結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年07月24日(日曜日)

「幸福は素手で持ってくる!」の「暑中、お見舞い申し上げる」

二十四節気の大暑を過ぎて、
次はもう立秋。

今年の大暑は7月23日、
立秋は8月7日。

大暑は「快晴が続き、気温が上がり続けるころ」

今年の小暑は7月7日、
大暑が終わるのが8月6日。

暑中見舞いはこの時期に出す。
8月7日からは残暑見舞いとなる。

それでも温暖化が激しい昨今は、
8月いっぱい、暑さが続く。

暑中、お見舞い申し上げる。

新型コロナウイルス感染。
昨日の7月23日、
陽性判定者は初めて全国で1日20万人を超えた。
20万975人。

それも4日連続で過去最多を更新。

東京3万2698人、
大阪2万2501人。
愛知1万4348人、
神奈川1万3716人、
福岡1万2619人、
埼玉1万2424人。

17道府県が最多だった。

第6波のピークは今年2月で、
政府は1月9日から3月21日まで、
「まん延防止等重点措置」を適用した。

その2月のピークの2倍に達した。

今、BA.5は9割を超えている。

このBA.5はオミクロン株の一種で、
今年2月に南アフリカで見つかった。
5月以降ヨーロッパを中心に広がって、
6月以降は世界で検出される新型コロナの5割を占めた。
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日本国内では4月ごろ、
BA.2からBA.5への置き換わりが進んだ。
BA.5の感染力はBA.2の35.1%増だとか。

8月はじめには全国で、
ほぼ100%になる。

感染力が高まると、
属性は弱くなる。

感染症のセオリーだ。

毒性が弱まっているとは言っても、
感染すると倦怠感、熱、咳などの症状が出る。

現在の療養期間の解除基準は、
発症日から10日間経過し、
「症状軽快」から72時間経過すると解除となる。

「症状軽快」とは、
解熱剤を使用せずに解熱し、
なおかつ呼吸器症状が改善傾向にあること。

つまり毒性が弱いと言っても、
感染すれば体調は崩れ、
療養しなければならない。

高齢者や疾患のある人は、
避けねばならない。

手洗い、マスク、ディスタンス。

暑中、お見舞い申し上げる。

朝日新聞「折々のことば」
第2447回。

幸福を買いにゆくのに 
買物籠なんかいりませんよ
幸福は 
素手で持ってくるにかぎる!
(寺山修司『愛さないの、愛せないの』から)
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「幸福にイメージの籠など要りません。
これくらいのサイズだったら入るかな、
などとあらかじめ思い描いたりすれば、
幸福は逃げていきます」

あらかじめ籠の大きさを決めてはいけない。

「幸福は、
自分のこれまでの体験の意味づけといった、
イメージの上張りではありません」

だから鈴木敏文氏ではないけれど、
幸福のためには、
「過去の成功体験を捨てよ」。

寺山。
「じかに掴(つか)むか掴めないか、
それだけの問題です」

スーパーマーケットが提供するものは、
ちいさな喜び
ささやかな幸せ
あすへの希望

しかしそれが、
ショッピングカートにも、
ショッピングバッグにも、
とても入らないくらい、
大きな幸福になることがある。

お客さまが、
自分で掴みとってくだされば。

私たちは、
その掴みとっていただくものの、
ほんの一部を提供する。
ほんのきっかけを用意する。

じかに掴むことができるように。

2021年2月の商人舎標語。

「あすへの希望」

新型コロナのおでましだ。
新型コロナのおとおりだ。
そうして一年、すぎました。
そうして一年、ゆきました。

ちいさな喜び、つくります。
ささやかな幸せ、ご提供。
あすへの希望、つむぎます。
そうして一年、ゆきました。

雨が、あがって、風が吹く。
雲が、流れる、月かくす。
そうして一年、すぎました。
そうして一年、ゆきました。

ちいさな喜び、つくります。
ささやかな幸せ、ご提供。
あすへの希望、つむぎます。
そうして今日が、おわります。

それが私のしごとです。
それが私のやくめです。
そうして今日が、はじまって、
そうして今日が、おわります。

新型コロナの行く手には、
まだまだ、深い、ため息が、
なんだかはるかな、幻想が、
湧くけど、それは、つかめない。

だれにも、それは、語れない
ことだけれども、それこそが、
いのちだろうぢゃないですか。
けれども、それは、示(あ)かせない……

新型コロナのおでましだ。
新型コロナのおとおりだ。
そうして一年、ゆきました。
そうして一年、すぎました。

ちいさな喜び、つくります。
ささやかな幸せ、ご提供。
あすへの希望、つむぎます。
そうして今日も、おわります。??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????

暑中、お見舞い申し上げる。

〈結城義晴〉

2022年07月23日(土曜日)

「土用一の丑」の土曜日の「商品前線異常あり?!」

今日は土用の丑。

今年は二度ある。
その土用一の丑。
しかも土曜日。

中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」が、
うなぎをテーマにした。

テイクアウトという方式。
新型コロナで盛んになった。

日本ではその起源は、
江戸時代のうなぎらしい。

儒学者海保青陵(かいほせいりょう)の随筆集。
『東贐(あずまのはなむけ)』に、
うなぎの蒲焼きを持ち帰る方法が書かれている。

冨岡一成氏の著書『江戸前魚食大全』から。
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おもしろい。

おからを煎り、
軽く醤油で味付けして熱くする。
これを重箱に詰めてうなぎ屋に持って行く。
そして蒲焼きを入れてもらって持ち帰る。

そうすれば家で熱々のうなぎが食べられる。

江戸文化は当時、
世界最高峰のレベルだった。
ヨーロッパよりも高い文化度だった。

今年は事前予約も増えた。

コラムでは「ある大手スーパー」とある。
中日新聞だから多分、イオンだろう。

その「事前予約件数は昨年より多い」。
そして担当者の弁。

「日々の買い物は節約志向でも、
特別な日にはぜいたくを楽しむのでは」

これは「禁欲円」と「享楽円」を意味している。
商人舎2022年1月号。
「禁欲円」と「享楽円」のコストパフォーマンスを高めよ!??????????????????????????????????????????????????????
もしかしたらそのイオンの担当者、
月刊商人舎の読者かもしれない。

自分勝手にそんなことを思う。

うなぎ人気は、
「疫病流行下でも衰えない」とコラム。

うなぎを食べられない人、
嫌いな人もいるだろうけれど、
私はこの暑さの中で、
鰻を食べると幸せになる。

ありがたい。

今日は2日間の8時間講義で、
疲れた体を癒すために、
よく寝た。

疲れる、休む。
元気になる。

その循環。

これも幸せだ。

そして午後3時から、
ZOOM会議。

商人舎と、
常盤勝美さんとのディスカッション。

常盤さんはウェザーMDの第一人者。
現在、㈱True Data所属の、
流通気象コンサルタント。

商人舎2016年8月号。
特集は、
商品前線異常なし!
ウェザー・マーチャンダイジングの決定的新機軸
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このとき、ウェザーMDの考え方に、
全国パネルのPOSデータを組み合わせて、
「商品前線」という新コンセプトを構築した。
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今、読んでも、
まったく古くはない。

重要度は高まっている。

常盤さんとのミーティングで、
次号、現在の「複合危機」に対して、
提言をしてもらうことが決まった。

ご期待いただきたい。

最後に2016年8月の[Message of August]
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良きウェザー・マーチャントたれ!

良き漁師は天候を予測する。
良き農夫も日々の気候の綾を知る。
良き水夫はその変化を事前に察知する。

そして良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
すなわち天候条件で顧客心理を読み取る。

しかし昨今の日本の商業は、
ああ、お天気産業よ。
いつもいつも、私を嘆かせる。

お天気次第の売上げ・利益。
天候に決定的な影響を受け、
それに従属したような産業。

そのくせ、天候不順を乗り越えられない。
企業や店の商品力が、天候の変化に勝てない。
オペレーションは天候変化の後追いしかできない。

だからウェザー・マーチャンダイジングが叫ばれる。
しかしそのお天気販促は表層的だ。
季節プロモーションは画一的だ。

平和産業、
人間産業、
地域産業。

そして、
ああ、
お天気産業よ。

顧客の生活は環境とともに変わる。
何が食べたいか、何を着たいか、どう住まいたいか。
暮らしは、時々刻々、天変地異の中にある。

天候変化が生活心理をつくり、
購買行動を変え、
新しい消費を生み出す。

良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
天候に応じて顧客心理の変化を読み取る。

〈結城義晴〉

2022年07月22日(金曜日)

ロピア・チーフ研修会の「肉体を拒絶するなにか」

ジョー・バイデン米国大統領。
COVID-19に感染した。

21日朝の検査で陽性が判明した。

37.4度の発熱があったが、
解熱薬服用で平熱に戻った。

それでも引き続いて、
鼻水、倦怠感、せきの症状が残る。

脈拍、血圧、呼吸数、血中酸素濃度に異常はない。

ホワイトハウス内に隔離されて、
執務は続けている。

用心に用心を重ねても、
感染はする。

そして79歳の高齢者でも、
重症にはなりにくい。

それがオミクロン株の特質だ。

日本では第七波を迎えて、
だからといって、
油断してはならない。

私のところには、
4回目の接種券が届けられた。
接種券
有難いことだ。

今日も昨日に引き続いて、
JR船橋駅の研修会場。

㈱ロピアの千葉・埼玉営業本部の
チーフ研修会。
部門チーフと全店長約150名を、
3つに分けて研修する。

その第2回。
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朝9時から夕方18時までの
結城義晴ワンマン講義。

講義前に、
相川博史取締役営業本部長のあいさつ。
千葉・埼玉エリアを管轄する。

ロピアの変わらぬ戦略と今後の方針、
そして研修の趣旨を丁寧に話してくれた。
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なかでも、
ブロッコリーの特売の話はよかった。
インテグリティこそ、
ロピアの商売の本質である。

9時半から私の講義。

講義ごとに、全員が起立して、
講師に向かって、挨拶する。
「よろしくお願いいたします」
講義が終わったらまた起立して、
「ありがとうございます」
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講義内容は昨日と変わらない。
しかしエピソードはどんどん、
移り変わっていく。

その日によって皆が、
前のめりになってくる話がある。
そうするとどんどん脱線して、
そのエピソードを掘り下げる。

ロピアの高木秀雄会長、高木勇輔社長、
福島道夫取締役とのエピソード。
岡田卓也イオン名誉会長相談役や、
伊藤雅俊セブン&アイ名誉会長の、
創業時の苦労話。

さらに、欧米のスーパーマーケット、
日本のトップマネジメントたちの話、
業界のM&Aの裏側の事情などなど。

この脱線話が結構、面白い。
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ロピアは年に20%を超える成長を続けている。
したがってチーフも店長も、
技術に長けた、キャリアのある、
中途採用者が増えている。

だからこそ、
ロピアという会社の本質を正しく理解し、
同じ目標に向かってもらう必要がある。IMG_4458-1

そこで高木勇輔さんや福島道夫さん、
相川博史さんたちトップや幹部が、
商人舎で学んできたことの基本を、
チーフたちに講義する。

業種・業態・フォーマット、
STPマーケティングとポジショニング。
ロピアを知るうえで肝となる、
結城義晴の持論。
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昼食後にはパワーポイントを使って、
海外の店舗事例を見せながら解説する。
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夕方5時半まで講義を行い、
最後は30分間の理解度判定テスト。

テストが終わってから、
解答を補足説明しながら、
最終講義をする。
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ロピア研修では毎回、テストを行う。
講義の後にテストがあると、
みな講義に集中するからだ。

会社が人財育成に投資する。
その投資に見合った学びをしてほしい。
それが狙いだ。
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昨日、今日のワンマン講義。
渾身の2日間だった。

8時間、立ち続けた。
8時間、語り続けた。
声は枯れてきた。
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肉体は疲労の極致に達した。

朝日新聞「折々のことば」
今日の第2446回。

魂とは肉体を拒絶する
なにかである。
(アラン『定義集』より)
アラン定義集
「体が震えても逃げない、
体が苛(いら)ついても他に殴りかからない、
渇いてもあえて飲まない……。
おのれの自然に屈服することを
肯(うけが)わぬこの”拒絶する力”が魂だ」

アランはフランスの哲学者。
定義集はその代表作。

商人舎誌上で展開する、
「結城義晴の定義集」は、
アランをモデルにしている。

「人が魂としてあるのは、
“自己が自己に対立することによってのみ”だ」

編著者の鷲田清一さん。
「人は自身にあてがわれた生存の条件に
抗(あらが)うことで人になるのか。
道徳心も恋情も」

肉体の疲労困憊に抗って、
それでも語るべきことを語る。

ここには何かがある。

私はそう思っている。
それが私の役割である。

〈結城義晴〉

2022年07月21日(木曜日)

ロピア・チーフ研修「ワンマン講義」と岡本太郎の「困難な道の選択」

プロ野球読売ジャイアンツ。
新型コロナウイルス陽性判定者は、
選手41人を含む67人となった。

支配下選手は69人だから、
41人は59.4%。

ひとつの組織の6割の人間が、
感染したということになる。

22日からの中日対巨人3連戦は延期。
これで巨人軍の前半戦は終了。
「借金5」、つまり5つの負け越し。
Bクラスで折り返す。

全国のコロナ陽性確認は、
過去最多の18万6246人となった。

35都府県で最多を更新。

1日での陽性判明者数は、
東京都が3万1878人。
大阪府は2万2047人。
愛知県1万3326人、
埼玉県1万0823人、
福岡県1万0752人。

最も少ない鳥取県でも573人。

これで国内で感染が確認された人の累計は、
1081万6840人。

ネットを見ると、
騒ぐな騒ぐなといった声もある。

しかし小売業、サービス業は、
顧客を迎える商売だ。

神経を使わずにはいられない。
緊張は続く。

今日は千葉県船橋市へ。

JR船橋駅前にある会議室で、
㈱ロピアの千葉・埼玉営業本部
チーフ研修。

今日と明日の2日間、行われる。

講師は結城義晴。
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朝9時から夕方6時まで、
9時間の講義プログラム。IMG_4442-1

商業近代化の根本思想から始まり、
チェーンストアの本質、
業種・業態・フォーマット、
STPマーケティングとポジショニング戦略、
競争理論からコモディティ理論、
そして商品戦略の考え方まで、
一気に持論を解説した。

最後はストアコンパリゾンの手法と、
コミュニケーションのあり方。

チーフにとって必須のナレッジを、
レクチャーした。

ロピアの研修会では、
最後に理解度判定テストを行う。IMG_4443-1

どのくらい理解できているのか。
あるいは理解が不足しているのか。IMG_4444-1

テストを通して、各自が、
自分自身の理解度を測る。

それに講義中も、
学ぶ姿勢が違ってくる。
つまり成果が上がる。

もちろん、私自身にとっても、
講義内容や講義の仕方が適切だったか。
それを測る指標になる。IMG_4446-1

30分間という短い時間のテストだが、
最後までみな健闘してくれた。IMG_4448-1
最後の最後に、
理解度テストの解答を解説しながら、
最も重要な4つの設問の講義をした。

これが大事なことだ。

最後に拍手をもらった。
ご清聴を感謝したい。

1日の研修はたびたび開催するが、
1人でぶっ通しの講義をすることはない。

どなたかと分担する。

しかし今回は
ワンマン講義。

夕方、ホテルに帰って、
ちょっと休んだが、
疲れすぎて、夕食を食べられなかった。

こんなことは初めてだ。

それでも全力を尽くした満足感はある。

朝日新聞「折々のことば」
第2444回。

もっと平気で、
切実であるべきだ。
(岡本太郎)
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人生、順調にいかなくても、
自分には才能もなく、
所詮(しょせん)無理だったと
引っ込んだりせずに、
「才能のないというポイントに
自分を賭ければいい」

岡本太郎は自分に対して、
あくまで謙虚だ。

太郎はパブロ・ピカソと交流した。
そしてその超天才ぶりに感嘆した。

だから謙虚になった。

「自分は芸術に取り組むときも、
“いかに才能によらない仕事をするか、
と絶望的に自分を追いつめ”てきた」

「そこでしか人間はひらかないと信じて」

「もっとまっすぐに遊べ」
太郎は人々に檄(げき)を飛ばす。

仕事に対して、
遊びの如くまっすぐに取り組む。

私は高校生のころに、
太郎著『原色の呪文』を読んで、
驚いた。
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岡本太郎は自分の人生で、
分岐点に差し掛かると、
必ず困難な道のほうを選んだ。

そんな人間がいるのか。

高校生の私の人生観が変わった。

これまで、すべての分岐点で、
困難な道を選ぶことはできなかったが、
大事な時には、
難しいほうを選んだ。

それで後悔をしたことがない。

今日のワンマン講義も、
食事が喉を通らないほど疲れたが、
心から満足した。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2022年07月20日(水曜日)

コロナ感染15万人超と日本マクドナルドの「複合危機戦略」

新型コロナウイルス新規感染。
陽性者は全国で、
1日15万人を超えた。

過去最多を更新。

30府県で最多の陽性者数。

大阪府が2万1976人、
初めて2万人を超えた。

東京都は2万0401人。

愛知県が1万3628人、
神奈川県が1万1443人。

その主な理由はオミクロン株BA.5。

感染拡大のスピードは、
これまでのBA.2より3割程度速い。

“免疫逃避”の性質をもっていて、
ワクチンや感染で得た免疫をかいくぐる。

重症化に関して、
WHO(世界保健機関)のコメントでは、
「BA.2と比べて変化しているという証拠はない」

つまり感染力は強く速いが、
重症化はBA.2と変わらない。

危険度は高まっている。

朝日新聞「天声人語」

コロナで縮小していた祇園祭を話題にする。
山鉾(やまほこ)が3年ぶりにもどってきた。
祇園の山車(だし)の巡行。
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「祇園祭の起源は、
平安時代の疫病流行にある」

「人々は怨霊のたたりを鎮めようとしたが、
現実には劣悪な衛生環境があった」

当時の京都は汚物の処理が行き届かず、
夏には鴨川が氾濫して、
目もあてられぬ状態になった。

一方、現代のオミクロン対策は、
手洗い、マスク、ディスタンスの堅守。
そのうえワクチンもある。

コラムニスト。
「ウイルスに意思などないことは
分かっている。
しかし今年に入り、子どもたちが
狙い撃ちされたように思えてならない」

「これまで症状が軽かったことなどを理由に、
ワクチン接種が進んでいない層である」

「ここは踏ん張りどころであるが、
一体いくつの夏を踏ん張ればいいのだろう」

結論はいかにも朝日新聞。
詠嘆で終わる。

問題解決的ではない。

政府には緊急事態宣言や「まん防」など、
措置をとる気配はない。

日経新聞電子版に、
日色保(ひいろたもつ)さん登場。
日本マクドナルドホールディングス社長。

1988年、静岡大学人文学部卒業。
ジョンソン&ジョンソン社長を経て、
19年に日本マクドナルド社長兼CEO。
愛知県出身。56歳。
〈同社ホームページより〉
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タイトルは、
「コロナ下で好調どう維持?」

既存店売上高は、
6月まで24カ月連続で前年クリア。

3月に値上げした影響。
「消費者が値上げを容認するかどうかは
不透明な面がある」

マクドナルドは不況に強いブランド。
しかしそれでも、
「先行きを見通すのは非常に難しい」

慎重な発言だが、
本音だろう。

しかしマクドナルドは、
3月にハンバーガーを値上げした一方、
6月上旬に「ビッグマック」を
期間限定で値下げした。

「新型コロナで生活様式が大きく変わり、
外食産業ではデリバリーや
テークアウトの需要が増えた」

「マクドナルドは12年前に
自前のデリバリーを始めるなど、
ノウハウが蓄積されていたので
巣ごもり需要に対応できた」

「業界全体のデリバリーの需要が
コロナ前の水準に戻るかどうかは
見極めていきたい」

スーパーマーケットで言えば、
ネットスーパーであろうか。

それでも、あくまで慎重だ。

「スマホで注文できるモバイルオーダーに
効率的に対応できるかどうかが、
今後の店舗運営の鍵を握る」

従来はスマホからの注文に、
ドライブスルーは対応できていなかった。

しかし昨2021年、
「約2950店のPOSシステムを刷新し終え、
様々なモバイルオーダーに対応できるようにした」

「4つに分かれていたスマホアプリを、
年内に統合し、使い勝手を高める」

どの産業でもスマホアプリ対応は必須だ。

「情報システムを整え、
スマホを軸にした顧客体験の向上をめざす」

DXはまず、
スマホアプリから。

店舗戦略は、
2024年段階で全国3000店以上の目標。

ピーク時は約3900店まで増えたが、
当時大量に増やした”サテライト店”を閉めた。

「小型店はメニューが少ないなど、
ブランド価値を毀損してしまった」

「こうした小型店は閉めており、
現在はブランドの価値を
表現できる店を増やしている」

ブランド価値が基準である。
これがマクドナルドにとって、
「良い戦略」だ。

戦略が良ければ、
戦術の失敗は
挽回できる。

「ある郊外店では
ドライブスルーのレーンを
1つから2つに増やして
待ち時間を短縮し、
店舗の魅力を高めた」

あくまで顧客の便利性を求める。
店舗の魅力を高める。

それがブランド価値戦略である。

コロナ禍にも値上げ禍にも、
良い戦略の貫徹で臨む。

これが商人舎7月号で訴えた、
「複合危機の戦略と戦術」である。

〈結城義晴〉

2022年07月19日(火曜日)

セブン-イレブン「青森100店」の「それだけですか?」

新型コロナ感染の陽性者数。
第七波である。

日本全国で1日に確認された人数は、
7月16日に初めて11万人を超えた。
過去最多を更新。

今日はNHK調査で6万6745人。
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東京都は1万1018人、
神奈川県が8576人、
大阪府が5019人。

感染力が強いオミクロン株のBA.5が広がっている。

さらに3回目のワクチン接種から、
ずいぶん時間が経過して、
効果が下がっている人が増えている。

私も今年3月11日に三度目の接種をしてから、
4カ月が経過する。
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感染力が強くなると、
毒性が弱まる。

それが感染症のセオリーだが、
BA.5も弱毒性なのだろう。

ただし小売業、サービス業は、
コロナが弱毒化したとしても、
顧客に感染させるわけにはいかない。

現場ではまた、
ちょっとピリピリとした雰囲気になる。

心安らかに。

そのうえで、
手洗い、マスク、ディスタンス。

今日は東京・小平。
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暑いので帽子をかぶっている。

水分補給も忘れずに。

それにしてもマスクをして、
暑い中を歩くと息苦しくなる。

まだまだ辛抱、辛抱。

商人舎流通SuperNews。
セブン-イレブンnews|
「青森県100店出店達成」記念商品8品7/27発売

セブン‐イレブンは、
2015年6月から青森県への出店を開始した。
そして今年2022年4月、
県内店舗数が100店舗となった。

ほぼ7年。

記念商品8品を売り出した。
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青森県のあと、
2015年10月に鳥取県へ出店。

そして2019年7月11日。
セブン-イレブンの日に、
最後の沖縄県に出店し、
47都道府県を制覇した。

しかし青森県の100店到達は、
ずいぶんゆっくりした感じだ。

怒涛の進撃時代は、
とうの昔に終わっている。

東北エリアは1425店。
これも少ない気がする。

ということは、
まだまだセブン-イレブンにとっては、
「飽和ではない」のかもしれない。

「飽和ではない」というのは、
鈴木敏文元会長の言である。

まだまだ出店スピードを緩めず、
ファミリーマートやローソンを打倒して、
独占に近い圧倒的状況をつくる。

現時点以上の絶対的なインフラとなる。

そのうえで、
次の次元の何かをする。

私がトップなら、
そう考える。

アメリカのコンビニが好調だから、
日本ではゆっくりしていてよい。

そんな考えは捨てるべきだろう。

セブン-イレブンだからこそ、
それができると思うのだ。

さて、昨日のほぼ日。
糸井重里のエッセイ。
今日のダーリン。
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糸井さんの知りあいの人が、
大先輩にあたる人のところに、
仕事のことで相談に行った。

「会ってもらえるだけでも光栄、
というような感じで、
おそるおそる相談ははじまりました」

わかる、わかる。

故倉本長治先生のところにも、
故渥美俊一先生のところにも、
相談者は多かった。

渥美先生は恐すぎて、
相談者がかぎられていたけれど。

「大先輩だか大御所の方は、
表情も変えずに話を聞いていて、
“で、そのうまく行かなかったことの
理由はなんですか?”
と質問をしてきたのだそうです」

ドラッカーも質問魔でした。

「知人は、こわばりながら
“じぶんの不勉強が…”というような、
謙虚そうなことを言ったらしいです」

「すると、大御所は
とても納得していないらしく、
“それだけですか。
他の理由はないのですか?”
と、追い詰めるように
訊いてくるのだそうです」

「知人は、またなんとか答えます。
“それだけですか。
その3つの理由だけですか?”と、
さらに追ってくるらしいです」

「もともと苦し紛れに答えたようなことでも、
“それだけですか?”と圧力をかけられると、
なんとか次の理由を
ひねり出さなきゃならなくなります」

このやりとりが、5回くらい続けられた。

質問で追い詰める。
「それだけですか?」
と、重ねて訊いていく。

それによって、
考える角度や範囲なども変わっていく。

「その大御所さまの方法には、
なるほどとも思わされます」

糸井さんの推測。
「おそらく、ご本人が、
じぶんへの問いかけとして、
そういう”しつこい質問重ね”のようなことを、
これまでに何度もやってきたんでしょうね」

「発見される”正しい答え”が
なんであっても、
この先に直すべき問題が
いくつも出てきたとしても、
徹底的に問い続けるという方法は、
とても有効そうです」

『トヨタ生産方式』の中で、
故大野耐一さんが言っている。
「なぜ」を5回繰り返せ。
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しかし糸井。
「ただ、まぁ、悪くすると
“追い詰めてるだけ”になって、相談者が
自信喪失してしまうかもしれませんけどね」

うがった見方もする。
「はんぱな自信を喪失させるために、
“質問重ね”をしているのかもしれないですけど」

なかにはそういう”大御所”もいる。

「思考停止になりがちな弱さをも、
先回りして防いでるとも言えそうですよね」

思考停止や集団思考は避けねばならない。

「集団思考」とは、
「集団になると非合理的な判断をしてしまうこと」

糸井の注意喚起。
むしろそれを強調したいみたいだ。
「”それだけですか?”って、
無敵の質問だから、使用注意だね」
これも気をつけたい。

「それだけですか?」と問いながら、
それでもなぜを5回繰り返す。

セブン-イレブンの青森県100店――。

「それだけですか?」

〈結城義晴〉

2022年07月18日(月曜日)

ミドルマネジメント研修会S級獲得者発表と「働きがい沈没」

Everyone! Good Monday!
[2022vol㉙]

2022年第29週。
そして7月第4週。

今日は海の日の祝日。
三連休。

2022年は連休の当たり年といわれる。

三連休が9回もある。

①1月8日(土)9日(日)と10日の「成人の日」
②2月11日(金)の「建国記念日」と12日(土)13日(日)
③3月19日(土)20日(日)と21日の「春分の日」
④4月29日(金)「昭和の日」と30日(土)5月1日(日)
⑤5月3日(火)「憲法記念日」
5月4日(水)みどりの日
5月5日(木)こどもの日
⑥7月16日(土)17日(日)と18日の「 海の日」

まだあと3回残っている。
⑦9月17日(土)18日(日)と19日(月)「敬老の日」
⑧9月23日(金)「秋分の日」と24日(土)25日(日)
⑨10月8日(土)9日(日)と10日の「スポーツの日」

三連休当たり年。

今からでも遅くはない。
9月の三連休連発⑦⑧での成果は、
年末商戦までの景気づけとなる。

ちなみに、
昨2021年はそれが4回だった。
一昨2020年は8回だった。

どちらも東京オリンピックが絡んで、
平年とは異なった。

さて今日は、
ミドルマネジメント研修会の成績発表。
第18回目の研修会が、
今年6月7日(火)~9日(木)に開催された。
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2日目と3日目の理解度判定テスト、
修了後の課題レポート。
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それらを厳正に審査して、
成績を決める。

S・A・B・C・D。

今回はあえて、
Dの成績をつけた受講者が出た。

主催者としても好ましいことではないが、
それは正確に判定し、
本人と派遣してくれた会社に、
知らせねばならない。

そのなかで、
S級獲得者は13名。

以下、紹介しよう。

㈱平和堂
フレンドマート西淀川千舟店店長 
藤本信行さん
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㈱平和堂
フレンドマート交野店店長 
青山剛志さん
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モランボン㈱
営業本部営業プロデュース室課長 
小田幸平さん
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㈱関西スーパーマーケット
本社第3店舗運営グループチームリーダー 
許斐高志さん
14_konomi_IMG_E3171

㈱関西スーパーマーケット
本社第3店舗運営グループシニアスタッフ 
山内聡さん
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㈱関西スーパーマーケット
ベルファ都島店店長 
稲尾陽さん
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㈱関西スーパーマーケット
奈良三条店青果チーフ 
村上竜也さん
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㈱マツモト
店舗運営部店長 
田中和弘さん
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㈱マツモト
店舗運営部店長 
澤耕二さん
47_sawa_IMG_E3190

㈱マツモト
商品部バイヤー 
神田大志さん
50_kouda_IMG_E3191

日穀製粉㈱
営業本部穀粉部穀粉課課長 
小池忠城さん
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スリーエスコーポレーション㈱
営業企画部運営サポート課課長代理 
井川映子さん
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㈱ロピア・ホールディングス
組織管理本部人事労務管理職 
半場俊輔さん
59_hanba_DSCN9772
おめでとう。

みんな、いい笑顔です。

関西スーパーからの受講者が頑張った。
あの事件があったからこそ、
勉強に打ち込めたのかもしれない。

マツモトの面々もよく学んだ。

平和堂はいつもSを多数輩出する。
今回もいい成績。

Aの人もBの人も、
そしてCの人も、
自分の足りないところを補って、
再度、勉強してほしい。
今後の研鑽を期待したい。

すべての受講者にとって、
大切なのはこれからです。

最後には学ぶ組織が勝つ。

そして次の、
第19回ミドルマネジメント研修会。
日程が発表されている。
2022ミドル日程
9月13日(火)・14日(水)・15日(木)
会場は東京の南砂町。

いつも火曜・水曜・木曜に開催する。
今度の会場は快適な都市型研修施設。

申し込みは、
こちら。

これまで参加してくれた企業には、
すでにお知らせしてあって、
もう次々に申し込みがきている。

それ以外の企業にも、
門戸は解放されている。

参加を検討してください。

このミドルマネジメント研修会の、
S級の中からは定年後に、
コンサルタントとして、
独立した人財も出ている。

論理性が欠落していては、
コンサルティングはできない。

ミドルマネジメント研修会が、
そのことに少しでも役立ったとしたら、
商人舎にとっても、
私にとっても、
うれしいことだ。

今日の日経新聞電子版。
「働きがい」沈没 
日本企業に迫る危機

日本最大級の社員クチコミサイト、
「オープンワーク」の情報を基に、
日本企業全体の「働きやすさ」と、
「働きがい」が定量化された。

「働きやすさ」は改善傾向にある。

しかし課題が大きいのが、
「働きがい」である。

働きがいは企業業績とも相関性がある。

米国ギャラップ社のリサーチ。
グローバル職場環境調査(21年実施)。

「熱意ある社員の比率が日本は5%と
主要国で最低クラスだ」

アメリカは35%、
続いてブラジル、インド、ロシア、中国。
いわゆるBRICs。
そしてドイツ、韓国、イギリス、日本。

小売業やサービス業は、
「働きやすさ」ではやや劣っても、
「働きがい」では勝ってほしい。

ミドルマネジメントの人たちと、
ともに改善していきたい。

では、みなさん、今週も、
「働きがい」を求めて。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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