日経新聞電子版「経営者ブログ」
愛読していた。
宮内義彦オリックスシニア・チェアマンは、
1カ月に1回のブログを公開していたが、
5月27日に連載が終わった。
「日本はまだ復活できる」
高原豪久ユニ・チャーム社長も、
1カ月に1回のブログが、
5月26日に終了した。
タイトルは「初心に還る」
そして鈴木幸一IIJ会長。
毎週火曜日に書いてくれていて、
私は必ず読んでいた。
「私がこのコラムを始めたのは、
日本経済新聞が電子版を始めた
2010年からである。
というわけで、私は、
13年目まで書き続けたのである」
私もこのブログに、
鈴木さんの言葉を何度も引用した。
「今さらそんな言葉も
なくなってしまったようだが、
『皆勤賞』なのである」
「内容はともかく、13年目になるまで
いちども休まず書き続けたわけで、
皆勤した努力については
多少のお祝いをしていただいても
いいかと思うのだが、
“へぇーっ”と驚かれるだけである」
同感だ。
私の場合には毎日更新で、
15年間続けている。
「13年目になるまで続いた習慣で、
週末、間違って文章を書こうと
机に向かってしまう気がするのだが、
公になることはない。
長年、ありがとうございました」
あっけない終わりだが、
私のような熱心な読者から言わせれば、
なぜ、この「経営者ブログ」が終わってしまうのか。
執筆者たちはちょっと不満気だ。
さて湯河原で開催している
ミドルマネジメント研修会2日目。
2日目の朝は理解度判定テストから始まる。
自分の理解度を自分で認識するためのテストだ。
昨夜は遅くまで、今朝は早朝から、
受講生たちは自室で、ホテルのラウンジで、
テストに備えて復習をしていた。
初日の講義内容から出題される。
設問はどこから出るかわからない。
だから前日の講義をすべて復習する。
そしてこのテストに臨む。
皆、頑張った。
研修会2日目の第1講義は「計数」。
講師は白部和孝さん。
シラベ・リテイル・システム研究所代表。
データ活用のポイントを整理し、
在庫管理と人時管理について講義。
商品回転率や交差比率、
人時コントロールの考え方とその指標などを、
わかりやすく解説してくれる。
具体的な設問を投げて、
実際に受講生に解を求める。
そして一人ひとり、
指導する。
3時間の講義に、
受講生からお礼の拍手。
2日目第2講座の講師は、
井坂康志さん。
ドラッカー学会共同代表、
モノづくり大学教養教育センター教授。
テーマはドラッカー・マネジメント。
ピーター・ドラッカーに最後に会った日本人で、
ドラッカー本の翻訳者・故上田惇生先生とともに
「ドラッカー学会」を立ち上げた。
上田先生も信頼を置いていたドラッカー研究者。
ドラッカー・マネジメントの本質を、
丁寧な語り口で紹介してくれた。
講義を終えると、
受講生からの質問を受けてくれる。
真っ先に質問したのは、
㈱ロピアホールディングスの佐野淳基さん。
同じく半場俊輔さん。
㈱関西スーパーマーケットの黒井洋之さん。
㈱キョーエイの新田貴樹さん。
一人一人の質問に、
真摯に答えてくれる井坂講師。
最後の質問者は
関西スーパーマーケットの許斐高志さん。
現場の悩みや質問にも丁寧に答えてくれた。
井坂さんに感謝しよう。
そして15時30分からは20時まで、
結城義晴の講義。
はじめに理解度テストの解答を解説。
それから産業構造の変化から商業統計の問題点、
日本小売業の最新ランキングの劇的変化、
ミドルマネジメントのための経営数値までを、
一気呵成に講義。
コーヒータイムを挟んで、
マネジメント理論の変遷、
戦後日本のマネジメント教育の課題、
MTP教育による日本のチェーンストア組織の弊害、
ドラッカーとハーバード・サイモン、
そしてヘンリー・ミンツバークの
アンリ・ファヨール管理過程論への批判などなど、
組織問題を整理した。
そのうえで、
ドラッカーのマネジメント手法を講義した。
「責任の組織化」。
「自己管理の目標管理」。
そしてコミュニケーション。
最後はドラッカーの真骨頂。
「コミュニケーションが成立するためには、
経験の共有が不可欠である」
午後8時ぴったりに講義が終了した。
そして夕食。
今回のミドルマネジメント研修会は、
昼食・夕食会場を2カ所設けた。
感染症対策のためだ。
受講生の後ろで、一人、
元気よく手を挙げているのは誰だろう。
食事を終えると三々五々、
研修会場に受講生たちが集まってくる。
湯上りの浴衣姿もちらほら。
こうして夜は更けていった。
第18回商人舎ミドルマネジメント研修会。
2日目も順調に終わろうとしている。
ピーター・ドラッカー。
「人は、企業の所有物ではない」
「マネジメントとは、
人の強みを発揮させることである」
〈結城義晴〉