のひととき。IMG_25392

白いつつじも満開。IMG_25402

ロウリーズも出店している。
米国発ローストビーフレストラン。IMG_25412

商人舎流通スーパーニュース。
恵比寿ガーデンプレイスnews|
地下2階「フーディーズガーデン」盛況オープン

そのフーディーズガーデン。
明治屋ストアーが見える。IMG_25442

そしてライフコーポレーションの店。
セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店。
略称YGP。IMG_25452

ライフnews|
「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」4/15オープン

先週、岩崎高治社長にインタビューしたが、
週末の店を見ておきたかった。
上々の出来栄えで安心した。

重要な店はウィークデーにも見るし、
ウィークエンドにも訪れる。

夕方にも見るし、
午前中もウォッチする。

そして顧客の表情や買い方を見る。

収穫は大きかった。

恵比寿から渋谷へ。

渋谷のJRから井の頭線への連絡通路に、
長さ30m、高さ5.5mの巨大な壁画。
故岡本太郎作「明日の神話」。
1970年ごろの作品。
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その渋谷駅は人、人、人。
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有名な渋谷交差点。IMG_25482

井の頭線で下北沢へ。

駅前でフリーマーケットが開かれていた。
都会のウィークエンド風景だ。IMG_25542

その駅前にオオゼキ下北沢店。IMG_25512

大繁盛で、いい商売をしている。
つまり、安くはないが、それでも売れる。
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駅の反対側にダイエー下北沢店。IMG_25552

そして小田急線専用の改札口。IMG_25672

この改札口前に、
新しいショッピングゾーンができている。
今年1月20日開業のtefu lounge(テフラウンジ)。
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核店舗がビオラル。
ライフコーポレーションの新フォーマット。IMG_25642
オーガニックスーパーマーケットで、
その単独店の最新形。

ライフnews|
首都圏ビオラル2号店「ビオラル下北沢駅前店」2/26開設

右でオーガニックカフェを提供し、
左で小売りする。IMG_25662
まだ顧客はついていないが、
少しずつ認知されていくだろう。

下北沢をあとに、
京王線で経堂まで出る。

駅前にOdakyu OX経堂店があって、
同社の旗艦店舗だ。

さらに、
ライフnews|
食品売場拡げてライフ経堂店(東京・3層1823坪)2/23刷新
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サミットの新店を迎え撃つリニューアル。

そのサミットストア世田谷船橋店。
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サミットnews|
4/6新店「サミットストア世田谷船橋店」/GO GREENを体現IMG_25732
現時点のサミットの最高レベルの店だ。

中2階にサミカフェがあって、
イートインができる。
そして店内を見下ろすことが出来る。IMG_25812
米国ウェグマンズが得意とするパターンで、
ホールフーズも多用する。
日本ではカスミのBLANDE研究学園店が、
この方式を採用して成功を収めている。

もちろんサミットストア世田谷船橋店も、
とてもいい感じで取り入れている。
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そして「GO GREEN」チャレンジ宣言。IMG_25862
サミットは必ず新しい挑戦をして、
それが成長に結びついている。

千歳船橋駅に出て、
それから吉祥寺へ。IMG_26182

駅前に喫茶室ルノアール。
タバコの臭いが充満しているが、
それでも満員御礼で、
待たねば入れない。IMG_26162
時代と逆行する店だが、
大都市ではそれもサバイバルの手段となる。

そして「文化ストアー」IMG_26132
時代に取り残されたものが、
「レトロ」として評価される。

その吉祥寺駅前から人の列が続く。
向こうに〇1〇1が見える。IMG_26192

そう、丸井吉祥寺店。IMG_25882
土曜日の人出は多いが、
丸井吉祥寺店は全26店中19番目。
昨年度の売上げは41億7700万円で、
前年比83.0%。
売場は1万1950㎡もある。

そこで1階にビオラルを入れた。IMG_25892

ライフnews|
12/19オーガニック型「ビオラル丸井吉祥寺店」首都圏初出店

これが大繁盛。
狭い店だが20人ほどの顧客が、
レジ待ちして行列を作っている。IMG_26102
日本のスーパーマーケットで、
本格的にオーガニックに挑戦しているのは、
このライフのビオラルと、
イオンのビオセボン。

むしろ2社しかないのは、
淋しい限りだ。

月刊商人舎5月号で、
そのあたりも指摘しよう。

それにしても、
商人舎流通スーパーニュースを使って、
土曜日の1日、店舗クリニックした。

大いに楽しかった。
またやろう! ヤマモト君。

〈結城義晴〉

2022年04月22日(金曜日)

日本初のスーパーマーケットはどこか? 意外な答えです。

毎日新聞巻頭コラム「余禄」

「日本初のスーパーマーケットはどこか」

うれしいねぇ。
「余禄」で日本のスーパーマーケットの起源を、
論じてくれる。

「時期は東京・青山の紀ノ国屋が最も早い。
1953年にセルフサービス方式を採用している」

一般にはそう言われることが多い。

ただし、丸和フードセンター第1号説もある。
現在の北九州市小倉北区に、
1956年に誕生。

創業者は伝説の吉田日出男。

紀ノ国屋に比べれば、
比較的大型店で、
しかも安売りを旗印にしていた。

世界初のスーパーマーケットは、
米国のキングカレンで、
1930年に登場した。

カレンはクローガーの社員だったが、
トップマネジメントに新フォーマットの提案をした。

それまでのグロサリーストアを、
倉庫型の大型店に変えて、
ディスカウントを武器にする店をつくる。

その上申が拒否されて、
カレンは自分で事業を始めた。

それがキングカレンである。
セルフサービスのグロサリーストアが、
スーパーマーケットに変わった。

その意味では日本の第1号は、
丸和フードセンターであろう。

紀ノ国屋は、
セルフサービス1号店と考えてもいい。

そのセルフサービスは、
1916年のピグリーウィグリーが世界最初だ。
クラレンス・サンダースが発明した。

吉田日出男は、
「主婦の店」を象徴的な店名にして、
「主婦の店」運動の中心人物となっていった。

主婦の店多治見は現在のバローだ。
主婦の店秩父はベルクである。
徳島主婦の店はキョーエイであるし、
淡路主婦の店はリベラルだ。
主婦の店大船渡店はマイヤであるし、
潮来主婦の店はセイミヤだ。

ダイエー創業者の中内功も、
大阪千林の1号店に
「主婦の店ダイエー薬局」と名づけたが、
吉田日出男の主婦の店とは関係なかった。

勝手に主婦の店を名乗った。

しかししかし、
日本列島に最初に登場した、
本格的なスーパーマーケットは、
米軍立川基地の中にあった。
紀ノ国屋よりも先にオープンした。

顧客は米軍の幹部や兵士。
それを㈱商業界の先生方が見に行った。
故渥美俊一先生は加わっていなかった。

故倉本初夫二代目主幹から、
一度だけ聞いたことがある。

もっと丁寧に聞いておけばよかった。

なるほどGHQの職員や兵士たちが、
家族とともに毎日の生活を維持するには、
スーパーマーケットが不可欠だ。

だから全国の米軍基地には、
ミニスーパーがあったに違いない。

現在も「エクスチェンジ」と呼ばれる、
チェーンストアがあって、
世界に3100店を展開している。

正式名称は、
「army air force exchange store」である。

「余禄」はその吉田日出男が戦時中、
強制撤去された市場の復興に尽力し、
入り口に店舗を構えたことを報告する。

その「旦過(たんが)市場」が、
4月19日に火事に遭った。

残念なことだ。

さて今日は、
商人舎オフィスに来客。
ユースキン製薬㈱のお二人。

代表取締役社長の野渡和義さんと、
企画部部長の野渡毅之さん。IMG_2528 (002)2
私は横浜の中高一貫教育の私立学校に通った。
その器械体操部の3年先輩が野渡さんだった。

中学1年で入部して、
高校生と一緒に練習した。

野渡さんは私の一番のあこがれの先輩だった。
いつも見上げるようにしていた。

2012年、
サッポロドラッグストアーの講演会で、
44年ぶりに再開して、
それ以来、交流が続いている。

貴之さんはそのご長男で、
ユースキン製薬の将来を担う。

このブログデビューです。
よろしくお願いします。

新型コロナウイルス感染拡大で、
人々は頻繁に手洗いをするようになった。

手洗い、マスク、ディスタンス。

そこで手が荒れる。

ユースキン製薬の業績も、
順調だという。

最後に私の本をプレゼントした。IMG_25322

夜、家に帰る時に、
いつも長光山妙蓮寺の前を通る。IMG_2525 (002)2

その門の前に毎月、
住職の言葉が掲げられる。IMG_2523 (002)2
よわねをはくな
くよくよするな
なきごというな
うしろをむくな

ウクライナの人々も、
いま、こんな気持ちなのだろうか。

しかし私は思う。

よわねをはいてもいいよ、
くよくよしてもいいよ。
なきごといってもいいよ、
でもうしろをむいてはいけないよ。

よわねをはいても、
くよくよしても、
なきごといっても、
まえをむいていこう。

〈結城義晴〉

2022年04月21日(木曜日)

プーチンの「アゾフスタリ宣言」と3月の業態別営業統計

日本電産の永守重信会長がCEOに復帰する。
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日産自動車からスカウトした関潤社長は、
CEOを外れてCOOに。

2020年4月1日、
永守さんは述懐した。
「集団指導体制への移行は、
創業以来最大の間違いだった!」

「(集団指導体制は)呼び名はいいが、
強いリーダーがいないとだめ。
5、6人で決めていたのではだめだ」

そこで日産のナンバー3の関さんをスカウトして、
COO兼社長にした。
さらに昨21年6月、関社長はCEOに就任。

しかしそれでもコロナ禍とウクライナ戦争。
永守会長による経営指導体制で、
「スピード感のある経営」を取り戻す。

その永守信条は、
すぐやる、
必ずやる、
できるまでやる。

同時に日本電産は社名を変える。
「ニデック」(NIDEC CORPORATION)

あんまりいい社名とは思えないが、
グローバル企業としてイメージ刷新。

「コロナは時間を早める」と言い続けているが、
最速の意思決定や迅速な行動変容は、
ほんとうに難しいということだ。

永守重信、77歳。

もう、後継者はいないかもしれない。

さて、
ロシアの「マリウポリ制圧宣言」。
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プーチンとショイグが、
ファミレスの席に向かい合うようにして、
報告を受け、指示を受けた。
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ポール・セザンヌの絵を思い出した。
「カード遊びをする男たち」
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ウラジーミル・プーチンは大統領、69歳。
セルゲイ・ショイグは国防相、66歳。

ショイグの報告では、
アゾフスタリ製鉄所には、
まだ2000人以上の兵士が中にいる。
作戦は「3~4日で完了する」

しかしプーチンは、
マリウポリ制圧の成功を祝福しつつ、
アゾフスタリへの攻撃を止め、
「ハエも通れぬ封鎖」を命じた。

テレビでは二人のやり取りを、
同時通訳でずっと流した。

結局、アゾフスタリを、
陥落させることはできなかった。

プーチンの失敗。

それを出来損ないの小芝居で、
国内と世界に露出した。

こんなに重要なことを、
小さな正方形のメモをめくりながら、
延々と報告するショイグ。

右手でテーブルの端を握りながら、
身体の揺れを抑えるように、
内外に嘘を重ねるプーチン。

まだまだウクライナでの闘いは終わらない。

これからウクライナの平原を舞台に、
正念場の「戦争」が起こるのだろう。
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それでもロシアの行き詰まりは見えた気がした。

プーチンにも、
その意志を継ぐ後継者はいない。

ロシアはどうなるのだろうか。
ケインズの「平和の経済的帰結」も、
視野に入ったのかもしれない。
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さて、商人舎流通スーパーニュース。
29本のニュースが並んだ。

そのなかで3月の統計。

3月チェーンストア統計|
総販売額1兆1123億円2.0%増/食料品・住関堅調

全体の売上高は前年同月比102.0%、
既存店売上高は101.9%。
対象企業数は56社、店舗数は1万1808店。

食料品は102.1%(既存店101.2%)。
衣料品は94.8%(同99.2%)、
住関品は104.9%(同105.9%)。
サービスは額は少ないが180.6%(同182.0%)。

衣料品はさらに悪くなっているが、
それ以外は回復基調だ。

3月スーパーマーケット統計|
既存店0.9%増/総売上高9962億円2.3%増

総売上高は前年同月比102.3%。
食品合計は102.5%。

青果105.4%、水産100.1%、畜産100.8%。
惣菜106.6%、日配101.8%、一般食品101.5%。

非食品も100.3%。

チェーンストア協会と類似している。

企業数270社、8308店舗。

1店舗平均月商は1億1629万円。
単純12倍すると13億9548万円。
平均14億円となる。

意外に見えるかもしれないが、
1店年商が上がってきている。

つまり良い店が残っている。
弱い店は閉鎖したか、
改装している。

270社の結果がそれを物語っている。

売場1㎡当たり売上高は7万円。
これも1年にし、坪当たりにすると277万円。

地域別では近畿地方だけが前年同月を下回った。
また店舗規模別では10店舗以下の企業が、
前年同月を下回って、苦戦している。

3月コンビニ統計|
既存店売上高8754億円1.2%増/天候不良で客数は1.5%減

店舗売上高は既存店ベースが前年同月比101.2%、
全店ベースで101.7%。
4カ月連続のプラス。

全店舗数は5万5912店、前年比0.2%増。

しかし客数は既存店で1.5%減、全店で1.1%減。
平均客単価は、既存店2.7%増、全店2.8%増。

コンビニも完全に飽和だ。

かくて業態間競争も激化する。

商人舎4月号の巻頭言。
[Message of April]
カットスロートコンペティションへ。

争うこと。
競うこと。
闘うこと。
生死を分けること。

コロナパンデミックが往って、
ポストコロナの時代がやってくる。
競争のあり様は変わる。
強い者同士のより厳しい競争となる。

カットスロートコンペティションは、
喉を掻き切る競争。
激しくて途切れない競争。
消耗と革新の連続。

「戦争における行動は、
重たい液体の中で運動するようなもの。
ただ前進することも水中では、
敏捷、正確には行えない」(クラウゼヴィッツ『戦争論』)

プロイセン王国の軍人クラウゼヴィッツは、
ロシアに侵攻したナポレオン軍が消耗し、
敗退するさまを目の当たりにした。
そして「戦争論」にまとめた。

戦場で軍の動きを拘束し、
その計画を台無しにするもの。
予想外の偶然や事故の連鎖を、
クラウゼヴィッツは「摩擦」と呼んだ。

会社の経営や店の運営も、
「重たい液体の中の運動」になることがある。
すると敏捷さと正確さが失われる。
それが「摩擦」であり、摩擦が生まれると負ける。

カットスロートコンペティションでは、
強敵ばかりの少数の闘いが展開される。
それは「重たい液体の中の運動」に似る。
その覚悟をし、腹を決めた者だけが生き残る。

カットスロートコンペティションでは、
現実を正確に認め、
夢を計画化した者だけが勝ち残る。
分析力と創造力、行動力だけが味方である。

ただし激しい競争であっても、
カットスロートコンペティションは、
戦争ではないし、殺し合いではない。
正々堂々の腕と知恵の競い合いである。

だからかならず、
それに参画する者にご利益がもたらされる。
勝利した者にも惨敗した者にも、
成長の証を示してくれる。

ただし、そこから逃走した者には、
大きな罰が下される。
参画しなかった者には、
なんのご利益も与えられない。

コロナパンデミックが往って、
ポストコロナの時代がやってくる。
競争のあり様は変わる。
強い者同士のより厳しい競争となる。

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ウクライナの闘いは、
もっともっと悲惨だ。

それは一刻も早く終わらせねばならない。

〈結城義晴〉

2022年04月20日(水曜日)

ライフ岩崎高治社長インタビューとYGP(恵比寿店)取材

桜が終わると新緑。
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昨日は午前中、東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会へ。

新小平の駅を出て、
少し歩く。

幼稚園か保育園か。
園児たちの散歩に行き会った。

「おじいちゃ~ん、こんにちは」IMG_23712

あらら、おじいちゃんか。

思わず我を振り返って、
スマホで自撮りした。
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取締役会は、
つつがなく終わった。

今日は同じく、
朝から東京・大門。
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芝大神宮。
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久しぶりに鳥居の前を通った。
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㈱True Dataの取締役会。
オンラインでの参加が続いていたが、
リアル会議もいい。

昨年12月に、マザーズ市場に株式公開。
おかげさまで絶好調です。

それでも米倉裕之社長は、
リスクマネジメントを忘れない。

もちろんリスクも恐れない。
常に前向きだ。

ピーター・ドラッカー。
「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことだ」
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玉生弘昌さんにも久しぶりに会った。
㈱プラネット会長。
お元気そうだった。

ちょうど正午に終わって、
すぐに秋葉原へ。

㈱ライフコーポレーション本社。IMG_23792

こちらも久しぶりに、
岩崎高治社長のインタビュー。IMG_25172

1966年生まれだから、
私より14歳年下。

もう50代半ばとなって、
押しも押されもしない、
日本一のスーパーマーケットの経営者。

創業者の清水信次さんが、
名誉会長に退くことになって、
岩崎さんの双肩にすべてがかかる。

1999年に三菱商事㈱から、
ライフコーポレーションへ。

ちょうどそのころ、
韓国視察研修会でご一緒した。

私は商業界の取締役編集統括で、
コーディネーターだった。

カルフールが日本に進出してくる直前で、
韓国にはそのカルフールと、
ウォルマートが進出していて、
激烈な闘いを展開していた。

それを視察して学ぶセミナー。

ライフからは取締役が、
ほぼ全員参加して、
岩崎さんは一番の若手だった。

実にさわやかで賢い青年で、
私は一目で好感をもった。

ライフの先輩たちにも、
他者の参加者にも、
等しく配慮しつつ接していた。

その後、2006年には、
代表取締役に就任して、
30代の社長となった。

23年が経過する。

今日のインタビューでは、
ポストコロナの時代を概観してから、
本論は「スーパーマーケット4.0」。
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セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店。

この店にライフのすべてが込められた。

長いネーミングなので、
「YGP」と略しているそうだ。
YEBISU Garden Placeの頭文字。

このYGP開発の5つのステップを、
丁寧に理論的に説明してもらった。

私も「腹落ち」した。

そのすべては、
月刊商人舎5月号で披露する。

他にないロングインタビューです。
ご期待ください。

皆川剛広報部長もずっと同席して、
いろいろと配慮してくれた。IMG_25192

インタビューが終わると、
いつものようにツーショット。IMG_25162
ありがとうございました。

それが終わると、
すぐに恵比寿へ。

サッポロビールの工場跡が、
新しいショッピングセンターとなった。

それが恵比寿ガーデンプレイス。IMG_23822

オフィスゾーンと住宅ゾーン、
そして商業ゾーン。
その中核として三越がオープンしたが、
結局、撤退。
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そのあとにできたのが、
フーディーズ・ガーデン。IMG_23852

スーパーマーケット2核となった。

明治屋ストアーと、
ライフのYGP。
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商人舎流通スーパーニュース。
ライフnews|
「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」4/15オープン

そのライフYGPの青果部門。
トマト売場が素晴らしい。
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この店で岩崎さんは、
商圏の拡大と客層の拡大を狙った。

だからライフの集大成となった。

商圏と客層の拡大には、
惣菜部門の強化は必須だ。

それが実現されている。
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さらにビオラルは全面展開。
スーパーマーケットのインショップとして、
一定以上の成果が上がるフォーマットとなってきた。
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この店も月刊商人舎5月号で詳細に報告する。

最後にインタビューに答えてくれた皆さんと、
ブログ用の写真撮影。

私の隣から新井信一郎さん、
松原雅昭店長、
そして皆川さん。
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荒井さんは常務執行役員営業副統括。
荒井さんと皆川さんには、
これからもお世話になります。

ありがとうございました。

ライフコーポレーションも、
岩崎高治も、
リスクに挑戦した。

経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである。

〈結城義晴〉

2022年04月19日(火曜日)

吉野家前常務の「不適切発言」に思う

㈱吉野家前常務取締役の「不適切発言」。

舌禍事件には違いないだろうが、
つい、言い過ぎたという印象ではない。

「生娘をシャブ漬け戦略」

日頃からこんな言い回しをしていたのだろう。
そしてこの言い回しを、
自分で気に入っていたに違いない。

「田舎から出てきた
右も左も分からない若い女の子を
無垢(むく)、生娘なうちに牛丼中毒にする」

それを「戦略」と称した。

早稲田大学の社会人向けマーケティング講座で、
トップバッターとして登場した、
その講師としての発言だった。

受講生のSNS発信で明らかになった。

吉野家も泥を塗られた。
早稲田も汚名を着せられた。

情けないことだけれど、
常務に人事するときの、
講師にキャストするときの、
「人を選ぶ目」が曇っている。
ひどく安易だ。

そして何より、
「マーケティング」という概念が、
傷つけられた。

ちょっとした実績を上げたからといって、
その考え方や方法を、
「マーケティング」と認めてはいけない。

「教養」の意味は、
「学問・知識を
しっかり身につけることによって養われる、
心の豊かさ」とある。

文章を書くとき、
言葉を発するときに、
「アナロジー」が使われる。
「類比」と言われる。

創造性のある発想ができる人間は、
共通してこのアナロジー思考に長けている。

しかし当該の前常務は、
ロイヤルカスタマーになってもらうことを、
「シャブ漬け」と言い換えた。

若い女性をターゲティングする、
その対象を「生娘」と言い、さらに、
「田舎から出てきた右も左も分からない」と、
解説を加えた。

類比が妥当ではない。

「心の豊かさ」や「奥ゆかしさ」は、
微塵も感じられない。

ドナルド・トランプや、
ウラジーミル・プーチンのような存在が、
必要以上に露出してきて、
「フェイク」を連呼する姿が、
社会に影響を及ぼしているのかもしれない。

「嫌な渡世でござんす」

仕事や商売をするうえで、
この手の「マーケティングもどき」は、
断じて退けねばならない。

それを強く思った。

吉野家も早稲田も好きだからこそ、
それを強く思った。

〈結城義晴〉

2022年04月18日(月曜日)

「見える戦争」と「一目で見える賢さ、人柄の持主」

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑯]

2022年第16週。
4月第4週。

昨日はイースター。
カトリックの復活祭。

第266代ローマ教皇フランシスコ。
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バチカンのサンピエトロ広場で、
イースターのメッセージを発した。

「この戦時下の復活祭において、
私たちは多くの流血と暴力を見てきた」

「残酷で無意味な戦争」

「人類に終止符を打つか、
それとも人類が戦争を放棄するか――」

「世界の指導者たちが
約70年前の科学者たちの問いかけに
耳を傾けますように」

この科学者たちの問いかけとは、
アインシュタインらの1955年の宣言である。
核戦争による人類絶滅の危機に、
科学者たちが警鐘を鳴らしたものだ。
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ローマ教皇。
「みなさん、戦争に慣れないで、
平和を祈りましょう」

ロシア正教の今年の復活祭は、
4月24日の日曜日だ。

ロシアもウクライナも、
この日は同じ。

休戦協定でも結ばれるか。
それでも戦争が止まることはいい。

先週金曜日の大機小機。
日経新聞の経済コラム。

「見える戦争」の平和的帰結
コラムニストは無垢さん。

「”プーチンの戦争”は、
史上初の”見える戦争”である」
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「新型コロナウイルス禍と
デジタル技術の発達という複合要因のなか、
世界の人々がロシア軍による
ウクライナ侵攻を目撃した」

「子供や老人、学校や病院を含む
無差別攻撃や住民殺りくの戦争犯罪に憤り、
避難民の苦難に心を寄せた」

「見える戦争」

コラムニスト。
「試されるのは人類の知恵である」

「プーチンの戦争を受けて
抑止力という名の軍拡競争に走るか、
戦争の時代を終わらせるため軍縮するか」

「大砲(軍事)よりバター(民生)を
選択するときだ」

同感だ。

「プーチンの戦争は軍事力対経済力の闘いだ」

「資源と外資頼みのロシア経済に対して
日米欧による経済制裁の効果は絶大だが、
制裁効果を高めるには
世界経済への跳ね返りを覚悟するしかない」

「プーチンの戦争のあと
ウクライナ復興には莫大な資金がかかる。
制裁で衰退するロシアにも
再建の手助けがいる」

「第1次大戦後、
ドイツに過大な負担を強いた結果、
何が起きたか」

「ケインズの『平和の経済的帰結』が教える」
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ジョン・メイナード・ケインズは、
1919年、英国大蔵省主席代表として、
ヴェルサイユ会議に出席した。
ケインズは敗戦国のドイツ経済では、
負担しきれない巨額賠償に反対して辞任。

その後、ヴェルサイユ体制は、
ドイツへの莫大な賠償金を課したが、
ケインズは「平和の経済的帰結」を出版して、
反論キャンペーンを行った。

コラムニストは、最後には、
プーチンが必ず負けるであろうと予測しつつ、
対応の仕方を先読みして示唆する。

そして言う。
「いまは外交力を結集して停戦を急ぎ、
平和体制を構築するときだ」

「難民支援、復興支援に加えて
真の冷戦後に見合う国連改革が課題だ」

「米中対立を防ぐためアジア太平洋に
巨大自由貿易圏を創設して
経済融合を促すことだ」

「核大国の大統領が
核兵器使用で威嚇したことで
“核兵器なき世界”は遠い理想ではなく、
核軍縮が緊急課題になった」

「平和構築を担うのは
“核兵器なき世界”を掲げる
岸田文雄政権である」

「唯一の被爆国として
日本の責任はかつてないほど重い」
自覚したい。

大砲よりバターである。
つまり軍縮である。

それはわかっている。
しかしその平和体制を構築するために、
プーチン戦争をいかに終わらせるか。

ローマ教皇ではないが、
私たち庶民には祈るしかないのだろうか。

このブログは商売のこと、
商業のこと、小売業、サービス業のこと、
知識商人のことを日々、記すものだ。

しかし残忍な「見える戦争」は今、起こっている。
商売のことだけを考えてはいられない。

朝日新聞一面「折々のことば」
今日の第2353回。

「喋(しゃべ)って
解決するような物事は

世の中にはひとつもありません。
喋れば喋るほど
紛糾するのが世の中です」

(渡辺京二『なぜいま人類史か』から)
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「人は何でもかんでも
ペチャクチャ喋る必要なんかなく、
人の賢さも人柄やたちも、
たとえ使う言語が違っても
一目で見抜けるものだ」

そう、プーチンも一目で見抜ける。

「意が通じることと、
言葉を巧みに使いこなせることは
同じでない」

編著者の鷲田清一さん。
「たしかに、”口達者”ばかりが
大手を振るような社会は
どこか軽い感じがする」

プーチンと親しそうにしていた首相も、
どこか軽い感じはする。

そして喋れば喋るほど紛糾した。

今、求められるリーダーは、
一目でわかる賢さや人柄の持主だ。

そんなリーダーたちが、
世界を軍縮へと牽引していく。

そんなリーダーたちが、
産業や会社を構造改革していく。

だからそんなリーダーに委ねよう。

しかし、果たして、
それぞれの局面で、それは誰か。

深く考え込んでしまうところに、
現在の問題の根深さがある。

少なくとも自分の周りには、
そんなリーダーを見つけられるだろう。

そしてあなたも、
そんなリーダーになることが出来るだろう。

それを信じるしかない。

では、みなさん、今週も、
一目でわかるリーダーを目指そう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年04月17日(日曜日)

「成長を知らない子供たち」と「国民丸ごと茹でガエル」

日経新聞コラム「大機小機」
コラムニストはいつもの一直さん。

タイトルは、
「成長体験」知らぬ日本

内閣府が公表した国内総生産(GDP)2次速報。
2021年の日本の実質成長率は1.6%。
コロナ禍で成長を果たした。

しかし米国は5.7%。
37年ぶりの高成長を記録。

国際通貨基金(IMF)の推計では、
昨年の先進国の平均成長率は5.0%。

コラムニスト。
「日本経済の回復力は
他国に比べ突出して弱い」

「”失われた30年”といわれるように、
日本経済はこれまでの30年間、
ほとんど成長してこなかった」

小売業、サービス業に関しては、
この30年に進化が見られた。
これは私の意見。

コラムニスト。
「この間、働く者の賃金が全く上がっていない」

「先進国でも特異な国なのだ。
それが今後も続きそうな気配なのである」

「日本経済は、生産力が壊滅した
先の敗戦からわずか10年で
戦前水準に復帰した」

岡田卓也さんや伊藤雅俊さんの時代。
私の父や母の時代。

「それがなぜ30年にもわたって
停滞から抜け出せないのか」

「次の30年を構想するには、
この疑問の解明が不可欠だ」

同感だ。

「バブル崩壊からの回復に
10年以上を要した」

「さらに少子高齢化の進展、
それに伴う財政悪化によって
不況からの脱出手段が
金融政策に限定されたことなど、
原因はさまざまに指摘されている」

「しかしもっとも重要なのは、
個人を含む経済主体全体が萎縮し、
自己防衛、リスク回避に
傾斜したことではないだろうか」

小売業、サービス業にも、
責任の一端があるということになる。

ピーター・ドラッカー。
「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」
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「家計の金融資産も企業の現預金も
史上最高水準を記録し続けている」

成長していないのに、
貯蓄には熱心な国民。

国民丸ごと茹でガエル。

「企業家は不確実な未来に向けて
リスクをとって投資する。
個人は生活を豊かにするために消費する――」

「これが経済成長の源泉となるが、
そうなっていない」

岸田文雄の「新しい資本主義」はどこへ行った。

「国連機関の世界幸福度ランキングによると、
日本は先進国で最低レベルという」

「”将来が不安だから貯蓄する”というのが
若者の考え方との調査もある」

だから必要なのは、
ちいさな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

「15歳前後になると社会状況が
価値観や行動パターンに影響を与えると想定すると、
長期停滞によって人口の60%が
成長体験がないまま現在に至っている」

コラムニストの言いたいこと。
「日本人の過半が
“成長を知らない人々”になっているのだ」

北山修流に言えば、
「成長を知らない子供たちさ」

「経済を成長させるには
人々の意識改革が不可欠で、
あらゆる政策手段を総動員すべきだ」

あらゆる政策を動員するとなると、
それができるのは唯一、
政治である。

「海外の多様な人的資源の積極導入も、
検討する必要がある」

同感だ。

「米国の主要企業のトップの多くが
途上国からの移住者であることをみれば、
そのことの効用は明らかだ」

一直さんの最後の指摘は、
実に正しい。

COVID-19 ワクチンを開発したのは、
米国のファイザー社で、
そのCEOアルバート・ブーラは、
ギリシャ出身のアメリカ人だ。
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そのワクチンそのものを研究開発したのは、
ドイツのバイオ製薬ビオンテック社だ。
CEOウグル・サヒンはトルコ人。
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妻のオズレム・トゥレシは、
Chief Medical Officerで同じトルコ人。
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このことは、
『コロナは時間を早める』に書いた。

マイクロソフトの三代目CEOは、
サティア・ナデラ。
インド人だ。
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ナデラCEOのことも、
拙著に記した。

イオンもセブン&アイも、
ファーストリテイリングも、
ニトリ・ホールディングスも、
やがて外国人の経営者を登用するかもしれない。

それはそれでいいことだろう。

そのために魅力的な国になる必要がある。
そのために魅力的な消費も用意される必要がある。

小売業、サービス業の役割も大きい。

ウクライナからも、
多くの人々を受け入れるのがいい。

成長を知らない子供たちに、
成長を教えてやらねばならない。

「国民丸ごと茹でガエル」を、
脱しなければならない。

私たちはリスクマネジメントを徹底しつつ、
リスクを冒さねばならない。

リスクマネジメントは、
リスクを冒すためにあるのだ。

〈結城義晴〉

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結城義晴・著


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