岸田政権の辞任ドミノ。
10月24日に山際大志郎経済財政再生相、
11月11日に葉梨康弘法務相、
そして11月20日に寺田稔総務相。
政権として見れば末期症状だ。
米国チェーンストア。
第3四半期決算が発表されている。
ウォルマートnews|
第3Q営業収益1528億ドル8.7%増/US部門のシェア伸長
1月末が決算期のウォルマート。
10月31日で終了した第3四半期。
営業収益は1528億万ドル、
1ドル140円換算で21兆3938億円。
前年同期比で8.7%増。
売上げは好調だ。
しかし営業利益は26億9500万ドル、
3773億円で53.5%の減少。
「オピオイド訴訟」関連の示談金が、
33億ドルが計上されて、
純損失17億9800万ドル(2517億円)。
オピオイドは、
ケシから採取されるアルカロイドや、
そこから合成された化合物のことだ。
そのオピオイドを使った鎮痛剤が過剰供給され、
裁判所はそれに加担したと判断した。
ウォルマートだけでなく、
CVSヘルスとウォルグリーンの3社が罰せられ、
合計120億ドルの示談金を支払う。
全米のドラッグストアが加担したけれど、
圧倒的な量を販売した3社が罰せられた。
ウォルマートの部門別成績はいずれも良好。
ウォルマートUSは売上高1048億ドルで8.5%増、
営業利益は51億ドルで4.8%増加。
国際部門は253億ドルで7.1%増。
営業利益は9億ドルで1.1%減少。
サムズクラブは214億ドルで12.8%増、
営業利益は6億ドルで18.3%増。
インフレの影響は大きい。
高所得者層がウォルマートに流入して、
客層が拡大している。
アマゾンnews|
第3Q営業収益1271億ドル14.7%増/プライムデー好調
アマゾン・コムの第3Q営業収益は、
1271億ドルで14.7%増。
17兆7940億円。
ウォルマートに対しては、
83.2%のスケールまで迫ってきた。
営業利益は25億2500万ドルで48.0%減、
純利益も28億7200万ドルで58.2%減。
北米アマゾンが売上高788億ドルで、
前年同期比20.3%増、
営業損失4億1200万ドル。
国際部門が277億ドルで4.9%減、
営業損失が24億6600万ドル。
インターネット販売は赤字だ。
しかしアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が、
売上高205億ドルで27.5%増、
営業利益54億ドルで10.6%増。
部門別売上構成比は、
北米が62%(前年同期59%)、
国際が22%(26%)、
AWSが16%(15%)。
プラットフォームを構築して、
そこに参加する企業にサービスをする。
そのサービス事業で利益を出す構造だ。
販売チャネル別の売上高は、
オンライン販売が535億ドルで7%増、
実店舗が47億ドルで10%増、
第三者セラーが287億ドルで18%増。
CVSヘルスnews|
第3Q総収入811億ドル10%増/小売部門は検査減で減益
総収入812億ドルの10.0%増で11兆3623億円。
営業損失39億3100万ドル、
純損失34億0900万ドル。
こちらも「オピオイド訴訟」に合意して、
今後10年で52億ドルの示談金を払う。
それによる営業損失、純損失。
ターゲットnews|
第3Q営業収益261億ドル3.3%増/4億ドルの盗難で大減益
営業収益は261億ドル(3兆6571億円)で3.3%増、
営業利益は10億2200万ドル(1431億円)で49.2%減、
純利益は7億1200万ドル(997億円)の52.1%減。
増収減益。マイケル・フィデルクCFOの発言。
「店舗での組織的な盗難によって、
4億ドル以上を失っている」
通期では6億ドルを超える。
インフレに呼応して、
組織内盗難が急増している。
憂うべき現象だ。
インフレは顧客の足を、
ウォルマートやターゲットに向ける。
スーパーマーケットやドラッグストアも、
増収となっている。
しかし組織内盗難も急増する。
ターゲットは1946年から、
税引き前利益の5%を地域還元している。
5%クラブと呼ばれる。
そんな会社で大規模な盗難が起こる。
オピオイドを使った鎮痛剤の過剰使用も、
人々の心が荒廃している証拠だ。
「ドミノ辞任」は政治家の質の低下を意味するが、
それが国民に伝染しないことを祈りたい。
米国小売業にとって、
人心の荒廃は深刻な問題である。
日本にはそれがないことが、救いか。
〈結城義晴〉