2022年6月、最後の日。
西日本から関東まで広範囲に、
熱中症警戒アラートが発表された。
アラート(alert)は、
「警戒」とか「警戒態勢」の意味を持つ。
だから熱中症警戒アラートは、
「馬から落ちて落馬して」だが、
それでも熱中症に、
警戒しなければならないことはわかる。
環境省と気象庁が、
2020年7月から、
まず関東甲信地方で試行した。
そして2021年4月下旬からは、
全国を対象に運用を開始した。
この熱中症アラートのときの行動例。
⑴不要不急の外出は避け、
昼夜を問わずエアコン等を使用する。
⑵高齢者、子ども、障害者等に対して
周囲の方々から声かけをする。
⑶身の回りの暑さ指数(WBGT)を確認し、
行動の目安にする。
⑷エアコン等が設置されていない、
屋内外での運動は原則中止または延期する。
⑸のどが渇く前にこまめに水分補給するなど、
普段以上の熱中症予防を実践する。
ところがそんなアラートの中、
私は千葉県流山市を駆け巡った。
流山おおたかの森S・C。
2007年3月12日、
地上3階建ての本館が開業。
タカシマヤ フードメゾン、
イトーヨーカドー食品館、
そしてTOHOシネマズなどなど。
2014年3月7日には、
別棟の地上3階建て「ANNEX1」オープン。
さらに昨2021年3月31日には、
地上6階建てのFLAPSが開業。
そして今日、「ANNEX2」がオープン。
箱形の4階建て。
核店は1階の角上生鮮市場。
その取材。
2階と3階はニトリ。
4階にセリアと東京古着。
この組み合わせ、面白い。
本館の高島屋フードメゾンへ。
さらにイトーヨーカドー食品館。
流山おおたかの森SC全体を、
ほぼくまなく歩いた。
それから周辺の競合状況。
北東に向かって、
マルエツ流山おおたかの森店。
さらにカスミ。
フードスクエア流山おおたかの森店。
南西に下って、
ヤオコー流山おおたかの森店。
この時点では、
気温は40度を超えただろう。
熱中症警戒アラートだ。
それでも帽子をかぶって、
扇子をもって、
水分を取りながら、
丁寧に視察した。
それから北西に上って、
ベルク流山おおたかの森店。
名だたる上場企業が、
車で5分以内の至近距離で競争している。
最後にコトエ流山おおたかの森へ。
核店舗はロピア。
農産の八百物屋あづまで、
チーフのヒロセ君に会って、
スイカを選んでもらった。
1個980円のスイカ1玉を買って帰って、
食べたら、絶品の味だった。
久しぶりにこんなうまいスイカを食べた。
ヒロセ君、ありがとう。
熱中症警戒アラートの影響もあったか。
それでもこの店舗クリニックで、
重大なことを発見した。
それは月刊商人舎7月号で明らかにする。
出し惜しみをしているわけではない。
まずヒントが浮かんだ。
それをさらに深く考察したら、
なにかセオリーが導き出せそうだと思う。
「”いいこと考えた!”と、
小さい子どもが言うでしょ。
あれが、ほんとに
すばらしいことだと思うのです」
ほぼ日の糸井重里エッセイ。
今年6月19日版。
「なんでもかんでも
“いいこと考えた!”という、
思わずニヤッとしちゃったり、
大きな口を開けたり、
飛び上がったりするような
ところからはじまる」
「アイディアだの、
クリエイティブだの、
大発見だの、
イノベーションだの、
いろんなこと言うけど、
“いいこと考えた!”って、まず、
じぶんの頭が一気に晴れ渡るような
瞬間があるんで」
「それは、説明より先に光が射して、
灰色の雲が消し飛ぶように
晴れるような感じ」
「どんよりしたまま、
知識だの情報だのを
パズルのように組み上げているときには
なかなか見えてこない晴れた空が、
見えたとき。
“いいこと考えた!”って、
ことばが出るんです」
わかる、わかる。
NHKの人形劇、
「ひょっこりひょうたん島」で、
主人公の博士君が何かひらめく。
あれです。
私の場合は編集長時代から、
「ピコピコが来た!」
と言っていた。
いい特集を思いついた。
いいタイトルが浮かんだ。
いい構想が浮かんだ。
糸井さん。
「実は、その”いいこと”っていうのが、
ちっともたいしたことじゃなかったりね。
そういう場合もものすごく多いんです。
でも、いいんです。
“いいこと考えた!”って
光が必要なんです」
そうそう、「ピコピコ」は、
多産多死でいい。
「”いいこと考えた!”と思ったんだけど、
その”いいこと”には弱点があるぞ、だとか、
こういう困ったことがついてくるぞ、とか、
いずれは気づくことになると思うんです。
それでいいんですよね」
「いま考えた”いいこと”が
見せてくれた困ったこと。
今度は、それを解決するために
考えればいいのだから、
そっちのほうが考えやすいんです」
糸井重里。
おそれく、その「いいこと考えた!」が、
「これからの”生産力”だと思うのです」
「”重箱の隅をつつくこと”ばかり
上手になってるけど、
もっと”いいこと考えた!”で
行きたいものです」
店をたくさん見ると、
必ず「ピコピコ」がやってくる。
今回も、来た。
「いいこと考えた!」
それはよく考えてから、
発表しよう。
ご期待ください。
〈結城義晴〉