今日は土用の丑。
今年は二度ある。
その土用一の丑。
しかも土曜日。
中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」が、
うなぎをテーマにした。
テイクアウトという方式。
新型コロナで盛んになった。
日本ではその起源は、
江戸時代のうなぎらしい。
儒学者海保青陵(かいほせいりょう)の随筆集。
『東贐(あずまのはなむけ)』に、
うなぎの蒲焼きを持ち帰る方法が書かれている。
冨岡一成氏の著書『江戸前魚食大全』から。
おもしろい。
おからを煎り、
軽く醤油で味付けして熱くする。
これを重箱に詰めてうなぎ屋に持って行く。
そして蒲焼きを入れてもらって持ち帰る。
そうすれば家で熱々のうなぎが食べられる。
江戸文化は当時、
世界最高峰のレベルだった。
ヨーロッパよりも高い文化度だった。
今年は事前予約も増えた。
コラムでは「ある大手スーパー」とある。
中日新聞だから多分、イオンだろう。
その「事前予約件数は昨年より多い」。
そして担当者の弁。
「日々の買い物は節約志向でも、
特別な日にはぜいたくを楽しむのでは」
これは「禁欲円」と「享楽円」を意味している。
商人舎2022年1月号。
「禁欲円」と「享楽円」のコストパフォーマンスを高めよ!
もしかしたらそのイオンの担当者、
月刊商人舎の読者かもしれない。
自分勝手にそんなことを思う。
うなぎ人気は、
「疫病流行下でも衰えない」とコラム。
うなぎを食べられない人、
嫌いな人もいるだろうけれど、
私はこの暑さの中で、
鰻を食べると幸せになる。
ありがたい。
今日は2日間の8時間講義で、
疲れた体を癒すために、
よく寝た。
疲れる、休む。
元気になる。
その循環。
これも幸せだ。
そして午後3時から、
ZOOM会議。
商人舎と、
常盤勝美さんとのディスカッション。
常盤さんはウェザーMDの第一人者。
現在、㈱True Data所属の、
流通気象コンサルタント。
商人舎2016年8月号。
特集は、
商品前線異常なし!
ウェザー・マーチャンダイジングの決定的新機軸
このとき、ウェザーMDの考え方に、
全国パネルのPOSデータを組み合わせて、
「商品前線」という新コンセプトを構築した。
今、読んでも、
まったく古くはない。
重要度は高まっている。
常盤さんとのミーティングで、
次号、現在の「複合危機」に対して、
提言をしてもらうことが決まった。
ご期待いただきたい。
最後に2016年8月の[Message of August]
良きウェザー・マーチャントたれ!
良き漁師は天候を予測する。
良き農夫も日々の気候の綾を知る。
良き水夫はその変化を事前に察知する。
そして良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
すなわち天候条件で顧客心理を読み取る。
しかし昨今の日本の商業は、
ああ、お天気産業よ。
いつもいつも、私を嘆かせる。
お天気次第の売上げ・利益。
天候に決定的な影響を受け、
それに従属したような産業。
そのくせ、天候不順を乗り越えられない。
企業や店の商品力が、天候の変化に勝てない。
オペレーションは天候変化の後追いしかできない。
だからウェザー・マーチャンダイジングが叫ばれる。
しかしそのお天気販促は表層的だ。
季節プロモーションは画一的だ。
平和産業、
人間産業、
地域産業。
そして、
ああ、
お天気産業よ。
顧客の生活は環境とともに変わる。
何が食べたいか、何を着たいか、どう住まいたいか。
暮らしは、時々刻々、天変地異の中にある。
天候変化が生活心理をつくり、
購買行動を変え、
新しい消費を生み出す。
良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
天候に応じて顧客心理の変化を読み取る。
〈結城義晴〉