文化の日。
1946年、日本国憲法が公布された日。
その日本国憲法は、
「平和」と「文化」を重視している。
だから「文化の日」となった。
その前文には、こう示されている。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、
人間相互の関係を支配する
崇高な理想を深く自覚するのであって、
平和を愛する諸国民の
公正と信義を信頼して、
われらの安全と生存を
保持しようと決意した」
「われらは平和を維持し、
専制と隷従、圧迫と偏狭を
地上から永遠に除去しようと努めている
国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思う」
「われらは全世界の国民が、
ひとしく恐怖と欠乏から免れ、
平和の内に生存する権利を
有することを確認する」
中学生のころだったか、
この全文を丸暗記した。
英語の関係代名詞のところを、
ほぼ直訳している。
だから日本語としては悪文だ。
だから私流に改訂すると、
「日本国民は、
恒久の平和を念願する。
人間相互の関係を支配する、
崇高な理想を深く自覚する」
「国際社会の諸国民は、
平和を愛するものである。
私たちは、
その公正と信義を信頼する」
「したがって私たちは、
私たち自身の安全と生存を、
私たち自身で保持しようと
決意するものである」
「国際社会は平和を維持し、
専制と隷従、圧迫と偏狭を
永遠に地上から除去しようと努めている。
私たちはその国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思う」
「私たちは全世界の国民が、
ひとしく恐怖と欠乏から免れ、
平和の内に生存する権利を有することを
確認する」
さらに、重要なのは、
日本国憲法の「第2章 戦争の放棄」である。
その「第9条」が議論の対象となっている。
「日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する」
「前項の目的を達成するため、
陸海空軍その他の戦力は
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」
国際政治学者の篠田英朗さんは、
『はじめての憲法』のなかで、
この第九条に以下の文面を加えて、
その部分の改憲をすればいい、と主張する。
「前二項の規定は、
本条の目的にそった
軍隊を含む組織の活動を禁止しない」
私も篠田さんに賛成するものだ。
「戦争の放棄」は「原理」ではなく、
「目的」である。
これならば、
「自衛隊」という組織が正当化されて、
憲法に記される。
私の訂正した前文とも一致する。
やはり11月3日は、
「文化の日」ではなくて、
「平和の日」であるべきだった。
その文化の日。
いい天気、
快適な陽気。
けれど私は、
自宅の自室にこもって、
原稿執筆。
いい日が、終わっていく。
私自身はこの自室の中で、
平和だ。
そして1日中、
少なくとも「文化」に資することをやっている。
それはそれで満足だ。
いい日だ。
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。
〈結城義晴〉