プロ野球日本シリーズ。
今年はなぜかペナントレースを、
観戦することがなかった。
テレビでも球場でも。
大谷翔平の所為かもしれない。
大リーグが面白い。
しかしこの日本一決定の7戦は、
どういうわけか心惹かれるものがある。
セントラルリーグの、
東京ヤクルトスワローズ。
パシフィックリーグの、
オリックスバファローズ。
スワローズの村上宗隆三塁手。
56本塁打、三冠王。
バファローズの山本由伸投手。
四冠。
最多勝利、最優秀防御率、
最多奪三振、最高勝率。
そして沢村栄治賞受賞。
日本一の打者と投手。
彼らがけん引して、
それぞれのリーグで優勝した。
その対決。
見ないわけにはいかない。
ここまで4戦が行われて、
スワローズが2勝1敗1引き分け。
バファローズは1勝2敗1引き分け。
その第5戦。
1回から点が入って、
シーソーゲーム。
追いつ追われつ、
抜きつ抜かれつ。
9回の最終回表(おもて)を終わって、
4対3でスワローズがリードしていた。
そして9回裏。
バファローズが四球と送りバント、
そしてピッチャーの冒頭で1点入れた。
追いついた。
そこで四番打者の吉田正尚(まさたか)。
マウンドにはスコット・マクガフ。
スワローズのリリーフエース。
吉田への2球目は、
フォークボールが高めに浮いた。
吉田は狙いすまして一振。
打球はライトスタンド上段まで飛んだ。
サヨナラ2ランホームラン。
劇的な逆転でゲームセット。
これで対戦成績は2対2となった。
実に面白い。
次は土日曜の第6戦、7戦。
それまで私は原稿執筆に邁進する。
さて昨日のブログで紹介したのが、
新生ハンズの新ロゴデザイン。
旧デザインは東急ハンズ。
私は「違和感がある」とブログに書いた。
そしてFacebookで紹介した。
すると釼(つるぎ)英雄さんから、
鋭い投稿が寄せられた。
剱さんは福岡在住のジャーナリスト。
商業界「ファッション販売」の、
常連執筆者。
「私もハンズのロゴデザインは、
DIYが片手でできないことを
デザイナーが理解せずに制作したような
印象を受けます」
本当に鋭い。
「ハンズにカインズのPBが増えると、
ハンズがホームセンターに移行する感じがして」
「それを暗示するようなデザイン、
タイプフェイスに映ります」
「かつての東急ハンズフリークとしては、
時代の終焉を感じます。
まあ、ビジネス的には
仕方ないのでしょうが」
同感だ。
私も返信した。
「新しいデザインは”ハンド”(hand)ですね。
”ハンズ”(hands)ではない」
それが違和感の正体だ。
剱さん、ありがとうございました。
「ほぼ日」の糸井重里さん。
巻頭エッセイは「今日のダーリン」
「寂れる(さびれる)」を考える。
「にぎやかだった所が、
衰えてさびしくなることだ。
それは、”古くなる”とはちがう」
「とても昔の寺社などが、
それなりに朽ちて色を失っても、
それが、人の手を入れらてれていれば、
古くても”寂れている”とは言われないだろう」
「”のれん”や”看板”も
似たようなことが言える」
東急ハンズのロゴが、
寂れたわけではない。
資本関係が変わっただけだ。
「かたちのあるモノとしては、
古くもなるしボロにもなる。
しかし、それが清潔に洗い続けられていたり、
しっかりと磨かれていたら、
それは輝きを放っている」
米国のホールフーズの店など、
古くなって「ツヤ」が出てくることがある。
「洗ったり、磨かれたり、繕われたりして、
人の手がかけられていることに、
たいへんなコストはかからないように思う。
日々のちょっとした手間や心遣いが続くかどうか、
たぶん、それだけのことがちがうのだ」
店や売場、看板も、
手間や心遣いを続けていたい。
「どうせ、もう古くなっているからと思って、
それについて考えることもしなくなると、
寂れる」
「衰えているなりに、力を失っているなりに、
洗ったり磨いたりを続けていると、輝く」
古い街や古い店に対する態度だ。
「日本中、たくさんの地方都市には、
そんな例がたくさんあるのだろうなと思う」
「同じような衰退のなかにいても、
あきらめられて無視された無残な看板と、
耐えて生きてきた古い看板があるように思う」
だからハンズの古いロゴも、
使いようがあったかもしれない。
ここで糸井さんは、
人間に視点を移す。
「なんだか、
人もそういうものなのかもしれないと、
ちょっときびしいことも、
考えないでもない」
「じぶんに見捨てられて
“どうにでもなれ”というじぶんと、
いちおうでも洗ったり
磨かれ続けているじぶんとは、
実は、けっこう紙一重であるように思う」
自分を洗ったり、磨き続ける。
「手を入れるとか、手をかける、
目に入れる、目をかける。
これって、お金のあるなし、
時間のあるなしとは、
ほとんど関係ないんじゃないだろうか」
店舗改装も同じだ。
「それを、するとしないとでは、
とんでもなくちがう」
「人が、じぶんに手をかけるって、
どういうことだろう」
「想像できる答えもあるんだけど、
それぞれの人が、
じぶんで考えたほうが
よさそうな気がするね」
自分で、自分らしく考える。
「意外と、
歯を磨くとかお風呂に入るとかも、
大事かもよー」
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝、も。
〈結城義晴〉