結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年10月24日(月曜日)

「真っ白な一日をつくる」心得と「会えなくても考える」

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊸]

2022年第43週。
10月最終週。

今週は執筆期間となる。
月刊商人舎の締め切りも迫ってきた。

午前中に自宅で連載の原稿を書き上げて、
午後、横浜商人舎オフィスに出社。

夕方、宮﨑文隆さん、来社。
㈱カメガヤのCRM担当。

宮﨑さんは、
㈱商業界の元販売革新編集長。
その後、商業界を退社して、
月刊マーチャンダイジング編集長、
㈱ニュー・フォーマット研究所副社長。

山本恭広商人舎編集長は、
元食品商業編集長、商業界取締役。

私は元販売革新編集長・食品商業編集長で、
もちろん商業界元社長。

三人で写真。
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シャッターを切ったのが、
亀谷しづえ商人舎ゼネラルマネジャー。
商業界元営業企画部長・販売部長。

商業界OB会のようになって、
流通業の昨日・今日・明日の話や、
チェーンストア産業の話題、
執筆者の先生方の思い出など、
話は大いに盛り上がった。

宮﨑さんがやって来て話に加わると、
月刊商人舎の新特集企画などが浮かんでくる。
うれしい限りだ。

「同じ釜の飯を食った」というけれど、
まさにそんな感じで、私も若返った。

ありがとう。

朝日新聞「折々のことば」
今日の第2536回。

会えても、ものを考える。
会えなくても考える。
それが当時の人たちの
「一日」だった。
(現代詩作家・荒川洋治)

芥川龍之介の時代。
「家にまだ電話がない頃は、
人を訪ねても留守は普通であった。
不在かもしれないのに、
それでも出かけていった。
会うことにそれだけの重みがあった」

「予告なしに訪れるから、
見知らぬ人もいたりして
“世界が開ける”」

「不在であっても、
話そうと思っていたことを考えなおすので
“思考が深まる”」
(『文学は実学である』所収の随筆「芥川龍之介の外出」から)
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荒川洋治は1949年、福井県生まれ。
早稲田大学第一文学部卒業。
1976年、『水駅』で第26回H氏賞受賞。
その後、『渡世』で第28回高見順賞、
『空中の茱萸』で第51回読売文学賞、
『心理』で第13回萩原朔太郎賞。
2016年にも『北山十八間戸』で鮎川信夫賞受賞。

かつて、人に会うことの意味は重かった。

しかし今も直接、人に会うことは意義深い。
今日、私もそれを実感した。

会えても、ものを考える。
会えなくても考える。

それがいい。

荒川のエッセイに「白い夜」がある。
『文学は実学である』の最初の一文。

「一日をまるまる空ける。
そして人と話をして過ごす。
それができたら、しあわせだと思う」

「真っ白な一日をつくる」
そして一日、話す、聞く。

その心得。

①話すこと聞くこと以外は何もしない。
時計も見ない。自然な流れにまかせるのが一番。

②いまこの時間に、この日本で、だれ一人、
その話をしていないような話題を
まじえるようにする。
みんながするような話は、
ありきたりで、先が見えて、つまらない。
実に退屈なものである。

③本でもなんでもいいから
ときどき「物」を出し、
さわったり、めくったりすると、
たしかなものになって、話が締まる。

④二人で話すこと。
三人もいると、だれかが気をつかう。
三人は他人のはじまりなのである。

⑤終わったら熟睡。
めざめたら、静かにお茶を飲む。
胸にひめたものをそのままに、
あらたな一日へと飛び立つのである。

荒川洋治、とてもいい。

「真っ白な一日」
文学者だけの贅沢ではない。
私もたまにはつくってみたいものだ。

小売業やサービス業も、
人に会うのが仕事のひとつだ。

一対一ではないけれど、
直接、人に会うことは、
絶対になくならない。
なくしてはいけない。

eコマースが隆盛しようと、
それは人と人とが会う生業(なりわい)を、
補完する機能に他ならない。

会社でも組織でも、
人と人とが直接会って、
話をすることが基本である。

大切な人とは一度でいい、一日話してみる。

テレワークが多くなっても、
人と人とが会う機会をなくしてはならない。

会えても、ものを考える。
会えなくても考える。

それがいい。

イギリスでは、
リズ・トラス首相が辞任し、
リシ・スーナク元財務相が後任に決まった。

日本では、
山際大志郎経済再生担当相が辞任した。

では、みなさん、今週も、
人に会って、話をしよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年10月23日(日曜日)

面白いプロ野球日本シリーズと面白くない中国共産党大会

プロ野球日本シリーズ。
東京ヤクルトスワローズと、
オリックスバファローズ。

面白い。

バファローズのエース山本由伸。
第1戦で打たれて、
4失点5回途中降板。

不思議な印象だった。
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その理由を「Number Web」が明かした。
「プロ野球亭日乗」というコラム。

その理由とは、
「マウンドの硬さ」

ピッチャーが投球する場所は、
球場の中で唯一、
盛り上がった小山のようになっている。
それをマウンドという。

第1戦と第2戦は、
スワローズの本拠地神宮球場で行われる。

その神宮球場のマウンドは、
2020年の開幕前に改造された。

いわゆる「メジャー仕様」への変更である。

粘土の割合を多くして、
見違えるほどに硬く改良された。

神宮はアマチュア野球と併用される。
東京六大学、首都大学などの連盟が、
リーグ戦で使う。

だから昼間に大学野球をやった後、
夜、プロ野球が行われたりする。

だからマウンドが荒れないように、
ハード仕様につくられている。

「神宮のマウンドは硬過ぎる。
足元がまったく掘れなくて
滑るので投げにくい」

セ・リーグの投手の声。

スワローズの投手でも、
力投派の左腕・高橋奎二投手らは、
この本拠地のマウンドを苦手としている。

日本一の投手・山本由伸が、
このマウンドに悩まされた。

昨年の日本シリーズも、
スワローズ対バファローズだった。

しかしコロナの影響で、
東京ドームで行われた。
そして山本は好投した。

その山本が神宮球場のマウンドに立つのは、
18年6月8日以来2度目で、
そのときも1イニングしか投げていない。

偉大な投手も、
微妙なマウンドの違いで、
どこかが狂ってしまう。

そして実力を発揮できない。

しかし山本はこのあと、
必ず活躍すると思う。

それが絶対的なエースである。
次の登板のときの、
山本の顔つきや投球態度が楽しみだ。

日本シリーズ第2戦は、
9回までバファローズが3対0でリードしていた。

その9回裏、スワローズ高津臣吾監督は、
ランナー1、2塁のチャンスで、
内山壮真を代打に送った。

内山は石川県の星稜高等学校から、
ドラフト3位で入団した2年目の捕手。
171センチ71キロと小柄な選手だ。

プロ野球選手で、
身長171センチと登録されていると、
大抵の場合、160センチ台である。

その小柄な内山の6球目。

高めに浮いた阿部翔太投手の直球は、
一閃、レフトスタンドに飛び込んだ。

土壇場の同点弾。
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日本シリーズ初出場初打席の、
初安打、初打点、初本塁打。

内山のコメント。
「打ったのはストレートです。
自分の仕事は山田(哲人)さんと村上(宗隆)さんに
良いカタチで繋ぐことだったので
簡単に追い込まれてしまいましたが
食らいついて打ちました」

「良い角度であがってくれました」

謙虚に繋ぐ気持ちで、
「食らいついた」。

それがホームランとなった。

そのまま延長戦に入って12回。
試合は引き分けとなった。

プロ野球の試合には、
どんな場合にも裏の物語がある。

それが面白い。

それでも山本由伸、
必ず活躍する。

私は確信している。

バファローズを応援しているわけではない。
スワローズのファンというわけでもない。

けれど実力のあるチーム同士の勝負は、
本当に面白い。

面白くないのは、
中国の共産党大会。

習近平は憲法を改正してまで、
3期目の国家主席となった。

中国は政治局常務委員7人が、
国の最高指導部を形成するが、
6人が習近平派である。

序列24位以内の政治局員においても、
約7割が習近平派である。

この共産党大会の閉幕式で、
突如、胡錦濤前国家主席が、
無理やり退席させられた。

世界中にその映像が流れた。

最前列の習近平の隣に座っていた胡錦涛は、
職員に腕をつかまれると、それを振り払ったが、
脇の下に両手を入れられて立たされ、
半ば力づくで会場の外に連れ去られた。
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明らかに胡錦涛前国家主席の支持者たちを、
恫喝し、萎えさせる行為である。

中国版Twitterの微博(ウェイボー、Weibo)で、
「胡錦濤」と検索しても、
以前のものしか表示されていないという。

中国共産党の今回の組織体制では、
女性活用の流れも後退した。

ダイバーシティ(多様性)に逆行する、
独裁者への権力集中。

まったく面白くない。

けれど、
面白くないものは衰える。
面白くないものは滅びる。

商売もビジネスも、
面白くないものは衰える。
面白くないものは滅びる。

〈結城義晴〉

2022年10月22日(土曜日)

「きょうも雨あしたも雨で雨合羽乾く間もなく新聞配る」

紅葉の季節。
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10月15日からの1週間は、
新聞週間だった。
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その新聞週間中、
10月16日は「新聞配達の日」。
もう死語のようになったかもしれないが、
「新聞少年の日」でもある。

10月20日は新聞広告の日。

その10・20の朝日新聞の巻頭コラム
「天声人語」

「こちらの商売柄もあるのだろう。
麻生孝さんのお名前を朝日歌壇で見かけると、
つい吸い寄せられる。
新聞配達をされているからだ」

9日に掲載された一首。

十五夜の月を見上げる午前四時
バイクを降りて手を合わせおり

麻生さんは、
「南アルプスを遠望する山梨県甲州市で、
170部ほどを毎朝配っている」

「目覚まし2個で午前0時45分に起き、
新聞を積み、懐中電灯を首からぶら下げて
暗い道を縫う」

「顔を知らない配達先も少なくない。
でも昨年、こんなことがあった。

「雪が10センチほど積もった朝。
バイクを降りて
坂道を駆け上がらねばならないし、
新聞をぬらしてもいけない」

「苦労していた先のある一軒で手がとまった」

雪の朝
コロナ禍の今ありがとう 

新聞受けのメッセージに泣く

コラムニスト。
「悪天候のなか新聞を配る。
そういう方々に
わが業界は支えられていることを、
忘れてはなるまい。
そして配達を待つ人がいる」

いまや多くの人が、
ネット経由でニュースを読んでいる。
私もネットで新聞を読むことが多い。

コラムニスト。
「大切なのは、
紙だろうとネットだろうと変わらない」

「時代に迎合せず、なおかつ、
読者の期待に応えることであろう」

月刊商人舎を始めたとき私は、
「紙の雑誌と網のネットサイト」と言っていた。
「紙と網」

10月18日に第75回新聞大会が開催された。

その大会決議は、
「平和と民主主義を守るために
ジャーナリズムの責務を果たす」

コラムニスト。
「一端を担う者として、かみしめたい」

きょうも雨あしたも雨で
雨合羽乾く間もなく
新聞配る

コラムニスト。
「労苦に見合う言論を、と心にとめる」

高校を卒業して、
大学受験の浪人をしているとき、
私は新聞配達をしていた。

自分で自分を規制したかったからだ。
甘えてはいられないと考えたからでもある。

朝早く起きて、
自転車に乗って、
新聞を配る。

朝日新聞、日経新聞、日刊スポーツ。

配り終わると1部だけ、
予備のために携えていた朝日新聞を、
もらうことができた。

家に帰って、
朝食を摂ったあと、
横浜駅から御茶ノ水駅まで、
国鉄の電車で予備校に通う。

行き帰りの車中で、
隅々まで新聞を読んだ。

それまでも、
読まないわけではなかったが、
自分が配って、
多くの人たちが読む新聞を、
少しだけ理解し、
広く深く読むようになった。

大学を出て、社会人になるとき、
ジャーナリズムを志向した理由が、
この新聞配達の経験だったのかもしれない。

書く人、編む人、刷る人、
配る人、読む人。

大学時代の親友が新聞記者を目指して、
立派な記者となり、それを全うした。

私は不思議なことに、
新聞社は一度も視野に入れなかった。

ちょっとミーハーだったのかもしれない。

いろいろ模索した挙句、
㈱商業界に入って、
流通専門の編集記者となった。

書く人、編む人、刷る人、
配る人、読む人。

それにも関心をもった。
そして、今がある。

きょうも雨あしたも雨で
雨合羽乾く間もなく
新聞配る

新聞配達のお陰だ。
ありがとう。

〈結城義晴〉

2022年10月21日(金曜日)

’22秋ミドルマネジメント研修会S級者と里見香奈の「変化の人生」

秋の快晴の日。

夜明けは遅い。
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日中は青い空に白い雲。
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夕方は秋の雲。IMG_65422

それでも1年で一番、いい天気の日だ。IMG_65452

今日は特別発表。

2022秋のミドルマネジメント研修会は、
9月13日(火)~15日(木)の2泊3日で開催された。
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場所は東京の[L Stay&grow南砂町]
2度の理解度テストと、
課題レポートの採点によって、
S・A・B・C・Dの5段階評価をする。
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そのS級獲得者
今回は14名となった。
おめでとう。

今回は名前のあいうえお順に発表しよう。

足立純さん
㈱ライフコーポレーション
経営企画部部長
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池田智子さん
㈱平和堂
木之本店店長
??????????

小野田雄介さん
㈱マツモト
店舗運営部副店長
??????????

片岡輝昭さん
㈱関西スーパーマーケット
駅前店店長
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上久保欣也さん
㈱関西スーパーマーケット
南堀江店店長
KansaiSuper_Kamikubo

喜多雄司さん
㈱平和堂
一般食品事業部日配品課長
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菅淳史さん
㈱リテールパートナーズ
㈱マルミヤストア 取締役商品部長
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杉山尚子さん
㈱平和堂
フレンドマート栗東御園店店長
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戸谷全良さん
㈱関西スーパーマーケット
福島店店長
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中山孝一郎さん
㈱平和堂
フレンドマート尼崎水堂店店長
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松本美由紀さん
㈱スタジオアリス
関東第二グループ チーフマネージャー
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都田佳孝さん
㈱マツモト
経理部
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武藤貴信さん
㈱平和堂
生鮮食品事業部青果課長
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村上純一さん
㈱関西スーパーマーケット
本社スキルアップチーム
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今回は秀逸の課題レポートが提出された。
その3名をとくに結城義晴がS級に推薦した。

おめでとう。

この研修の成果を生かして、
自ら成長してほしい。
それぞれの立場で、
会社と社会に貢献してほしい。

Aの人も、Bだった人も、
研修の結果は一つのプロセスである。

これから、いかに活かすかが何よりも大事だ。

最後のメッセージを思い出してほしい。

自分が変わらねば、
仲間を変えることは出来ない。

自分が変わらねば、
職場を変えることは出来ない。

自分が変わらねば、
店を変えることは出来ない。

自分が変わらねば、
会社を変えることは出来ない。

自分が変わらねば、
社会を変えることは出来ない。

心から健闘を祈る。

朝日新聞「折々のことば」
昨日は第2532回。

弱さを見つめ直して、
これから先も
変化し続けられる人生を
歩んでいけたらと思います。
(里見香奈、10月13日発信のツイッターから)
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編著者の鷲田清一さん。
「幼い頃よりめざましい棋歴を
積み上げてきた女流五冠は、
今年、女性初の棋士編入試験に挑むも
不合格に」

将棋界は男女の力の差が大きい。
プロ棋士と女流プロ棋士の制度があって、
両者の間には深い溝がある。

里見は12歳で女流プロ棋士になって、
その後、女流タイトルを独占。

2011年、プロ棋士への登竜門「奨励会」に入る。
そしてプロ直前の三段まで昇級するも、
年齢制限で女性初のプロ棋士にはなれなかった。

しかし今年、
女性初の棋士編入試験受験資格を獲得。
多くのトーナメント戦で、
男性プロ棋士に勝利を収めて、
受験資格を得ることができた。

そして今年8月18日から、
試験官の若手プロ棋士との五番勝負に臨んだ。
だが三連敗を喫して、
またしてもプロへの道を阻まれた。

「誰だって敗北は悔しい」

「だが、その経験は、
敗因を検討する時も、
他者の痛みに向きあう時も、
視線の届く範囲を拡(ひろ)げてくれる」

「それほどに大切な経験だからか、
トーナメントの場合は、
一者を除き誰もがひとしく
敗退するかたちになる」

鷲田清一さんは、
「敗北」を「大切な経験」と指摘する。

同感だ。

どんなトーナメントも、
優勝者一人を除いて、
他の全員が敗者となる。

負ける者のほうが圧倒的に多い。
だから「敗戦の経験」は貴重なのだ。

里見香奈女流五冠は、
「ゴキゲン中飛車」という戦法を使う。

私も10局に3局くらいは、
この戦法を採用して対局する。

ちょっとユニークで、
変化に富んだ闘いが展開される。

弱さを見直しつつ、
変化し続ける人生を歩む。

その決意や、良し。

頑張れ。

〈結城義晴〉

2022年10月20日(木曜日)

「ライフビエラ蒔田店」オープンとサミット・マルエツとの競争

ライフビエラ蒔田(まいた)店、
本日オープン。
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朝、オープン前から、
店内に入って取材や写真撮影。

ライフ恒例の開業時の全員記念写真。IMG_64072
いい習慣です。

商人舎流通スーパーニュース。
ライフnews|
「ライフビエラ蒔田店」10/20開設、1年半ぶりの神奈川県出店

「VIERRA蒔田」は旧南区総合庁舎跡地にあって、
地域交流施設や医療施設などで構成される。
その1階にライフコーポレーションが出店した。

売場面積514坪で年商27億円の予算。

ライフの総店舗数は295店舗。
首都圏が131店舗で、近畿圏が164店舗。

その首都圏の内、神奈川県は30店で、
その半数が川崎市である。

横浜市はこのビエラ蒔田店で9店目。
完全な生活圏への500坪型の出店で、
今後の試金石になる。

店はライフのオーソドックスな部門構成。
しかしライフが今、
日本のスーパーマーケットの代表であり、
標準であると思う。

岩崎高治社長と売場で話した。IMG_65172

それからビオラル売場の前でツーショット。IMG_65192

あくまで謙虚だが、
自信を感じさせる。IMG_652222

それから並木利昭さんとも話した。
取締役専務執行役員。IMG_64972

もう40年の付き合いだ。IMG_64992

それから森下留寿さんとは、
関西圏の競争の話をした。
森下さんも取締役専務執行役員。IMG_65012ー2 (1)

社外取締役の片山隆さん。
片山さんは月刊商人舎の常連執筆者。IMG_65012ー2 (5)

売場で偶然、福島豪さんに会った。
この7月にフクシマガリレイ㈱代表取締役社長に就任。
最近、フクシマガリレイの什器は、
いろいろなチェーンで使われている。IMG_64842
「冷凍食品のパラドックス」について、
ちょっと話し合った。

そして皆川剛広報部長。
いつもお世話になっている。IMG_6459 (002)2

店がオープンして、
メディアの面々は店の外で囲み取材。IMG_64732

私は入口に回って、
顧客の行列を見ていた。IMG_64742

施設2階のフロアに、
ブラスのクインテットが呼ばれて、
生演奏をしてくれた。
とてもいい。
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顧客に交じって、再び店内へ。
入口のところで椎葉哲也店長に会った。IMG_E65472

店内に入ってくる顧客は、
興味津々、売場と商品を見ていた。IMG_64782

ライフの店づくりは、
ポジショニング要件を満たしている。
それを理解している、
数少ないチェーンのひとつだ。IMG_64922

オープン初日の目玉の一つが、
1パック5000円の「黒毛和牛肉袋」。IMG_64872
100パック限定販売。

一つ購入しました。IMG_64882

取材を終えていろいろと買物をして、
そのあと歩いて、
サミットストア井土ヶ谷店へ。IMG_65012
2012年7月11日オープン。
売場は665坪で駐車場は169台。
当初34億7000万円の予算でスタート。

この10月1日にリニューアルオープンして、
ライフを迎え撃った。

商圏はちょっと離れていて、
直接競合はしないだろうけれど、
今日はやはりライフの新店に顧客が流れた。

それから、
マルエツ井土ヶ谷店。IMG_65032
1971年3月に開設された井土ヶ谷東団地の、
真ん中に位置するスーパーマーケットだ。

この団地は825戸もあって、
周辺にもマンションや住宅が密集する。

マルエツ井土ヶ谷店はかつて、
同社ナンバー1店舗として繫盛した。

サミットストアがオープンして、
影響を受けたがそれでもマルエツの旗艦店だ。

そのうえライフが出店するというので、
10月9日にリニューアルした。IMG_65042

全体に最新のMDを搭載する店に変身したが、
とくに惣菜・ベーカリーはショップ化して強化。

ライフの出店に対して、
サミットが音なしの構えだったのに比べて、
マルエツには闘う意志が見えた。

「横濱ビーフ全品半額」IMG_65052
闘う姿勢は評価できる。

全体に客層が高齢化しているが、
それでもその顧客にしっかり応えている。

ファッション館も手堅く品揃えして、
この団地やその周辺のニーズをとらえている。IMG_65072
「今日来てくださったお客さまこそ、
本当のロイヤルカスタマーだ」

大髙善興ヨークベニマル会長の言葉を、
しっかりと思い出した。

だから、
「自分の歌を歌おう」

そこで2021年6月の商人舎巻頭言。
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[Message of June2021]
自分の歌を歌え。

自分の歌を歌え。
自分の絵を描け。
自分の夢を追え。

自分の足で歩け。
自分の手でつくれ。
自分の頭で考えよ。

それが21世紀の商売のやり方だ。
ポストモダンの流通業の在り方だ。
そしてそれが商業の現代化を実現させる。

良いものはそっくり真似よ。
徹底的にベンチマークせよ。
それを横展開せよ。

標準化せよ。
マニュアル化せよ。
生産性を上げよ。

しかし皆が皆、
真似ばかりしていると、
顧客から見放される。

すべての店が互いにベンチマークし合うと、
すべての店が似てくる。
イノベーションは起こりにくい。

レース型競争からコンテスト型競争へ。
いや、レース型を制する者によって、
コンテスト型が展開される。

「大きい・強い」を実現した者ばかりが、
そのうえで「自分らしい・優しい」を競う。
それが三千年紀の競争だ。

自分の歌を歌え。
自分の絵を描け。
自分の夢を追え。

自分の足で歩け。
自分の手でつくれ。
自分の頭で考えよ。

〈結城義晴〉

2022年10月19日(水曜日)

60周年の全日食躍進チェーン大会と「こだわり」という言葉

朝晩はちょっと寒くなった。
10月19日は「バーゲン」の日。

1895(明治28)年10月19日に、
東京の大丸呉服店(現大丸百貨店)で、
冬物の大売出しが開催された。
これが日本初のバーゲンセールだった。

ちなみに世界初のバーゲンセールは、
1852年創業のパリのボン・マルシェが行った。
アリステッド・ブシコーはアイデアマンで、
バーゲンセールやチラシ広告、
催し物イベントなどを考案した。

さて今日は朝からオンライン会議。
㈱True Dataの役員会。

午後は、
横浜のスーパーマーケットをお借りして、
ビデオ撮影。

テイク1で一発OK。
ありがとう。

この間、東京お台場では、
全日食躍進チェーン大会。

グランドニッコー東京台場。IMG_6401

日本最大のボランタリーチェーンも、
60周年を迎えた。

感慨深い。IMG_6424

テーブルの上の資料。IMG_6403
私の代理で山本恭広編集長が参加してくれた。

第1部は記念講演。
開会のあいさつは木村健造さん。
全日食チェーン協同組合連合会代表理事理事長。
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講演者は高田明さん。
㈱ジャパネットたかた創業者。IMG_6400

そして第2部が躍進チェーン大会。IMG_6418

大会会長挨拶は平野実さん。
全日本食品㈱代表取締役社長。
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来賓祝辞の一人は小泉進次郎さん。
相変わらず人気の代議士。
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最後に恒例の大会宣言。
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木村耕平さん。
全日食チェーンジュニアボード全国会議前議長。
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この「複合危機」の時にも、
躍進チェーン大会は盛況だ。
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しかし齋藤充弘さんがいない。
それが淋しい。

平野さんをはじめ、
木村さんたちがそれを引き継いで、
今こそ、ボランタリーチェーンの出番だ。

応援したい。

私はビデオ撮影を終わらせて、
夕方からZOOM会議。
今年は万代知識商人大学第7期。
その11月の講義内容を確認し、議論した。

マーケティング&ストラテジック・マネジメント。
2日間の講義と研修。

いい内容です。

さて「ほぼ日」の糸井重里さん。
巻頭エッセイ「今日のダーリン」
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「こだわり」という言葉について語る。

「”こだわり”ということばが、
頻繁に使われるようになって、
ぼくは心のなかで”いやだな”と思っていた」

ほんとうに、同感だ。

「でも、どうしていやなのか、
うまく言えない」

「とても見事に”こだわり”が
使われている文もあるし、
この”こだわり”こそが
これをつくったのかと、
感心してしまうようなことだって
なくはない」

「乱発がいやなのか、
こだわりというやや否定的なことばを
“まるでいいことのように言う”のが
いやなのか」

「その程度に嫌いなケースでは、
そのことばを”じぶんは使わない”
というかたちで対処している」

これも同感だ。

「そして、ずっと気にかけたまま
過ごしている」

「”こだわり”とは、
そのことに”囚われる”だなぁ、とか。
自由のはずの人が、”囚われる”って、
自慢することか?
なんてことを思って、
静かにメモしていたりする」

「しかし、この”こだわり”みたいな表現は、
使い勝手がいいせいか、
急にみんなが使うようになり、
やがては流行しなくなって、
いつのまにか消えるものだ」

「だからかな、ぼくは日本語に、
あんまり厳しくない」

「”わたしはそれをしないだけ”という反論は、
わりと有効だ」

結城義晴も「こだわり」という言葉を、
ほとんど使わない。

ただ一度だけ、
意を決して使ったことがある。

2015年1年間の商人舎標語。
「とんがり★こだわり」

年賀状にも使った。
20150101122541.png

2015年1月2日のブログに、
「こだわり」について書いている。
1月2日に「とんがり★こだわり」の意味を解く。

読んでみていただきたい。

糸井さんとは違った表現だが、
結城義晴なりの、
この言葉に対する思いがある。

それが糸井重里と重なった。

私が訳したかったのは、
Outstanding”
“Positioning”

Outstandingは、
すんなり、「とんがり」で決まり。

Positioningは「さて」、と考えて、
迷った挙句、「こだわり」とした。

なんでも「こだわり」で済ましてしまう。
そんな態度はちょっと避けたい。
そんな風潮に組したくはない。

このニュアンス、
わかっていただけるだろうか。

わかってほしいなぁ。

重要なのは、
考えて考えて、
考え抜いた、
「ポジショニング」です。

よろしく。

〈結城義晴〉

2022年10月18日(火曜日)

イオンスタイル天王町のグランドオープンと「フォーマット」の創造

イオン天王町ショッピングセンター。
グランドオープン。IMG_63872
核店舗はイオンスタイル天王町。

朝8時35分からグランドオープン式典。
IMG_52722

そのテープカット。IMG_52772

オープンの10時前に、
2000人の顧客の行列ができた。
IMG_62562

9時になって開店したら、
顧客がどっと店内に流れ込んできた。IMG_52852

そして1階の食品売場へ。
2階へ向かう顧客も多い。
IMG_52802

1階は「フード&ウエルネスフロア」。
スーパーマーケット部門と「イオンリカー」。
それにドラッグストアの「グラムビューティーク」。
この店の目玉「カフェランテ」は、
食のセレクトショップだ。

その1階の食品フロア入り口はブドウ一色。IMG_62962
青果部門が強力だ。

さらに顧客が集中したのが鮮魚部門。
対面売場で生魚を売りながら、
盛んに試食を展開する。IMG_62862

商人舎流通スーパーニュース。
イオンリテールnews|
「イオンスタイル天王町」で10/18「福島鮮魚便」展開

「福島鮮魚便」は、
福島県で水揚げされた新鮮な魚を、
全国に先駆けて限定店舗へ届ける取り組みだ。IMG_62832

鮮魚から精肉、ハム・ソーセージ売場へ。IMG_62682

注目の的は冷凍食品売場。
アット・フローズンのアイテムを、
天王町向けにアソートメントした。IMG_62742

もちろんオープンセールも大展開。
卵は1パック98円。IMG_63782

食品が集客の核となっているが、
2階は「ライフスタイルファッション」と、
「カルチャー」のフロアだ。IMG_63222

中核はトップバリュの「ホームコーディ」。
IMG_63262
その隣に無印良品の広大な売場。
ホームコーディとMUJIが、
妙な補完関係にある。IMG_63372

無印は静かなオープニング。
盛んに入会の勧誘をしていた。IMG_63512

その隣がユニクロ。IMG_63522

こちらはまるで、
スーパーマーケットの開業のようだ。IMG_63532

さらに3コインズ・プラス。IMG_63582

3階は「キッズ&ファミリー」、
そして「スポーツフロア」

「スポージアム」は、
イオンリテールのスポーツ衣料ブランド。
それからマシンジム「3FIT」。
㈱ジーフットの「スポーツ・アウトドアシューズ」。
これらの連携は全国初の試みだ。IMG_63702

キッズ・リパブリックは物販に徹して、
この地域のニーズに応える。IMG_63622

さらにフードコートは「かるがもキッチン」。IMG_63642

フードサービス機能を、
1階と3階に配置して、
これも顧客のニーズをキャッチする。

1階にはオープン記念で、
天王町の神輿が出た。
地域を上げてこの店を応援している。IMG_63042

オープン当日の店舗をじっくり見てから、
私は商人舎オフィスに戻った。

第一屋製パン㈱の取締役会に、
オンラインで出席。

「わが社の強み」について語った。

その間、メディアは共同記者会見。IMG_63542

特別に会場をセッティングして、
旗艦店リニューアルの説明と質疑応答。IMG_63592

井出武美イオンリテール㈱社長(右)と、
中野公現(なかのこうげん)イオンスタイル天王町店長。IMG_636222
イオン天王町の店づくりやMD、
そしてこの井出さんのスピーチなどは、
月刊商人舎11月号でたっぷりと紹介しよう。

私の地元での旗艦店大改装。
私の評価は高い。

ご期待いただきたい。

イオンスタイルは「総合スーパー業態」である。
国際的にはハイパーマーケットという。

「ウォルマートスーパーセンター」は、
ハイパーマーケット業態の中の、
ウォルマート社が創造したフォーマットだ。
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フォーマットは、
「業態が分化した様々な形」のこと。
これは田村正紀神戸大学名誉教授の定義。

別の表現をすると、
業態の売り方を大きく変えて、
ポジショニングを構築すると、
フォーマットが出来上がる。

だからターゲット社も、
ハイパーマーケット業態の、
「スーパーターゲット」という、
独自のフォーマットを展開する。
DSCN8942-6-448x336

Kマート社は、
弱いけれど「スーパーKマート」を営業している。

だからスーパーセンターは業態用語ではない。
これがコーネル大学のロジックであり、
私の持論である。

イオンはイオンスタイルを、
総合スーパーのフォーマットにしようと、
懸命に模索してきた。

そしてこのイオンスタイル天王町によって、
間違いなくフォーマットの完成に近づいた。

総合スーパー業態のピークは、
1997年だった。

いまから25年も前のことだ。

それ以降、業態の衰退が続いた。

しかしフォーマットが創造されると、
この業態が蘇る。

その記念碑のような店である。

月刊商人舎10月号特集は、
「新フォーマット続々!!」
202210_coverpage
ポストコロナ時代が見えてきて、
「フォーマット」が定着してきた。

これはチェーンストアの大きな節目である。
私はそれがうれしい。

ありがとう。

〈結城義晴〉

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