関西出張3日目。
今日は東大阪市。
今日は、
万代知識商人大学第7期、
今期だけ万代大学院。
会議棟の大ホールがその学び舎。
その三度目の講義。
全員が揃うと、
海野正敏さんが講義開始を告げる。
海野さんは人事部マネジャー。
今日はFinancial Managementの講義。
英語では「ファイナンシャル」と言い、
米語では「フィナンシャル」と発音する。
後部席では、
万代の取締役のみなさんが、
これまた全員、聴講。
聴講だけではなく、
講義テーマに応じて、
講師を担ってくれる。
はじめに、
月刊商人舎7月号の特集について、
簡単に解説した。
「流山おおたかの森の陣」
「角上魚類・ロピアvsヤオコー・ベルク・マルエツ・カスミのサバブの攻防」がサブテーマ。
人口増の千葉県流山市おおたかの森エリア。
スーパーマーケットの競争が、
角上魚類とロピアの出店によって、
どのように変わっていくのか。
一昨日の兵庫県三田市もサバブだった。
その事例も挙げながら、
レクチャーした。
そして7月号のもう一つの特別企画。
「小売業”複合危機”の”戦略と戦術”」
良い戦略と悪い戦術、
悪い戦略と良い戦術。
フィナンシャルマネジメントの本編は、
簿記、会計、財務の違い。
イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊さんの、
「商人の才覚と算盤」。
一方、イオン創業者の岡田卓也さんの、
「大福帳と見競(みくらべ)勘定」
かつての大手チェーンのなかで、
残っている2社に共通するのが、
フィナンシャルマネジメントである。
さらに損益計算書と貸借対照表の構造。
さらに実地棚卸しの原価法と売価還元法。
ピータードラッカーの利益の考え方や、
重要な経営尺度としての数値など、
2時間ほど講義。
第2講義は、田縁(たぶち)仁平取締役。
財務経理・秘書・品質管理部門担当。
万代の財務数値を挙げながら、
経営者として把握すべき数値について、
実に丁寧に講義してくれた。
戦略と財務は表裏一体であることが明示された。
いい講義だった。
ここで昼食休憩。
午後の第3講義は、
谷内(やち)毅さん。
取締役経営企画担当。
多くのスライドを使って、
万代の戦略を決めるアプローチ法を、
事例満載で解説してくれた。
フィナンシャルマネジメントの講義は、
経営戦略と表裏一体となっている。
皆、真剣に聴講する。
3つの講義を終えると、
講師が前に出て、
7期生との質疑応答。
コーポレート担当の加藤健常務取締役も、
前に座って質問に答える。
芝純常務取締役も質問する側に回る。
7期生も積極的に質問する。
それに今日の講師陣が答える。
もちろん質問だけでなく、
徐々に意見を述べるようになる。
この役員とのキャッチボールによって、
次世代の幹部候補生たちの理解が深まり、
視点や視界も拡がっていく。
フィナンシャルマネジメントのまとめは、
不破栄副社長。
現在の中期経営計画が、
何を目指すのか。
それを具体的に、
財務の視点からまとめてくれた。
さらに経営者になっていくための考え方。
第1に、物事を大きく見る。
経営者を目指すには、
全体を見た中で考える。
第2に、結果責任を負う。
第3に、大胆にやる。
そして第4に、
誰にも負けない努力をする。
見えないところでやる努力が大切だ。
「努力は無限大」
これは不破さんの持論。
阿部さんの話は実にわかりやすい。
高度なことを優しい言葉で伝える。
これも経営者にとって重要なスキルだ。
先ほどの質疑応答のそれぞれに対して、
阿部社長としての回答を、
具体的な例を出しながら、
鮮明に語った。
阿部さんと不破さんのこの語りは、
万代という会社の強みの一つである。
今日1日のまとめは、
結城義晴。
今日1日学んだことが、
何を意味しているのか。
私自身、今日の講義のなかで、
驚くことがあった。
「戦略が良ければ、
戦術の失敗は挽回できる。
戦略が悪ければ、
戦術の成功が逆に、
マネジメントの死をもたらす」
コロナ禍の大変化のとき、
万代も良い戦略を選択してほしい。
「勇気ある決断」によって。
そして今日の講師の皆さんと。
最後は裏方の人事部マネジャーの面々と。
私の隣から津田睦さん、海野さん、
石川慎也さん。
朝9時から夕方6時半ごろまで、
ほんとうにお疲れさまでした。
記念碑的な講義の1日だった。
右・左、上・下、
どっちを向いても感謝。
〈結城義晴〉