結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年06月27日(月曜日)

國分晃の「ステルス値上げは長期的な勝者になれない」

Everyone! Good Monday!
[2022vol㉖]

2022年第26週。
6月最終週にして、
金曜日からはもう7月。

2022年も半年が過ぎようとしている。

「コロナは時間を早める」
そう言ってきたが、
梅雨明けまで早まった。
IMG_36632

暑いけれど木々は、
生き生きとしている。
IMG_E36542

気象庁は今日、
九州南部と東海・関東甲信が、
梅雨明けしたとみられると発表。IMG_36662

なんとも自信なさげだが、
関東甲信も東海も、
平年より22日早い。
九州南部も平年より18日早い。

気象庁用語の「平年」とは、
平均的な気候状態を表す。
30年間の平均値に平滑化処理を加えて、
平年値は算出される。

つまりは30年間の平均値である。

関東甲信は、
観測史上最も早い梅雨明けだ。

九州南部も東海・関東甲信も、
観測史上最短の梅雨だった。

だから梅雨商戦はさっさと売り切って、
夏本番の売場に刷新しなければならない。
IMG_36562

一方、経済産業省は昨日の日曜日、
「電力需給逼迫注意報」を発令した。

今年5月に経産省の審議会で導入が決められ、
発令したのは26日が初めてとなる。

翌日の電力需要に対する供給の余力を
「予備率」と呼ぶ。
その予備率が3~5%の見通しになれば、
電力需給逼迫注意報が発令される。

予備率が3%を下回る見通しならば、
「電力需給逼迫警報」となる。

磯崎仁彦官房副長官は今日、
電力需給逼迫注意報の発令に関して、
節電を呼びかけた。
「使っていない照明を消すなど
無理のない範囲で節電、省エネへの
ご協力をお願いしたい」

商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
電力需給ひっ迫注意報発令で首都圏店舗で節電対応

セブン&アイ・ホールディングスは、
素早く反応した。

セブン‐イレブンは、
1都8県の約8800店舗。
1.フライヤー(揚げ物の)仕込みは、
前後の時間に振り分け、
電源はセーブモードまたはOFFにする
2.ドリンク類の補充に伴い、
ウオークインの開閉はなるべく避け、
前後の時間で補充等を行う
3.トイレの便座ウオーマーの電源OFF
4.給湯ポットはなるべく1台で運用

イトーヨーカドーは、
首都圏中心の98店舗。
1.店内照度の調整
すでに食品売場・衣料雑貨ともに基本照度を
100ルクス下げて対応しているが、
追加で什器照明の一部消灯を実施する
2.顧客への理解と協力を促す、
店頭での節電ポスターの掲示

セブン&アイらしい対応だ。

さて日経新聞の「月曜経済観測」
國分晃さん登場。
国分グループ本社㈱社長兼COO。
img_greetings02国分晃
聞き手は編集委員の田中陽さん。

値上げニュースに関して。
「この1年間で約65%のカテゴリーで
値上げが確認された」

値上げ幅が大きいカテゴリー。
「直近(5月)の実売価格の前年同月比では
ハードチーズ(37%上昇)、
プレミアム食用油(33%上昇)、
食パン(6%上昇)など、
原材料が輸入に頼るものが目立つ。
一方、主食のコメは8%の下落だった」

そして重要なこと。
「値上げによる
ブランド、代替商品へのシフトは
起きていないようだ」

ブランドスイッチは起きていない。

地域的な値上げの濃淡。
「競争環境として、
寡占が進んでいる北海道は
値上げが浸透している」

「例えばマヨネーズは、
メーカーの値上げ幅は約20%だが、
実売価格では約25%上昇している。
これは安く売られすぎていたのを
修正したことも背景にある」

「首都圏は過剰店舗で競争が激しいから
約8%の上昇にとどまった」

生活者は値上げを痛感しているのか。

「キャッシュレスでの買物が多くなり、
財布から現金を取り出して支払いするよりも
支出増の痛さが和らいでいるのかもしれない」

「おそらく、値上げの痛さを
生活者が実感するのは、
今年の秋だと思う」

「ビール類が5~15%前後値上げする。
値上げ前には相当な仮需も生まれるだろう」

正念場は秋だ。

「ボージョレ・ヌーボーは、
フルボトルで4000円台になるとみている。
昨年の2倍だ」

「ボージョレ市場が
消滅してしまうのではないかと
危惧しているくらいだ」

「小麦の政府売り渡し価格は
秋に再び改定(値上げ)されるだろうから
様々な製品の価格に波及する」

最後に日本の物価水準に関して。

「値上げしても販売数量が変わらず、
売上高が増えていることを見ると、
やはり”安すぎた”のではないか。
安くしようと”頑張りすぎていた”気がする」

ステルス値上げした商品は、
瞬間的に成功しても、
長期的な勝者にはなれない」

「ステルス値上げ」は、
価格やパッケージは変えず、
容量やサイズを縮小させて行う、
実質的な値上げのことだ。

「ステルス」は、
敵のレーダーをかいくぐる戦闘機のこと。
ステルスのように見つかりにくい、
実質的な値上げのこと。

英語では、
シュリンクフレーション(Shrinkflation)。
Shrink(縮小)とInflation(インフレ)の合成語。

國分さんはこのステルス値上げを、
「長期的な勝者にはなれない」と断じる。

これは正しい。

ヨークベニマル十二章にある。
「広告にウソやハッタリは禁物。
お客さまは一度はだませても、
二度はだませない」
???????????????????????????????
マーケットや顧客は見抜いている。
しかもステルス値上げは、
SNSで拡散される。

いいインタビューだったし、
いい答えだった。

では、みなさん、今週も、
長期的な勝者を目指そう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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