結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年06月12日(日曜日)

「ロシアの日」の「人を遺すを上とす」と「育てる・生かす」

6月12日は、
実は「ロシアの日」だ。
かの国の独立記念日の祝日である。

ベルリンの壁はすでに、
1989年11月9日に崩壊が始まっていた。

ミハイル・ゴルバチョフは、
1985年3月11日、
ソビエト連邦共産党書記長に就任し、
最高指導者となると、
ペレストロイカ(改革)と、
グラスノスチ(情報公開)を断行し始めた。
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ロシアもウクライナ、ベラルーシも、
ソビエト連邦の傘のもとにあった。

それぞれの正式国名は、
ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国、
ウクライナ・ソビエト社会主義共和国、
ベラルーシ・ソビエト社会主義共和国。

1990年5月、
ボリス・エリツィンが、
ロシア・ソビエト共和国の、
最高会議議長に就任した。
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そして1990年6月12日。
国家主権宣言が採択された。

一党独裁の共産党主権からの脱皮である。

この国家主権宣言を記念して、
6月12日が「ロシアの日」となった。

エリツィンは翌1991年に、
ロシア・ソビエト共和国の大統領に当選する。

一方、ゴルバチョフは、
1990年にソビエト連邦に大統領制を導入して、
最初で最後の大統領となった。
翌1991年12月25日には大統領を辞任して、
連邦政府の活動を停止し、
ソビエト連邦は崩壊した。

そこですべての共和国が独立国となった。
ウクライナ共和国もこのときに、
独立国となった。

ウラジーミル・プーチンは、
このときのエリツィンの職にある。

ソビエト連邦共産党書記長は、
初代ウラジーミル・レーニン、
二代ヨシフ・スターリン、
三代ゲオルギー・マレンコフ、
四代ニキータ・フルシチョフ、
五代レオニード・ブレジネフ、
六代ユーリ・アンドロポフ、
七代コンスタンティン・チェルネンコ、
そして八代ミハイル・ゴルバチョフで、
終わった。

ウラジーミル・プーチンは、
このソビエト連邦の最高指導者ではない。

ロシアの日は、
1990年6月12日を記念した、
国家主権宣言の日である。

それが今、専制主義国家となっている。
一党独裁でもなく、
もちろん国民主権の国でもない。

独立記念の日に、
ウクライナと戦争を続けている。

なんということだろう。

朝日新聞「折々のことば」
第2407回。

「財を遺(のこ)すは下、
仕事を遺すは中、
人を遺すを上とす」
(後藤新平)

明治の政治家の言葉。
私もこのブログで何度も使った。

プロ野球監督・野村克也も、
これを口癖にしていた。

「”見つける、育てる、生かす”のが
指導者の使命だが、
これがなかなかに難しくて、
つい”自分の欲が先行して”しまう」

わかるなぁ。

編著者の鷲田清一さん。
「この格言を社会で実行できたら、
この国も世界から一目置かれる
存在となるだろうに」

〈加藤弘士著『砂まみれの名将』から〉
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一方、ジョン・マックスウェル。
1947年生まれのアメリカ人。
牧師、著作家、講演者。
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そのマックスウェルは、
リーダーシップには、
5つのレベルがあるという。

第1レベルは「地位」によるもの。
職位だとか役職だとか、
ある意味の権限でもある。

地位が上がれば、
リーダーシップもついてくる。

第2レベルは「 相互理解」によるもの。
人のつながりや人間関係の中から、
リーダーシップが発揮される。

第3レベルは「成果」によるもの。
一緒に仕事をする。
結果として成果が上がれば、
リーダーシップが発生する。

これはとてもいいことだ。

第4レベルが「人材育成」によるもの。
野村の「見つける、育てる、生かす」である。
人財の再生産ができる人は、
リーダーシップのレベルが高い。

最後に第5レベルは「人間性」によるもの。
高潔な人間性によって、
高いリーダーシップが発揮される。

「財を遺(のこ)すは下、
仕事を遺すは中、
人を遺すを上とす」

後藤新平も野村克也も、
第4の「人を育てる」を強調するが、
その人を遺す過程で、
尊敬される人間性も備わってくる。

プーチンとゼレンスキー。
どちらに真のリーダーシップがあるか。

人を遺すか否かを見ていればわかる。

〈結城義晴〉

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