東京・自由が丘。
いつもの花屋。
モンソーフルール。
シーズンごとに大胆に店頭が変わり、
毎週、必ず売場が変わる。
花という商材が、
その季節性を表現するに最適だ。
アメリカのスーパーマーケットも、
したがって花売場でその店の実力がわかる。
今はもちろん、父の日向けの売場。
プロモーションのアイテムは、
オンジウムハニーエンジェル、390円。
ヒマワリも売場のアクセントになっている。
根づきの植物も販売する。
壁には母と子のイラスト。
梅雨の季節は花が豊富だ。
額紫陽花も今が盛り。
花などを愛でる心の余裕が求められる。
年がら年中、いつもいつも、
これを売ったら儲かるなどと考えていたら、
顧客の心をつかむことはできない。
人間としての品性がなくなる。
平和堂社長の平松正嗣さんから、
メールでお知らせがあった。
滋賀県出身の西川貴教さんと、
平松さんが対談した。
それがユーチューブにアップされている。
平和堂YouTube。
西川貴教さんは有数のボーカリストで、
パーソナリティや俳優、声優もこなす。
1970年、滋賀県彦根市生まれ。
滋賀ふるさと観光大使を務め、
2020年には滋賀県文化功労賞を受賞している。
T.M.Revolutionとして活動し、
NHK紅白歌合戦にも5回出場している。
滋賀県出身の有名人ランキングを調べると、
トップに出てくる。
その西川さんがツイートした。
「滋賀県人のアンセム
“かけっことびっこ”を謳う日も、
そう遠くないかも」
それに平和堂側が反応して、
西川歌唱の「かけっことびっこ」が実現した。
商人舎流通スーパーニュース。
平和堂news|
創業65周年の特別企画/西川貴教イメージソング熱唱
さらに平和堂65周年記念対談が実現した。
30分ほどのYouTubeのタイトルは、
「滋賀から元気を届けよう」
このビデオを見ると、
平和堂がいかに、
滋賀県民に密着しているか、
同社の「かけっことびっこ」が、
滋賀の子どもたちになじんでいるかが、
ほんとうによくわかる。
「かけっことびっこ」は、
平和堂の店でいつも流れている、
イメージソングだ。
私も覚えてしまっているほどだ。
今年のセンバツ高校野球で、
決勝に残った近江高校が、
その決勝戦の応援ソングとして、
「かけっことびっこ」を演奏して盛り上げた。
西川さんには、
それがとてもうれしかったようで、
対談の中で熱を込めてコメントした。
平松さんも実に上手に話を進めて、
平和堂ファームの活動や、
「E-WA!」の商品を紹介した。
最後は西川さんと上手にハモって、
「へ~いわど~♫」で番組は終わった。
小売業は地域に根づいた存在だ。
その根づいたところを、
どんどん主張するのがいい。
西川貴教さんが、
対談のなかでずっと、
「平和堂さん」と言っていたが、
これも自然な感じだった。
子どものころから、
そう呼んでいるからだろう。
平和堂が地域に、
なじんでいることがよくわかる。
全国にもそんな企業がある。
私の母は長らく横浜に住んで、
旧野澤屋が横浜松坂屋と名前が変わっても、
「ノザワさん」と呼んでいた。
福島の「ベニマルさん」もそうだし、
「平和堂さん」も同じだ。
小売業や飲食業が、
地域の人たちから、
屋号に「さん」をつけて呼ばれる。
地域の誇りのように扱われる。
これは一つの目標になると思う。
それから店のイメージソングも、
とても重要だと思う。
かけっこ とびっこ げんきっこ
みんあつまれ 平和堂
わんぱく坊やもなかよしも
ママのあとからついていく
はずむこころのお買い物
平和堂♫
それが甲子園の応援歌になる。
マーケットシェアとマインドシェアの、
両方の賜物だと思う。
西川貴教というアーティストから、
そんなことを教わった。
ありがとう。
〈結城義晴〉