万代ナレッジマーチャントカレッジ。
第7期に入って、これまで180人が修了。
今期の受講生は次期役員候補。
部長クラスがずらりと揃った。
売ることに関するプロたちである。
したがって位置づけも呼称も、
「万代知識商人大学院」とした。
いつものように、
万代本社会議棟の大会議室に、
7期生と役員が一堂に会した。
第2回目のテーマは、
ヒューマンリソースマネジメント。
いつものように、
マネジメントのピラミッドを示し、
ヒューマンリソースマネジメントの
位置づけを確認する。
第1講義では、
人間力経営の持論。
心の力・頭の力・技の力の「掛け算の力」。
さらに人材マネジメント論のフレームワーク、
その三段階の進化。
そしてマネジメント理論の変遷まで、
基本的な考え方をガイダンスした。
労務管理の重要性を、
労働災害の具体的な事例をもとに、
2時間の講義。
労働環境改善は企業の社会的責任である。
経営トップに求められる考え方と手法を、
丁寧に語ってくれた。
昼食後の第3講義は、再び結城義晴。
ドラッカーとミンツバークの最新の考え方、
日本のマネジメント教育の課題、
ドラッカーのマネジメント、
意思決定の手順とポイント、
さらにコミュニケーションの要点を、
一気呵成に講義した。
ピーター・ドラッカーは、
マネジメントの意思決定を重視する。
このとき意見の対立を促す。
そして言う。
「意思決定は全会一致で
なされるようなものではない」
「意見の対立を見ない時には、
決定を行わないこと」
そして今日の講義では、
新たな講座を試みた。
役員が会場の前にロの字型に並んで、
万代が抱える課題について、
それぞれの見解や考え方を、
ディスカッションするというもの。
意思決定のプロセスを、
シミュレーションする講座だ。
私がコーディネートして、
私の問題意識を、
次々に投げかける。
それに対して担当役員が答える。
その回答に対して、ディスカッションする。
受講生からも、
現場を踏まえた質問や意見が、
投げかけられる。
役員たちは、
それに対しても丁寧に答える。
ときには、受講生に逆質問もする。
双方向で意見を交わし合う。
役員候補を養成するには、
取締役レベルの考察が必須だ。
それをシミュレーションによって学ぶ。
3時間にわたって、
万代の求める人材から、
チラシ販促、EC、DXなど、
7つのテーマで率直に議論し合った。
最後に私は担当役員に簡単に2つの質問をした。
万代知識商人大学として、
初めての試みだった。
㈱万代としてもこれまで、
こういった局面はなかった。
だから成果はあった。
課題も浮き上がってきた。
ディスカッション講義を終えて、
不破副社長からの総括と指摘。
経営者としての不破理論を披露し、
タスクフォースやプロジェクトの、
必要性を述べてくれた。
最後は、阿部社長の総括。
今日のテーマについて、
一つひとつ、
根拠となる数値を示して
議論の方向性を整理した。
そして万代の現時点の戦略を総括した。
さらに経営者としての視点と考え方を、
わかりやすく講義してくれた。
失礼ながら、私は感服した。
経営トップは誰よりも真剣に、
課題の本質を考え抜いている。
阿部社長にとっても、
自分の考え方を伝える、
いい機会になったと思う。
7期生たちは真剣に聞き、記録する。
自分が質問したり、
意見を言ったりした内容を、
評価し、正してくれる。
これがコミュニケーションである。
まだまだ受講生はぎこちなかった。
遠慮があったし、
臆するところがあった。
しかし議論はどんなときにも、
正々堂々となされなければならない。
ドラッカーは意見の相違を重視する。
ある案だけが正しくて、
その他の案はすべて
間違っていると考えてはならない。
自分は正しく、
他の人は間違っていると、
考えてもならない。
なぜ他の者は、
意見が違うのかを明らかにすることから、
スタートしなければならない。
最後に会場に残った役員のみなさんと写真。
そして阿部さんと不破さん。
ありがとうございました。
実験的な講義だったが、
成果が見えたと思った。
誰よりも、
ドラッカー先生と上田惇生先生に、
感謝したい。
〈結城義晴〉