日本国政府と日本銀行が、
やっと動いた。
円買い・ドル売りの為替介入。
1998年6月以来、約24年ぶりとなる。
日銀の大規模金融緩和維持によって、
円安・ドル高には拍車がかかっていた。
しかし日銀が「兆円単位」の介入をしても、
米連邦準備理事会(FRB)は、
大幅な利上げを続ける方針を出している。
日米の金利差は広がる。
円買い介入の効果は、
維持されはしない。
焼け石に水か。
今回は日本の「単独介入」である。
他国と足並みをそろえる「協調介入」ではない。
振り返ってみると、
3月初めの段階では、
1ドル115円くらいだった。
半年30円も円安が進んだ。
OECD調査の2021年の購買力平価は、
1ドル100.4円だった。
(つい最近の講義で120円と言ったのは間違いだった。
訂正してお詫びします)
そこから比べると、
実際の為替相場は、
円安ドル高がひどい。
グレートモデレーションという、
「超安定化」の時代は終わった。
グレートボラティリティの、
「超不安定化」の時代である。
先の見えない不安定な時代だ。
政府も日銀も、
勇気が必要だ。
いま存在しない商品やサービス、
いま存在しない技術などを、
生み出さねばならない。
それに手をつけずに、
単独為替介入では、
根本問題が解決されない。
小売業、サービス業は、
独創性をもって技術革新に臨みたい。
さて、万代渋川店。
万代知識商人大学の講義の日、
ランチはこの店で購入する。
その際、店の状態を確かめる。
一丁目一番地からの見通しが良くなった。
青果は「計量フェア」開催中。
このピーマン100グラム68円は値打ちもの。
ミニトマト100グラム98円。
陳列も見事だ。
梨の二十世紀は2個398円。
ダイコン1本198円。
シャインマスカット1パック980円。
白菜4分の1カット98円。
そしてキュウリ4本入り198円。
いずれも「良い品をどんどん安く」。
タイムサービスは、
生食用湯ダコ100グラム238円。
トラウトサーモン刺身用、
100グラム258円。
鮮魚部門は万代の強みの一つだ。
10月1日の「大総力祭」の告知。
この総力祭のパワーがすごい。
それから店舗奥主通路中央に、
惣菜部門がある。
私はチーフお薦めの「天津丼」を買った。
薄味の天津がうまかった。
万代の「夕市」。
夕方4時から「売り切れ御免」。
精肉部門は万代の核売場だ。
人時生産性も高い。
そして店舗左翼の日配品部門。
最後のコーナーのパンの平台売場。
メーカーが競って、
「良い品をどんどん安く」に協力する。
万代の旗艦店は、
派手さはないけれど、
顧客にとって実にいい売場となっている。
学者やジャーナリストなどを、
万代の店に連れて行っても、
それほど強い関心を示さない。
けれど主婦や常連顧客は、
この良さを知っている。
現在の為替相場で、
観光客がやってきたら、
躍り上がって喜びそうな店だ。
アメリカ人観光客は、
ユニクロに殺到している。
「アメリカのユニクロの半額だ」
万代の青果、鮮魚、精肉、
デイリー食品。
国際比較すれば、
さらに強力な商品群となる。
日本の消費者は悲鳴を上げている。
それを助けるのが、
日本の小売業の使命である。
〈結城義晴〉